徳川四天王に、ものまね四天王に、シャドルー四天王 (出典:ストリートファイターⅡ) に。
世の中には、さまざまな四天王がいますが、
近代日本美術界にも、知られざる四天王がいます。
それが、芳崖四天王。
“近代日本画の父” 狩野芳崖の最後の弟子、岡倉秋水、岡不崩、高屋肖哲、本多天城の4人です。
いつの間にか表舞台から消え、忘れられた存在となってしまった芳崖四天王。
そんな彼らにスポットライトを当てる初の展覧会が、現在、泉屋博古館分館で開催中です。
その名も、“狩野芳崖と四天王 ─ 近代日本画、もうひとつの水脈 ─” 。
芳崖四天王の一人目は、岡倉秋水。
あの岡倉天心の甥にあたる人物です。
作風に関しては、四天王の中で一番、師の芳崖らしさを受け継いでいたように思えます。
今回出展されていた秋水の作品の中で、個人的にお気に入りなのは、《不動明王》 。
岡倉秋水 《不動明王》 制作年不詳 個人蔵
バトル漫画感ないしは格闘ゲーム感の強い作品です。
きっと、この渦巻く火炎は不動明王の必殺技なのでしょう。
不動明王ファイアとか不動明王フレイムとか。
二人目は、岡不崩。
本草学を研究し、草花図を得意とした日本画家です。
岡不崩 《群蝶図》 大正10年 個人蔵
‟噎せ返るような” という表現が、彼ほどしっくりくる画家はいないのではなかろうか。
それくらいに濃厚濃密な草花図です。
引きで見ても、濃度の濃さは十分に伝わってきますが。
(注:館内の写真撮影は、特別に許可を頂いております。)
近づいて見てみると、さらにその濃密さに圧倒されます。
草花と蝶の万華鏡を覗き込んでいるかのような感覚に陥りました。
三人目は高屋肖哲。
ほとんど画壇との関わりを持たず、
自ら 「仏画師」 と称して、市井の画家として生きた異才です。
出展作品の中で特に異彩を放っていたのが、《千児観音図下絵》。
高屋肖哲 《千児観音図下絵》 大正14年 金沢美術工芸大学
さすがに1000人はいなさそうですが。
画面内にみっちりと子どもたちの顔が描き込まれていました。
笑顔の子どもはほとんど見受けられず、皆どこか物欲しげな表情。
「ギブ・ミー・チョコレート」 みたいな顔をしているのが印象的でした。
そして、四人目は本多天城。
芳崖門下きっての秀才で、特に風景画を得意とした画家です。
画面の手前は、伝統的な山水画風なのですが、
画面の奥に見える岩山の景色は、どことなくカスパー・フリードリヒ風。
東洋とドイツを融合したような不思議な世界観の風景画でした。
4人ともに見ごたえあり。
これほど実力のある画家たちが、
忘れられた存在となっていたことに驚きを隠せませんでした。
何がきっかけとなって、人気画家としてブレイクするのか。
何がきっかけとなって、美術史のひだに埋もれてしまうのか。
ただ作品が素晴らしいだけでなく、そんなことも考えさせられる展覧会でした。
ちなみに、芳崖四天王だけでなく、
師である芳崖の作品ももちろん紹介されています。
10月10日より始まる後期には、重要文化財の 《悲母観音》 と、
重要文化財 狩野芳崖 《悲母観音》 明治21年 東京藝術大学
同じく重要文化財の 《不動明王》、そして、《仁王捉鬼図》 と、芳崖の代表作3点がそろい踏み。
これは見逃せません!
