今年2018年は、松平不昧の没後200年という節目の年。
それを記念して、現在、三井記念美術館では、
“大名茶人・松平不昧-お殿さまの審美眼-” という展覧会が開催されています。
(注:館内の写真撮影は、特別に許可を頂いております。)
“・・・・・松平不昧?まずい??”
と読んでしまった方も、ちらほらいらっしゃるかもしれませんが。
「まずい」 ではなく、「ふまい」。
『味』 ではなく、『昧』 です。
松平不昧こと、松平治郷 (1751~1818) は、
江戸を代表する茶人にして、松江松平藩7代藩主を務めた人物。
文化人としては一流、でも、施政者としては二流、三流。
そんな殿様や王様は、歴史上数多くいますが。
松平不昧の場合は、文化人としても施政者としても超一流。
天が二物も三物も与えたような人物です。
さて、今回の展覧会には、国宝の 《玳玻盞 梅花天目》 や、
国宝 《玳玻盞 梅花天目》 南宋時代・12世紀 相国寺蔵
重要文化財で長次郎作の 《赤楽茶碗 銘無一物》 を筆頭に、
重要文化財 長次郎 《赤楽茶碗 銘無一物》 桃山時代・16世紀 頴川美術館蔵 (注:展示期間は、4月21日~5月20日)
そんな不昧が愛蔵した茶道具の名品が大集結!
それらの名品には、現在、国宝や重要文化財に指定されているものが多く含まれています。
審美眼も超一流。
リアル “国宝ハンター” としても超一流です。
また、松平不昧は、蒔絵師や塗師らに自身のコレクションを見せ、
その意匠や技法を学ばせることで、新たな作品を次々と生み出していきました。
例えば、原羊遊斎に作らせた 《片輪車蒔絵棗》 という棗は・・・
原羊遊斎 《片輪車蒔絵棗》 文政12年(1829) MOA美術館蔵
松平不昧が所蔵していた国宝の 《片輪車螺鈿手箱》 が元ネタとなっています。
国宝 《片輪車螺鈿手箱》 鎌倉時代・13世紀 東京国立博物館蔵 [Image:TNM Image Archives] (注:展示期間は、4月21日~5月20日)
アートプロデューサーとしても一流の人物だったのですね。
松平不昧、死角がありません。
恐るべし。
ちなみに、松平不昧は瓢箪が好きだったようで、
瓢箪をモチーフにした作品をいくつもコレクションしていました。
酒井抱一に下絵を描かせ、原羊遊斎に仕上げさせたという豪華絢爛な弁当箱も瓢箪尽くし。
酒井抱一 下絵 原羊遊斎 作 《瓢箪蒔絵弁当箱》 江戸時代・19世紀
取っ手や箱の側面、毛抜きの穴など、
いたるところで、瓢箪のモチーフがひょっこり登場している弁当箱です。
ひょうたんファン (←不昧以外にいるのか?) にはたまらない作品といえましょう。
さてさて、今回出展されていた作品の中で、
特に印象に残っているのは、雪舟による 《一円相》 です。
これまで数々の円相を見てきましたが、断トツでパーフェクトな円でした。
さすが雪舟。
とてもフリーハンドで描いたとは思えません。
惚れ惚れするほど均整が取れた円です。
ちなみに、不昧による円相図も紹介されていました。
松平不昧 《円相の偈》 江戸時代・19世紀 天真寺蔵 (注:展示期間は、4月21日~5月20日)
・・・・・・・・・・・・・。
多岐にわたる才能の持ち主の不昧ですが。
どうやら円を描く才能は、まぁ、普通だったのかもしれません。
それと、もう一つ印象に残っているのが、国宝の 《大井戸茶碗 喜左衛門井戸》 です。
(画像はありません。あしからず)
この国宝の大井戸茶碗には、呪い (?) の言い伝えがあるとのこと。
なんでも所持したものは、腫物を病むのだそうです。
・・・・・・・どんな呪いだよ!
そんな 《大井戸茶碗 喜左衛門井戸》 を所持した不昧は、実際に腫物を患ってしまったのだとか。
なんかショボい呪いですが、確実に呪いは存在しているようです。
さて、それだけに、妻が手放すように進言したそうなのですが、不昧は断固拒否したとのこと。
しかし、不昧の没後、松江松平藩8代藩主の長男も腫物を患ったため、
妻によって、《大井戸茶碗 喜左衛門井戸》 は京都の孤蓬庵に寄進されたのだそうです。
原因不明の腫物にお困りのそこのアナタ、それは家にある茶碗が原因なのかもしれません。
┃会期:2018年4月21日(土)~6月17日(日)
┃会場:三井記念美術館
┃http://www.mitsui-museum.jp/exhibition/index.html
~読者の皆様へのプレゼント~
こちらの “松平不昧展” の無料鑑賞券を、5組10名様にプレゼントいたします。
住所・氏名・電話番号を添えて、以下のメールフォームより応募くださいませ。
https://ws.formzu.net/fgen/S98375463/
(〆切は、5月15日。当選は発送をもって代えさせていただきます)
1位を目指して、ランキングに挑戦中。
下のボタンをポチッと押して頂けると嬉しいです!
↧
大名茶人・松平不昧-お殿さまの審美眼-
↧