Quantcast
Channel: アートテラー・とに~の【ここにしかない美術室】
Viewing all articles
Browse latest Browse all 5005

館長庵野秀明 特撮博物館

$
0
0

東京都現代美術館で開催中の “館長庵野秀明 特撮博物館 ミニチュアで見る昭和平成の技 に行ってきました。

アートテラー・とに~の【ここにしかない美術室】-館長庵野秀明 特撮博物館


こちらは、国民的アニメ 『新世紀エヴァンゲリオン』 で、




お馴染みの庵野秀明さんが館長を務める “特撮” をテーマにした美術展。
この美術展の目玉は何と言っても、庵野秀明さん自らが企画し、
この美術展のために、スタジオジブリが制作した特撮短編映画 『巨神兵東京に現わる』 。
この美術展でしか観ることのできない現時点でのスタジオジブリ最新映画です。

特撮×新世紀エヴァンゲリオン (庵野秀明さん) ×スタジオジブリ

あまりにも最強すぎる組み合わせなので、逆に・・・

“安易な企画で、美術展としては大したことがないんじゃない・・・ (苦笑)”

と、イマイチ期待が持てなかったのですが。
いざ蓋を開けてみれば、

ここ数年で一番興奮した美術展でした♪♪♪

特撮×庵野秀明さん×スタジオジブリの組み合わせは、文句なしで最強でした。
星星星
これは、行かなきゃダメだ。行かなきゃダメだ。行かなきゃダメだ。


さてさて、具体的には、どんな内容の美術展かと言いますと。
かつては、 『ゴジラ』 に、




『ウルトラマン』 に、




エトセトラに、と、多くの日本人に夢と希望を与えてきた “特撮” 。
庵野秀明さんも、そんな特撮に多大な影響を受けた一人。
幼き頃より特撮を愛してやまず、自身の創作活動の原点は、特撮にあると述べているほどです。

・・・ところが。

今や時代は、すっかりCG全盛期。
特撮の出番は、ほとんどなく、その技術は、衰退の一途を辿っております。。。

「こんな今だからこそ、もう一度、特撮を見直そう!」

そんな庵野館長の切なる願いによって企画されたのが、今回の美術展。
会場に、所狭しと展示された資料・ミニチュア約500点 (!) と、
庵野館長の “特撮愛” 溢れる解説パネルの数々により
日本が世界に誇れる文化である“特撮” の魅力が余すことなく紹介されている美術展です。


今思い返すだけでも、興奮してしまうほどの今回の美術展。
何とか落ち着いて、その面白さをリポートしてみましょう。

まず、会場に入って、いきなりノックアウトされたのを覚えています。
というのも、最初に待ち受けていたのは、
往年の東映の特撮映画のポスターや、その映画に登場した乗り物の数々
それに、モスラやメカゴジラといった人気怪獣たち。

「うわぁ~♪かっちょい~♪」

思わず理性をなくし、少年のように目を輝かせ、それらを眺めてしまいました。
(↑この気持ち、女性にはわかるまいw)
ひとしきり興奮した後、ふと冷静に戻って周りを見回すと、
同じように目を輝かせる男子やオジサマたちが、たくさんいらっしゃいました。
どうやら皆、同じ目になってしまうようです (笑)

その後も、かつて土8で放送されていた 『マイティジャック』 (←知りませんでした汗) や、




『ウルトラマン』 シリーズのコーナーに、
様々なヒーローマスクの紹介など、男心をガッチリ掴む展示が目白押し。
それらで十二分にお腹いっぱいになったあとに、
ようやく 『巨神兵東京に現わる』 上映コーナーが現れます。

ただ単に、 『風の谷のナウシカ』 の巨神兵を登場させただけの適当なスピンオフ映画かと思いきや。
監督は、 『ローレライ』 や 『日本沈没』 の樋口真嗣。
声の出演に、林原めぐみ、と豪華なメンバーが集った本格的な作品。
もちろん肝心の内容も、シンプルながらも奥深さがあり、
9分3秒間という時間があっという間に感じられるほど濃厚なものでした。

“いやぁ、面白かった。うん。”

さて、観終わった後に、待ち受けていたのは、
特撮短編映画 『巨神兵東京に現わる』 の裏側に迫るコーナー。
そこで流されていた映像で、驚愕の事実を知ることになるのです!

