現在、弥生美術館では、日本初となる・・・いや、
おそらく世界でも初となるセーラー服にスポットを当てた展覧会が開催されています。
その名も、“セーラー服と女学生 ~イラストと服飾資料で解き明かす、その秘密~” 。
一体どんな展覧会なのでしょうか?!
セーラー服が好きとか、興味があるとか、そういう理由ではなく (←?)
純粋にアートテラーとして気になるので、早速行ってきました。
何でしょう?!この妙な胸の高鳴りは!
こんなにも会場に入る前にドキドキする展覧会は初めてです。
すいません。先ほどは軽くウソをついてしまいました。
やはり男はいくつになっても、セーラー服には心をかき乱されるものなのです。
・・・・・と、実は、その感情。
万国の男子共通の感情ではないのだそうです。
セーラー服と聞いて、女学生を連想するのは、なんと日本人だけなのだとか。
もともとセーラー服とは、1857年に制定されたイギリス海軍の水兵服。
その後、19世紀末から20世紀初頭にかけて、
ヨーロッパで、子供服や大人の女性のマリンルックとして流行します。
つまり、セーラー服は、男女問わず、しかも、年齢も問わず着られるファッションだったのです。
では、なぜ日本では、
“セーラー服=女学生” というイメージが定着してしまったのでしょうか?
その謎と秘密に迫ろうというのが、今回の展覧会のテーマ。
セーラー服を歴史的、文化的に検証するちゃんと真面目な展覧会なのでした。
(ドキドキしてる場合ではありません・・・)
最初の展示室で紹介されていたのは、中原淳一や松本かつぢなどの抒情画家による作品です。
中原淳一 《『ひまわり』1949年6月号表紙》 ©JUNICHI NAKAHARA / HIMAWARIYA
松本かつぢ 《君の瞳はつぶらにて》 ©松本かつぢ資料館
彼らがセーラー服姿の女学生を描いたことで、
日本にそのイメージが浸透していったのは間違いないでしょう。
その変遷を辿ることができました。
続く2階の展示室では、江津匡士さんをはじめ、
江津匡士 《Primavera》 和紙・リキテックス 2010年
セーラー服をモチーフに作品を制作する現在のアーティストの作品や原画が紹介されています。
その中には、日本のセーラー服を世界に広めた漫画、
竹内直子さんの 『美少女戦士セーラームーン』 の原画も!
武内直子 『美少女戦士セーラームーン』完全版第一巻カバー ©Naoko Takeuchi
おそらく、この原画が一番のお目当てなのでしょう。
実は予想に反して、会場には若い女性客で賑わっていました。
(そのせいで、男一人は気まずかったですw)
ちなみに、僕のお目当ては、こちら↓
中村佑介 《ニッポン》 2017年描きおろし
セーラー服の少女像が代名詞ともいえる今を時めくイラストレーターの中村祐介さんの原画です。
今回は最新作を含む20点が出展。
昨年の秋に話題となった 『新字源』 の原画も出展されていました。
角川新字源 改訂新版 特装版 3,240円 Amazon |
展覧会では、彼らの作品だけでなく、
“なぜ、セーラー服を描くのか” といったインタビューもあわせて紹介されています。
セーラー服に対するそれぞれの見解は、実に興味深いものがありました。
セーラー服が日本に導入されて約100年。
今や女学生を表すアイコンとして定着したセーラー服は、
日本のアーティストたちにとって、重要なモチーフになっていたのですね。
いやぁ、実に興味深い (←これは純粋に。)
ちなみに、そもそも女学生の制服が、袴などの和装スタイルからセーラー服に変わったのか。
そのあたりについては、東洋英和女学院や都立八潮高校など、
多数の学校の協力のもと、実際のセーラー服や資料を交えながら丁寧に紹介されています。
なお、日本で最初のセーラー制服とされるのは、
京都の平安女学院 (大正9年制定) や福岡女学院 (大正10年制定) とのこと。
今回の展覧会では、それらのセーラー制服のレプリカも資料とともに展示されていました。
さらには、日本最古のセーラー服を着た女学生とのツーショット写真が撮影できる写真パネルも。
気恥ずかしくて、ツーショット写真なんか撮れないわ!
(↑ゴメンね 素直じゃなくて)
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