現在、渋谷区立松濤美術館で開催されているのは、
“ダイアン・クライスコレクション アンティーク・レース展” という展覧会。
アンティーク・レース鑑定家で、コレクターのダイアン・クライスさんが、
これまでに集めた数万点 (!) におよぶ膨大なアンティーク・レースコレクションの中から、
16世紀から19世紀に製作された特に希少価値の高いレース約170点を紹介する展覧会です。
(注:館内の写真撮影は、特別に許可を頂いております。)
レース=女性のもの。
そんなイメージしかなかったもので、
正直なところ、この展覧会はパスしようかと思っていました。
が、念のため、訪れてみて、大反省!
こんなスゴい展覧会を見逃すところだったなんて!
アンティーク・レース。
それは、実家の黒電話にかけられていたレースとは全く違うものでした (←当たり前!)。
なんでも、アンティーク・レースは、ヨーロッパの王侯貴族たちの間で、
富と権力の象徴として流行していたようで、その価値は宝石や城をしのぐほどだったのだとか。
何よりも驚かされたのは、アンティーク・レース職人の超絶技巧的な職人技。
遠目で見る分には、そこまで驚かされないのですが。
《ショール》 シャンティリ・レース、19世紀、フランス
近づいて、目を凝らして見ると・・・
そのあまりにも繊細すぎる紋様に、ガツンと衝撃を受けました!
しかも、当然ですが、手作業です。
「きれいな紋様してるだろ。ウソみたいだろ。手作業なんだぜ。それで。」 です。
「アンティーク・レースはんぱないって。
めっちゃ細かい紋様を作ってるもん。そんなん出来ひんやん、普通。」 です。
ちなみに、レースには大まかに分けて、2種類の技法があるそう。
一つは、針を使って刺繍するニードルポイント・レース。
そして、もう一つは糸を編んで作るボビンレースです。
会場で解説パネルを読み込み、
帰宅してからYoutubeで映像も探して、
仕組みに関しては、なんとなく頭で理解しましたが。
とは言え、何をどうしたら、
こんなにも繊細な紋様のレースが生まれるのか・・・まったく想像がつきません!
紋様によっては、1㎠作るのに、1時間くらいかかってしまうものもあるとのこと。
レースにかける情熱、恐るべしです。
さてさて、今回の展覧会では、ナポレオンにゆかりのあるレースや、
《ボーダー (ナポレオンに由来する)》 ブリュッセル・レース、1750年ごろ、フランドル地方
マリー・アントワネットのドレスの裾を飾っていたとされるレースなど、
《フラウンス (マリー・アントワネットに由来する)》 ドロッシェルグラウンドのブリュッセル・レース、18世紀後半、フランドル地方
歴史上の人物に由来する希少なアンティーク・レースも数多く紹介されています。
王侯貴族はもれなくレースで着飾っていたのですね。
というか、今まで意識してなかったですが、
当時の王侯貴族の肖像画には、ほぼもれなくレースが描かれていますね。
今回、アンティーク・レースの実物を目にしたことで、
これから西洋美術展を訪れる際には、レースの部分ばかりに目が行ってしまいそうです。
ちなみに、展覧会に出展されているレースの中でもっとも希少と思われるのは、
ポンパドゥール夫人ゆかりのアンガジャント (=ドレスの袖口を飾るレース) とのこと。
《アンガジャント (マポンパドゥール夫人に由来する)》 アルジャンテラ・レース、1730年代、フランス
とにかく紋様が繊細!
しかも、写真では巧く伝わりませんが、
上部のシンプルな部分は、円ではなく六角形で構成されています。
なんて技術だ?!
