現在、ワタリウム美術館で開催されているのは、
“理由なき反抗 展 I LOVE ART 14” という展覧会。
「アートの歴史とは、自由への闘いの歴史である」 をテーマに、
ワタリウム美術館コレクションの中から、15人の作家の作品約100点が紹介されています。
ちなみに、展覧会タイトル及びメインビジュアルに使われているのは、ウォーホルの同名作。
ジェームス・ディーン主演の映画、
『理由なき反抗』 の日本版ポスターを題材に制作された作品なのだそうです。
確かに、よく見ると、映画タイトルの横に、
「俺たちはこの反抗心を忘れていないか!?」 というキャッチコピーが記載されていました。
いまいちピンとこないキャッチコピーですが (笑)
さてさて、今回、特にインパクトを受けたのが、
展示室からはみ出るくらいに展示されていたこちらの作品です↓
中国生まれで、天安門事件をきっかけにパリに移住したホワン・ヨンピンの作品。
タイトルは、《避難はしご》 です。
実際の避難はしごは、人の安全を守るための道具ですが、
ホワン・ヨンピン作の 《避難はしご》 は、本物の中華包丁で出来ていました。
気を付けないと、ザクッといきます。ザクッと。
ただ単にデンジャラスな作品なのかと思いきや、
苦悩を乗り越えて、天を目指す人間の姿を現しているのだとか。
『SASUKE』 の新たなステージみたいなものでしょうか。
ちなみに、こちらの作品は、1992年に同館で開催された “レジスタンス展” のために制作されたそう。
全長は49.6mにもなる作品で、
当時はワタリウム美術館の建物の両脇の避難スペースに実際に設置する予定でした。
しかし、法規上の理由で、あえなく断念。
その際も、今回と同じようなスタイルで館内で展示したのだそうです。
さすがに、法律にはレジスタンスできないですよね。
そんな 《避難はしご》 のすぐ近くに、
さらに見た目がデンジャーな作品が展示されていました。
こちらは、ワタリウム美術館のコレクションではなく、
特別出展の作品で、竹川宣彰さんによる 《¡No Pasarán!》 です。
鬼に金棒。
いや、鬼に金属バットということなのでしょう。
見た目はかなりデンジャーなのに、妙にユーモラスでもある。
ヤンキーギャグ漫画のようなテイストの作品でした。
他にも、ヨーゼフ・ボイスをはじめ、
デザインでライフスタイル革命に挑んだロトチェンコやマックス・ビル、
ナムジュン・パイクやオノ・ヨーコなど、
20世紀美術界におけるスター選手たちの作品も出展されています。
少し昔の時代の人たちの作品ではありますが、
「社会における不自由との闘い」 というテーマは不変で古びないのでしょう。
彼らの作品は、現代の目で見ても十分に新鮮に感じられますし、
21世紀の現代社会に対しても警鐘を鳴らしているようにも感じられます。
心の底から、「自由だー!!(出典:犬井ヒロシ)」 と叫びたくなる展覧会でした。
アート is freedom。
ちなみに、今回の展覧会には、
ワタリウム美術館と縁が深いキース・ヘリングの作品群も出展されています。
その中で、個人的に一番印象に残っている作品 (?) は、
キース・ヘリングが、漢字の 『展』 の字を練習したメモ書きです。
普通に、上手っ!
日本人でも、ここまで 『展』 の字を上手く書ける人は多くないはず。
キース・ヘリングの目 (図形の認識力) とグラフィックの勘の非凡さを感じさせる一枚です。
また、彼が初来日した際の様子を記録した貴重な映像も紹介されていました。
制作の場となったのは、ワタリウム美術館の手前の建物。
その建物は現存しており、壁画もそのまま残っています。
「へぇー、あんな感じで制作していたんだ」 と映像を見たあと、何気なく実物に目をやると・・・
・・・えっ?あれっ?!建物がなーい!
いつの間にやら建物が無くなっていました。。。
もう二度とキース・ヘリングの壁画が観られないのか。。。
と思ったら、美術館の方に確認したところ、
キース・ヘリングの貴重な壁画を保存するために、一時、撤去しているだけとのこと。
そのうち、姿を現すとのことでした。
ちゃんと理由があって、ホッと一安心です。
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理由なき反抗 展 I LOVE ART 14
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