原美術館で開催中の展覧会、“小瀬村真美:幻画~像(イメージ)の表皮” に行ってきました。
こちらは、2015年度の五島記念文化賞美術部門新人賞を受賞し、
国内外で作品を発表し続ける実力派アーティスト・小瀬村真美さんの美術館では初となる個展です。
小瀬村さんの代表作ともいうべき作品が、こちらの 《薇》 。
17世紀スペインの画家スルバランの静物画をモチーフにした作品です。
一見すると、絵画作品のように見えますが。
実は、写真作品。
いや、正確に言えば、被写体を30分ごとに、
数か月かけて撮影した写真を繋ぎ合わせたアニメーション作品です。
なので、時間が経てば、当然、オレンジやレモンは腐敗していきます。
いや、でも腐敗するのはともかくも、
“さすがにカップは割れすぎじゃない?” と思ったら。
撮影した写真を、パソコンソフトで加工しているとのこと。
カップに限らず、全体的に絵画に見えるように写真を加工しているのだそうです。
ということは、やはり絵画作品なのか?
一言では説明しづらい作品です。
そんな 《薇》 の向かいに展示されていたのは、新作の 《餐》 という作品。
17世紀オランダの画家デ・ヘームの静物画をモチーフにした作品です。
こちらも、絵に見えますが、写真作品。
アニメーションではなく、静止画の作品でした。
花や果物を並べて、一発撮りしたのかと思いきや、
4か月かけて少しずつ撮影した写真を、1枚に凝縮したものとのこと。
確かに、よく見ると、みずみずしいレモン (=before) と、
カッピカピになったレモン (=after) が1枚の中に共存しています。
ちなみに、作品の近くには、《餐》 の撮影で、
実際に使われた花や果物の成れの果ても展示されていました。
また、こちらは、近年発表された 《Drop Off》 という映像作品。
一見すると、静謐な印象のモノクロの静物画風の映像なのですが。
画面の上からモノが落下してきたり、テーブルクロスが引っ張られたり、
さまざまなアクションが起こることで、テーブル上がカオスなことになっていきます。
実は、時間にすると、わずか4秒間の出来事とのこと。
その一連をハイスピードカメラで撮影し、12分の映像作品に仕上げています。
と、このように、小瀬村真美さんの作品はどれも、
絵画作品とも写真作品とも映像作品とも形容しがたい作品ばかり。
いい意味で、どれもこれも未体験の味わいです。
時間という概念が加わっているので、四次元の作品とでもいいましょうか。
そういう新ジャンルの作品と言われたほうが、しっくりきます。
体操の技に、「ウチムラ」 や 「シライ」 があるように、
この新ジャンルの作品を、「コセムラ」 と名付けたいくらいです。
時間とは何か。
はじまりとおわりとは何か。
現実とは何か。存在とは何か。
観れば観るほど、いろんなことを考えさせられる小瀬村作品。
あまりに考えすぎて、今、本当に原美術館にいるのか?
もしくは、原美術館のパラレルワールドにいるのではないか?
作品世界を飛び越えて、現実世界まで疑うようになってしまいました。
そんな一筋縄でいかない小瀬村さんの作品ですが。
小瀬村さん自身が構想したという展覧会全体も、一筋縄ではいきませんでした。
展覧会のスタートとなる部屋 (ギャラリー1) には、
さまざまなオブジェや年代物の家具が置かれています。
床には、壊れた何か。
上を見上げると、壊れたシャンデリアが吊るされていました。
一体、どういうアート?
