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Channel: アートテラー・とに~の【ここにしかない美術室】
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独往の人 会津八一展

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中村屋サロン美術館で開催中の ‟独往の人 会津八一展” に行ってきました。


(注:会場は撮影禁止です。記事に使用している画像は、中村屋サロン美術館より特別に提供して頂いたものです)


ある時は、歌人。ある時は、書家。また、ある時は美術史家。
と、多彩な顔を持つ會津八一 (1881~1956) にスポットを当てた展覧会です。
実は、會津八一は、中村屋と関わりの深い人物。
教育者でもあった八一の早稲田中学時代の教え子の一人に、
中村屋創業者である相馬愛蔵・黒光夫妻の長男、安雄がいました。
ちなみに、安雄の成績は、あまりよろしくなかったそうで、八一は彼を落第させたのだそう。
そのことに相馬夫妻は文句を言うどころか、むしろ感謝したのだとか。
(↑モンスターペアレントでなくて、本当に良かった!)
それをきっかけに、八一は中村屋と強い結びつきを持つようになったのです。

例えば、こちらの中村屋の看板。




中村屋で書画の個展を開いた八一が、そのお礼にと揮毫したものなのだそうです。
展示会場には、この看板の原作 (?) となった書も展示されていましたが・・・




見比べてみると、『中』 の字の太さとか、
『村』 の木編とか、落款の位置とか、いろいろと違いました。
『屋』 の 『至』 の部分にいたっては、もはや別人の感すらあります。


また、例えば、中村屋のお菓子のラベルには八一が揮毫したものも。
(会場では、実際のお菓子のラベルと併せて展示されています)





どの字も非常に味わい深かったのですが。
「水羊羹」 という字に関しては・・・。




水羊羹の瑞々しさが感じられないといいましょうか。
ねっとりずっしりした羊羹という印象を受けました (※個人の感想です)


八一と中村屋の関わりが、今展の大きなテーマではありますが。
会場には、展覧会のタイトルにもなっている 《獨往》 をはじめ、




八一の書の名品がズラリと展示されています。
書家・八一のファン必見です。




意外なところでは、中村屋サロンのメンバーの一人、
曽宮一念から手ほどきを受けたという八一の油彩画も紹介されていました。


《書帙 燭台 マッチ箱》 1929年 早稲田大学會津八一記念博物館蔵


《筆洗 水滴》


書の味わい深いタッチとは違い、油彩画は本格派。
改めて、會津八一が多彩な人物であることを再確認させられる展覧会でした。
星


ちなみに、今回出展されていた作品の中で、
個人的に一番印象に残っているのは、八一の古美術コレクションです。
その中でもイチオシが、こちらの3体。


《雑伎俑》 漢時代 早稲田大学會津八一記念博物館蔵


「お前、俺の妻に手を出しやがって!!」
「ひー!結婚してるなんて知らなかったんです!」
修羅場にしか見えない。




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