“え~~っ!!!さっきの映像には、一切CGが使われてなかったの?!”

ビルの爆破の秘密に、
巨神兵を歩かせる驚きの方法に、
CGで再現したとばかり思っていたキノコ雲の正体に。
まるで手品の種明かしをされるように、次々と明らかにされる特撮の秘密。
正直、本編よりも、こっちの映像の方が集中して観てしまいました (笑)

こちらの映像で、何よりも印象的だったのは、
特撮スタッフの皆さんが、映像上の無理難題に、楽しそうに挑んでいる姿。
例えば、ビルが溶けるというシーン。
アニメやCGなら、簡単に再現できるでしょうが。
これを、実写で再現するとなると、一筋縄ではいきません。
そんな無理難題に、これまでの特撮で使われた方法に頼るのでなく、
あくまで自分たちの力で創意工夫を凝らす特撮スタッフたち。
そのプロフェッショナルな姿に、熱いものが込み上げてきました。
また、実際に、とある方法で、ビルが溶けるシーンを再現した時に、
少年のようにはしゃぐ特撮スタッフたち (いい大人ですw) な姿に、微笑ましさを感じました。

こちらの映像を観た上で、もう一度 『巨神兵東京に現わる』 を観ますと、

“いやぁ、面白かった。うん。”

という一言では済ませない感動が沸き上がります。
この映画の主役は、巨神兵ではなく、 “特撮” そのものです。


これで、美術展は終わり・・・ではありません。まだまだ続きます。
地下1階に降りると、東宝撮影所の美術倉庫を再現した “特撮美術倉庫” が待ち構えていました。
さまざまな資料やミニチュアが所狭しと展示された空間です。
美術展の冒頭でも、さまざまな資料やミニチュアは展示されていましたが。
あちらが、体系だった展示であったのに対し、
この “特撮美術倉庫” での展示は、倉庫なのであえて雑然と展示されています。
その雑多感が、まるでおもちゃ箱のようで、とてもワクワクさせられるのです。


そして、 “特撮美術倉庫” を抜けた後には、
特撮スタジオ・ミニチュアステージのコーナーが待っています。
こちらは、写真撮影可能!

アートテラー・とに~の【ここにしかない美術室】-ミニチュア


中に入ってみたり、裏側に回ってみたり、特撮の世界にどっぷり浸りましょう♪

アートテラー・とに~の【ここにしかない美術室】-1

アートテラー・とに~の【ここにしかない美術室】-2  アートテラー・とに~の【ここにしかない美術室】-3


このミニチュアの世界に、ちゃっかり樋口監督の姿も (笑)
(チャン・カワイに似ています)

アートテラー・とに~の【ここにしかない美術室】-樋口


また、こんな撮影コーナーも↓

アートテラー・とに~の【ここにしかない美術室】-撮影


ミニチュアが、ちょっと不思議な配置ですね。なぜ?

アートテラー・とに~の【ここにしかない美術室】-撮影


実は、こちら。
部屋のセットごしに、窓の外を見ると・・・

アートテラー・とに~の【ここにしかない美術室】-セット


このように見えるのです!

では、この外のセットに、人が立つとどうなるのでしょう?
せっかくなので、立ってみました (撮影:知人)

アートテラー・とに~の【ここにしかない美術室】-とに~


巨大とに~現る!!


いやはや、とっても楽しかったです。
美術展の最初の方は、男子しか楽しめないかと思っていましたが、
全体的には、男子だけでなく、性別問わず幅広い年代の方の楽しめる美術展になっていました。
また、ただ楽しいだけでなく、
特撮の奥深さを実感させられる展示でもあり、
特撮の造形美と技術は、まさしくアートそのものでした。
是非、世界を巡回して欲しい美術展です。
ゆくゆくは、本当に特撮博物館が出来て欲しいです。

この楽しさは、口コミで広がること必至。
絶対に、これから混雑すると思われますので、早めに行かれることをオススメします。




美術ブログのランキングに、ご協力をお願いします
Blogランキングへ   にほんブログ村 美術ブログへ


Viewing all articles
Browse latest Browse all 5005

Trending Articles