鳥居清長や喜多川歌麿らによる浮世絵美人たちに。
(注:館内の写真撮影は、特別に許可を頂いております。)
菱田春草や鏑木清方ら東京画壇のスターが描く美人たちに。
京都画壇の中村大三郎ら、大阪画壇の北野恒富ら、関西の画家によって描かれた美人たちに。
現在、東京藝術大学大学美術館で開催中の展覧会には、
東京ガールズコレクションばりに美人が大集結しています!
しかし、これらの美人画は、「序」 章にしか過ぎません。
展覧会のメインを務めるのは、上村松園による近代美人画の最高傑作 《序の舞》 です。
重要文化財 上村松園 《序の舞》 昭和11年(1936) 300.0×209.0 東京藝術大学蔵
実は、こちらの 《序の舞》。
数年かけて本格的な修理が行われていたそうで、
今回の展覧会が、修復後の姿が初めて一般にお披露目される機会となっています。
絵具の剥落止めやクリーニングが施されr、色合いが美しくなっただけでなく。
作品へのダメージを軽減させるため、これまでの掛軸装から額装へと表装が変わりました。
文字通り、装いを新たに生まれ変わった 《序の舞》 です。
約80年も前の作品とは思えない美しさ。
もちろん描かれた女性も美しかったですが、
それ以上に、着物や帯の美しさに目を奪われてしまいました。
まさに、眼福。
心が舞い上がるようでした。
そんな 《序の舞》 にいたる美人画の歴史を、
江戸時代の風俗画から昭和前期までの美人画の名品の数々でたどる華やかな展覧会、
“東西美人画の名作 《序の舞》への系譜” は5月6日まで開催中です。
上野の桜は散り始めていますが、展覧会場はまだしばらく春満開。
心が浮き立つ展覧会です。
ちなみに、出展作品数は約60点と、やや少なめ。
それに対して鑑賞料は一般1400円と、やや割高な印象を受けてしまいましたが。
今回の展覧会は、なんと音声ガイドが無料!
竹下景子さんのナレーションだけでなく、
藝大の音楽学部の教授が美人画に合わせてセレクトしたヨーロッパの名曲とのコラボも楽しめました。
それを考えると、決して割高ではなかったです。
なんか、すいません。
《序の舞》 は、もちろん群を抜いて素晴らしかったですが。
それ以外にも、印象的な美人画は多数ありました。
例えば、「東京のショウエン」 こと、池田蕉園の作品も2点出展されています。
当時、上村松園と人気を2分しただけあって、
描かれた女性の顔立ちや仕草などの美しさは、甲乙つけがたい感じでした。
ただ、着物の柄が、いまひとつ野暮ったいと言いますか、もったりしていると言いますか。
ファッションセンスに関しては、上村松園に軍配。
また、個人的にもっとも目が釘付けになったのは、菊池契月の 《散策》 です。
菊池契月 《散策》 昭和9年(1934) 173.0×173.5 京都市美術館蔵
どことなくハーフっぽいオリエンタルな少女の顔立ちに、思わずドキッ。
サラサラな髪の毛が、風でフワッと靡いた感じに、思わずクラッとしました (←何の話?!)。
2匹の犬を連れて散歩していますが、よく見ると、リードがつながっているのは1匹だけ。
リードのない赤い首輪のほうは、心なしか悲しげな表情でした。
それと、もう1点印象的だった作品が、三浦孝 (写真左) による 《栄誉ナラズヤ》 という一枚です。
ちょっと和久井映見似の美しい天女が描かれた美人画・・・と思いきや。
足元には、軍人の遺体がゴロゴロ転がっているではないですか!
実は、怖い絵。
しかも、そんな遺体の数々を特に気にしていない、
いや、気づいてもいないような天女の無垢な表情が、怖さをより強調していたように思います。
菊池契月の 《散策》 とは、別の意味で目が釘付けになりました。
1位を目指して、ランキングに挑戦中。
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(注:館内の写真撮影は、特別に許可を頂いております。)
菱田春草や鏑木清方ら東京画壇のスターが描く美人たちに。
京都画壇の中村大三郎ら、大阪画壇の北野恒富ら、関西の画家によって描かれた美人たちに。
現在、東京藝術大学大学美術館で開催中の展覧会には、
東京ガールズコレクションばりに美人が大集結しています!
しかし、これらの美人画は、「序」 章にしか過ぎません。
展覧会のメインを務めるのは、上村松園による近代美人画の最高傑作 《序の舞》 です。
重要文化財 上村松園 《序の舞》 昭和11年(1936) 300.0×209.0 東京藝術大学蔵
実は、こちらの 《序の舞》。
数年かけて本格的な修理が行われていたそうで、
今回の展覧会が、修復後の姿が初めて一般にお披露目される機会となっています。
絵具の剥落止めやクリーニングが施されr、色合いが美しくなっただけでなく。
作品へのダメージを軽減させるため、これまでの掛軸装から額装へと表装が変わりました。
文字通り、装いを新たに生まれ変わった 《序の舞》 です。
約80年も前の作品とは思えない美しさ。
もちろん描かれた女性も美しかったですが、
それ以上に、着物や帯の美しさに目を奪われてしまいました。
まさに、眼福。
心が舞い上がるようでした。
そんな 《序の舞》 にいたる美人画の歴史を、
江戸時代の風俗画から昭和前期までの美人画の名品の数々でたどる華やかな展覧会、
“東西美人画の名作 《序の舞》への系譜” は5月6日まで開催中です。
上野の桜は散り始めていますが、展覧会場はまだしばらく春満開。
心が浮き立つ展覧会です。
ちなみに、出展作品数は約60点と、やや少なめ。
それに対して鑑賞料は一般1400円と、やや割高な印象を受けてしまいましたが。
今回の展覧会は、なんと音声ガイドが無料!
竹下景子さんのナレーションだけでなく、
藝大の音楽学部の教授が美人画に合わせてセレクトしたヨーロッパの名曲とのコラボも楽しめました。
それを考えると、決して割高ではなかったです。
なんか、すいません。
《序の舞》 は、もちろん群を抜いて素晴らしかったですが。
それ以外にも、印象的な美人画は多数ありました。
例えば、「東京のショウエン」 こと、池田蕉園の作品も2点出展されています。
当時、上村松園と人気を2分しただけあって、
描かれた女性の顔立ちや仕草などの美しさは、甲乙つけがたい感じでした。
ただ、着物の柄が、いまひとつ野暮ったいと言いますか、もったりしていると言いますか。
ファッションセンスに関しては、上村松園に軍配。
また、個人的にもっとも目が釘付けになったのは、菊池契月の 《散策》 です。
菊池契月 《散策》 昭和9年(1934) 173.0×173.5 京都市美術館蔵
どことなくハーフっぽいオリエンタルな少女の顔立ちに、思わずドキッ。
サラサラな髪の毛が、風でフワッと靡いた感じに、思わずクラッとしました (←何の話?!)。
2匹の犬を連れて散歩していますが、よく見ると、リードがつながっているのは1匹だけ。
リードのない赤い首輪のほうは、心なしか悲しげな表情でした。
それと、もう1点印象的だった作品が、三浦孝 (写真左) による 《栄誉ナラズヤ》 という一枚です。
ちょっと和久井映見似の美しい天女が描かれた美人画・・・と思いきや。
足元には、軍人の遺体がゴロゴロ転がっているではないですか!
実は、怖い絵。
しかも、そんな遺体の数々を特に気にしていない、
いや、気づいてもいないような天女の無垢な表情が、怖さをより強調していたように思います。
菊池契月の 《散策》 とは、別の意味で目が釘付けになりました。
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