しかも、この部屋には、「はじまりとおわりの部屋」 という名がついているようです。
この部屋しか観ていない段階では、基本的にポカンでしたが。
展覧会を観進めていくと・・・
“あれっ、このオブジェ、はじまりの部屋で見なかったっけ?” となることが多々あります。
展覧会を観終わった後に、
再びギャラリー1に戻ってくると、いろいろと答え合わせができ、ニヤリとなりました。
なるほど。
展覧会のはじまりとおわりが繋がっていたのですね。
新感覚としか言いようがない展覧会でした。
1位を目指して、ランキングに挑戦中。
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こちらは、2015年度の五島記念文化賞美術部門新人賞を受賞し、
国内外で作品を発表し続ける実力派アーティスト・小瀬村真美さんの美術館では初となる個展です。
小瀬村さんの代表作ともいうべき作品が、こちらの 《薇》 。
17世紀スペインの画家スルバランの静物画をモチーフにした作品です。
一見すると、絵画作品のように見えますが。
実は、写真作品。
いや、正確に言えば、被写体を30分ごとに、
数か月かけて撮影した写真を繋ぎ合わせたアニメーション作品です。
なので、時間が経てば、当然、オレンジやレモンは腐敗していきます。
いや、でも腐敗するのはともかくも、
“さすがにカップは割れすぎじゃない?” と思ったら。
撮影した写真を、パソコンソフトで加工しているとのこと。
カップに限らず、全体的に絵画に見えるように写真を加工しているのだそうです。
ということは、やはり絵画作品なのか?
一言では説明しづらい作品です。
そんな 《薇》 の向かいに展示されていたのは、新作の 《餐》 という作品。
17世紀オランダの画家デ・ヘームの静物画をモチーフにした作品です。
こちらも、絵に見えますが、写真作品。
アニメーションではなく、静止画の作品でした。
花や果物を並べて、一発撮りしたのかと思いきや、
4か月かけて少しずつ撮影した写真を、1枚に凝縮したものとのこと。
確かに、よく見ると、みずみずしいレモン (=before) と、
カッピカピになったレモン (=after) が1枚の中に共存しています。
ちなみに、作品の近くには、《餐》 の撮影で、
実際に使われた花や果物の成れの果ても展示されていました。
また、こちらは、近年発表された 《Drop Off》 という映像作品。
一見すると、静謐な印象のモノクロの静物画風の映像なのですが。
画面の上からモノが落下してきたり、テーブルクロスが引っ張られたり、
さまざまなアクションが起こることで、テーブル上がカオスなことになっていきます。
実は、時間にすると、わずか4秒間の出来事とのこと。
その一連をハイスピードカメラで撮影し、12分の映像作品に仕上げています。
と、このように、小瀬村真美さんの作品はどれも、
絵画作品とも写真作品とも映像作品とも形容しがたい作品ばかり。
いい意味で、どれもこれも未体験の味わいです。
時間という概念が加わっているので、四次元の作品とでもいいましょうか。
そういう新ジャンルの作品と言われたほうが、しっくりきます。
体操の技に、「ウチムラ」 や 「シライ」 があるように、
この新ジャンルの作品を、「コセムラ」 と名付けたいくらいです。
時間とは何か。
はじまりとおわりとは何か。
現実とは何か。存在とは何か。
観れば観るほど、いろんなことを考えさせられる小瀬村作品。
あまりに考えすぎて、今、本当に原美術館にいるのか?
もしくは、原美術館のパラレルワールドにいるのではないか?
作品世界を飛び越えて、現実世界まで疑うようになってしまいました。
そんな一筋縄でいかない小瀬村さんの作品ですが。
小瀬村さん自身が構想したという展覧会全体も、一筋縄ではいきませんでした。
展覧会のスタートとなる部屋 (ギャラリー1) には、
さまざまなオブジェや年代物の家具が置かれています。
床には、壊れた何か。
上を見上げると、壊れたシャンデリアが吊るされていました。
一体、どういうアート?
しかも、この部屋には、「はじまりとおわりの部屋」 という名がついているようです。
この部屋しか観ていない段階では、基本的にポカンでしたが。
展覧会を観進めていくと・・・
“あれっ、このオブジェ、はじまりの部屋で見なかったっけ?” となることが多々あります。
展覧会を観終わった後に、
再びギャラリー1に戻ってくると、いろいろと答え合わせができ、ニヤリとなりました。
なるほど。
展覧会のはじまりとおわりが繋がっていたのですね。
新感覚としか言いようがない展覧会でした。
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