ショーメ　時空を超える宝飾芸術の世界

現在、三菱一号館美術館で開催中の展覧会、
“ショーメ 時空を超える宝飾芸術の世界　1780年パリに始まるエスプリ” に行ってきました。


（注:館内の写真撮影は、特別に許可を頂いております。）


フランス・パリを代表するハイジュエリーブランドの一つで、
ナポレオンと皇后ジョゼフィーヌの御用達ジュエラーとしても知られるショーメ （CHAUMET）。
その創業時から現代まで約240年に及ぶ伝統と歴史を、
ジュエリーや工芸品、絵画、未発表のデザイン画や写真など約300点を通じて紹介する展覧会です。


これまでにも、カ●ティエやらヴァン●リーフ＆アーペルやら、
ハイジュエリーブランドの展覧会は、いくつも訪れてきているので。
ちょっとやそっとのジュエリー展では驚けない、謎の耐性が付いているのですが。
そんな僕でも、会場にひとたび足を踏み入れた途端・・・




「おわぁっ！！」

と、思わず言葉にならない言葉が口から飛出してしまいました。
圧倒的に華やか。
圧倒的にラグジュアリー。
圧倒的な美の世界が、そこに広がっていました！


ショーメ 《麦モティーフのネックレス「夏の贈り物」》　2016年　「ナチュール ドゥ ショーメ」コレクション
ホワイトゴールド、ダイヤモンド　ショーメ・コレクション、パリ©Chaumet


ショーメのジュエリーの数々が素晴らしいのは、もちろんのこと。
それらのディスプレイの仕方、展覧会場の演出も、いちいち素晴らしかったです。




ちなみに、思わず声が洩れてしまったのは、僕だけにあらず。
会場に足を踏み入れた鑑賞者のみなさま （特に女性！） も口々に、
「わぁ！」 とか 「まぁ！」 とか 「あらぁ！」 とか、感嘆していました。
うっとりせざるを得ない展覧会です。



さてさて、今回の展覧会で特に印象的だったのは、
ショーメの代名詞ともいえるティアラにスポットを当てた展示室です。
湾曲した壁一面に並んでいるのは、無数のティアラ。




しかし、よく見ると、形こそ美しいものの、
ティアラ自体は、そこまでキラキラしていません。




実は、これらは、ニッケルで作られたティアラのレプリカ。
新しい顧客がティアラをオーダーする際に、
これらのレプリカモデルを使用して、自分にふさわしいスタイルをチョイスするのだそうです。
ティアラを買うだけでも、十分にセレブな気がしますが。
本当のセレブは、マイティアラをオーダーするものなのですね。
ちなみに、この壁の対面には、ショーメの歴史に残るティアラの名品が展示されています。





それらの中には、まるで 『ファイナルファンタジー』 に登場しそうなティアラも。


ジョゼフ・ショーメ 《ペイン・ホイットニー夫人（ガートルード・ヴァンダービルト）の翼のティアラ》　1910年　
プラチナ、ダイヤモンド、エナメル　ショーメ・コレクション、パリ


男心もくすぐるデザインです。
さすがに身に着ける気はないですが、
もしお金があったら （←ここ重要！） 、家に飾る鑑賞用として欲しくなりました。

男心をくすぐるといえば、こんなジュエリーも紹介されていました。




ティアラとしても使用することが可能なのですが、
パーツを取り外すと、なんとストマッカー （ドレスの胸の部分を飾るジュエリー） としても使用可能とのこと。
まるで、超合金の合体ロボットのようなジュエリーです。


さてさて、今回のショーメ展は、「想いをあらわすジュエラー」 や、
「歴史の中のショーメ」 など、全部で8つのテーマで構成されています。
トリを飾るのは、「ショーメと日本」。
日本に影響を受けたジャポニスムなジュエリーの数々が紹介されていました。




その中で一番印象的だったのが、こちらのジュエリー。


ジョゼフ・ショーメ 《雷神、日本風ブローチ》　1900年頃　ゴールド、オパール、ニコロアゲート、ルビー、エメラルド、ダイヤモンド　
ショーメ・コレクション、パリ ©Chaumet / Nils Herrmann


雷神がモチーフなのだそうですが。
雷神というよりも、ゼウス。
完全に、向こうの国の人の顔立ち、体型です。
雷神があるのなら、風神のもあるのだろうか。
見てみたいような、そうでもないような。




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