袖口なんて、普通の人はそんなにジロジロ見ないでしょうに。
その部分にも、贅を凝らす。
さすが歴史に名を残すセレブは違います。
この他にも、洗礼や結婚で使われる人々の生活に根差したレースや、
第一次世界大戦時、ベルギーのレース職人の生活と技術を守ろうと、
アメリカが積極的に支援し、作られたウォー・レース (戦争のレース) など、
知れば知るほど奥が深いレースの世界が、希少な実物とともに紹介されています。
1点1点穴が開くほどじっくり見ていると、あっという間に時間が経ってしまうはず。
時間には余裕をもってお出かけくださいませ。
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“ダイアン・クライスコレクション アンティーク・レース展” という展覧会。
アンティーク・レース鑑定家で、コレクターのダイアン・クライスさんが、
これまでに集めた数万点 (!) におよぶ膨大なアンティーク・レースコレクションの中から、
16世紀から19世紀に製作された特に希少価値の高いレース約170点を紹介する展覧会です。
(注:館内の写真撮影は、特別に許可を頂いております。)
レース=女性のもの。
そんなイメージしかなかったもので、
正直なところ、この展覧会はパスしようかと思っていました。
が、念のため、訪れてみて、大反省!
こんなスゴい展覧会を見逃すところだったなんて!
アンティーク・レース。
それは、実家の黒電話にかけられていたレースとは全く違うものでした (←当たり前!)。
なんでも、アンティーク・レースは、ヨーロッパの王侯貴族たちの間で、
富と権力の象徴として流行していたようで、その価値は宝石や城をしのぐほどだったのだとか。
何よりも驚かされたのは、アンティーク・レース職人の超絶技巧的な職人技。
遠目で見る分には、そこまで驚かされないのですが。
《ショール》 シャンティリ・レース、19世紀、フランス
近づいて、目を凝らして見ると・・・
そのあまりにも繊細すぎる紋様に、ガツンと衝撃を受けました!
しかも、当然ですが、手作業です。
「きれいな紋様してるだろ。ウソみたいだろ。手作業なんだぜ。それで。」 です。
「アンティーク・レースはんぱないって。
めっちゃ細かい紋様を作ってるもん。そんなん出来ひんやん、普通。」 です。
ちなみに、レースには大まかに分けて、2種類の技法があるそう。
一つは、針を使って刺繍するニードルポイント・レース。
そして、もう一つは糸を編んで作るボビンレースです。
会場で解説パネルを読み込み、
帰宅してからYoutubeで映像も探して、
仕組みに関しては、なんとなく頭で理解しましたが。
とは言え、何をどうしたら、
こんなにも繊細な紋様のレースが生まれるのか・・・まったく想像がつきません!
紋様によっては、1㎠作るのに、1時間くらいかかってしまうものもあるとのこと。
レースにかける情熱、恐るべしです。
さてさて、今回の展覧会では、ナポレオンにゆかりのあるレースや、
《ボーダー (ナポレオンに由来する)》 ブリュッセル・レース、1750年ごろ、フランドル地方
マリー・アントワネットのドレスの裾を飾っていたとされるレースなど、
《フラウンス (マリー・アントワネットに由来する)》 ドロッシェルグラウンドのブリュッセル・レース、18世紀後半、フランドル地方
歴史上の人物に由来する希少なアンティーク・レースも数多く紹介されています。
王侯貴族はもれなくレースで着飾っていたのですね。
というか、今まで意識してなかったですが、
当時の王侯貴族の肖像画には、ほぼもれなくレースが描かれていますね。
今回、アンティーク・レースの実物を目にしたことで、
これから西洋美術展を訪れる際には、レースの部分ばかりに目が行ってしまいそうです。
ちなみに、展覧会に出展されているレースの中でもっとも希少と思われるのは、
ポンパドゥール夫人ゆかりのアンガジャント (=ドレスの袖口を飾るレース) とのこと。
《アンガジャント (マポンパドゥール夫人に由来する)》 アルジャンテラ・レース、1730年代、フランス
とにかく紋様が繊細!
しかも、写真では巧く伝わりませんが、
上部のシンプルな部分は、円ではなく六角形で構成されています。
なんて技術だ?!
袖口なんて、普通の人はそんなにジロジロ見ないでしょうに。
その部分にも、贅を凝らす。
さすが歴史に名を残すセレブは違います。
この他にも、洗礼や結婚で使われる人々の生活に根差したレースや、
第一次世界大戦時、ベルギーのレース職人の生活と技術を守ろうと、
アメリカが積極的に支援し、作られたウォー・レース (戦争のレース) など、
知れば知るほど奥が深いレースの世界が、希少な実物とともに紹介されています。
1点1点穴が開くほどじっくり見ていると、あっという間に時間が経ってしまうはず。
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