さらに、今展では、芳崖とともに、狩野雅信 (勝川院) の門下として、
勝川院四天王と呼ばれた橋本雅邦、狩野友信、木村立嶽の作品も展示されています。
さらにさらに、芳崖四天王と同時代に活躍した、
横山大観、下村観山、菱田春草ら、朦朧体四天王の作品も展示されていました。
四天王、多すぎ。
さすがに、「もういいぜ!」 と言いたくなりました (笑)
1位を目指して、ランキングに挑戦中。
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世の中には、さまざまな四天王がいますが、
近代日本美術界にも、知られざる四天王がいます。
それが、芳崖四天王。
“近代日本画の父” 狩野芳崖の最後の弟子、岡倉秋水、岡不崩、高屋肖哲、本多天城の4人です。
いつの間にか表舞台から消え、忘れられた存在となってしまった芳崖四天王。
そんな彼らにスポットライトを当てる初の展覧会が、現在、泉屋博古館分館で開催中です。
その名も、“狩野芳崖と四天王 ─ 近代日本画、もうひとつの水脈 ─” 。
芳崖四天王の一人目は、岡倉秋水。
あの岡倉天心の甥にあたる人物です。
作風に関しては、四天王の中で一番、師の芳崖らしさを受け継いでいたように思えます。
今回出展されていた秋水の作品の中で、個人的にお気に入りなのは、《不動明王》 。
岡倉秋水 《不動明王》 制作年不詳 個人蔵
バトル漫画感ないしは格闘ゲーム感の強い作品です。
きっと、この渦巻く火炎は不動明王の必殺技なのでしょう。
不動明王ファイアとか不動明王フレイムとか。
二人目は、岡不崩。
本草学を研究し、草花図を得意とした日本画家です。
岡不崩 《群蝶図》 大正10年 個人蔵
‟噎せ返るような” という表現が、彼ほどしっくりくる画家はいないのではなかろうか。
それくらいに濃厚濃密な草花図です。
引きで見ても、濃度の濃さは十分に伝わってきますが。
(注:館内の写真撮影は、特別に許可を頂いております。)
近づいて見てみると、さらにその濃密さに圧倒されます。
草花と蝶の万華鏡を覗き込んでいるかのような感覚に陥りました。
三人目は高屋肖哲。
ほとんど画壇との関わりを持たず、
自ら 「仏画師」 と称して、市井の画家として生きた異才です。
出展作品の中で特に異彩を放っていたのが、《千児観音図下絵》。
高屋肖哲 《千児観音図下絵》 大正14年 金沢美術工芸大学
さすがに1000人はいなさそうですが。
画面内にみっちりと子どもたちの顔が描き込まれていました。
笑顔の子どもはほとんど見受けられず、皆どこか物欲しげな表情。
「ギブ・ミー・チョコレート」 みたいな顔をしているのが印象的でした。
そして、四人目は本多天城。
芳崖門下きっての秀才で、特に風景画を得意とした画家です。
画面の手前は、伝統的な山水画風なのですが、
画面の奥に見える岩山の景色は、どことなくカスパー・フリードリヒ風。
東洋とドイツを融合したような不思議な世界観の風景画でした。
4人ともに見ごたえあり。
これほど実力のある画家たちが、
忘れられた存在となっていたことに驚きを隠せませんでした。
何がきっかけとなって、人気画家としてブレイクするのか。
何がきっかけとなって、美術史のひだに埋もれてしまうのか。
ただ作品が素晴らしいだけでなく、そんなことも考えさせられる展覧会でした。
ちなみに、芳崖四天王だけでなく、
師である芳崖の作品ももちろん紹介されています。
10月10日より始まる後期には、重要文化財の 《悲母観音》 と、
重要文化財 狩野芳崖 《悲母観音》 明治21年 東京藝術大学
同じく重要文化財の 《不動明王》、そして、《仁王捉鬼図》 と、芳崖の代表作3点がそろい踏み。
これは見逃せません!
さらに、今展では、芳崖とともに、狩野雅信 (勝川院) の門下として、
勝川院四天王と呼ばれた橋本雅邦、狩野友信、木村立嶽の作品も展示されています。
さらにさらに、芳崖四天王と同時代に活躍した、
横山大観、下村観山、菱田春草ら、朦朧体四天王の作品も展示されていました。
四天王、多すぎ。
さすがに、「もういいぜ!」 と言いたくなりました (笑)
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