今年、めでたく開館30周年を迎えた名古屋市美術館。
それを記念して、この秋開催されているのが、
”開館30周年記念 ザ・ベスト・セレクション” という展覧会です。
開館に先立ち、1983年から美術品の収集を始めていたという名古屋市美術館。
「エコール・ド・パリ」 や 「郷土の美術」 といったテーマで、
収集活動を続け、現在では、そのコレクション数が6278点となっています。
今回の展覧会では、その中から選りすぐりの92点を展示。
シャガールの 《二重肖像》 や、
高校時代に名古屋在住だった赤瀬川原平の作品など、
名古屋市美術館コレクションの中核をなす作品の数々が出展されています。
まさに、“ザ・ベスト・セレクション” の名にふさわしい展覧会です。
名古屋市美術館コレクションの中で、
特に一際個性を放っているのが、「メキシコ・ルネサンス」 のコレクション。
国内の美術館としては、かなり珍しく、メキシコの近代美術を532点も収蔵しています。
ディエゴ・リベラ 《スペイン風景(トレド)》
その中には、岡本太郎がメキシコのホテルのために描き、
今は渋谷駅のコンコースに設置されている 《明日の神話》 の原画も。
これまでに、《明日の神話》 の原画は何パターンか目にしていますが。
名古屋市美術館所蔵のver.が、もっとも実物の 《明日の神話》 の印象に近い気がしました。
また、名古屋市美術館は、メキシコを代表する女流画家フリーダ・カーロの作品も所蔵しています。
実はフリーダの作品を所蔵しているのは、国内では、名古屋市美術館ただ一館だけ。
そんな日本で見られる激レアなフリーダ作品が、こちら。
《死の仮面を被った少女》 です。
縦約15cm、横11cmと、かなり小さなサイズの作品なのですが。
そのインパクトは、絶大。
かなりパンチが効いています。
モデルは、きっと可愛らしい女の子なのでしょうが、
仮面の不気味さが、それを完全に打ち消してしまっています。
どうして、この仮面を選んだ?!
しかも、女の子の隣には、もう一つスペア (?) の仮面が。
こちらも輪をかけて、不気味です。
もし、この子がハロウィンで家を訪ねてきたら、
居留守を使って、絶対にドアを開けないようにします。
また、同じくらいにインパクトがあったのが、
名古屋市生まれの大島哲以による 《終電車》 です。
全身緑色の半獣半人たちが、
電車内でギターを弾いたり、注射を打ったり、七輪でカエルを焼いてたり。
天井に目を向けると、謎の手がコカ・コーラを注いでいたり。
と、とにかくぶっ飛んだ世界観の一枚です。
驚くべきは、なんと1967年に制作された絵であること。
今から60年以上前に、こんなシュールな日本画があっただなんて。
ちなみに、今回出展されていた作品の中で、
個人的に一番感動したのは、《東山動物園猛獣画廊壁画》 でした。
こちらは、イケメンゴリラのシャバーニでもお馴染みの東山動物園に、かつて飾られていた壁画です。
第2次世界大戦中、軍は動物園に猛獣を処分するよう指示をくだしました。
東山動物園も例外でなく、猛獣を泣く泣く処分することに。
また、食糧不足や暖房不足も手伝って、猛獣は激減してしまいました。
そのため、戦後に動物園を再開したとき、園内に動物はわずか30頭しかいなかったそうです。
その現状を見かねた中京新聞社は、3人の画家に動物の生態を描いた壁画の制作を依頼しました。
それが、この 《東山動物園猛獣画廊壁画》 。
動物園に猛獣がいない間、来園者を楽しませたそうですが、
飼育頭数が戻ったのを機に、わずか数年で撤去されてしまったのだそうです。
縁あって、1997年に名古屋市美術館に収蔵されたそうですが、
損傷がひどいため、これまで一度も展示されたことがなかったとのこと。
今回が初お披露目となります。
戦後で娯楽が少ない中で、来園者を楽しませたい、
そんな画家たちの想いが、絵全体からひしひしと伝わってきます。
確かに、一部はボロボロでしたが、それを補って余りあるくらいに、胸を打つものがありました。
さてさて、もちろん名古屋市美術館の顔ともいうべき、
モディリアーニの 《おさげ髪の少女》 も出展されています。
こちらは、開館の2年前1986年にコレクションに加わった作品です。
購入金額は、当時の国公立美術館の絵画購入金額としては、史上最高額となる3億6000万円。
まさに、名古屋市美術館の宝、いや、名古屋市民の宝といえる作品です。
せっかくなので、もっと名古屋感 (?) を出すために、
勝手に、この 《おさげ髪の少女》 を、「名古屋巻きの少女」 にしてみました。
意外と、アリ。
1位を目指して、ランキングに挑戦中。
下のボタンをポチッと押して頂けると嬉しいです!
それを記念して、この秋開催されているのが、
”開館30周年記念 ザ・ベスト・セレクション” という展覧会です。
開館に先立ち、1983年から美術品の収集を始めていたという名古屋市美術館。
「エコール・ド・パリ」 や 「郷土の美術」 といったテーマで、
収集活動を続け、現在では、そのコレクション数が6278点となっています。
今回の展覧会では、その中から選りすぐりの92点を展示。
シャガールの 《二重肖像》 や、
高校時代に名古屋在住だった赤瀬川原平の作品など、
名古屋市美術館コレクションの中核をなす作品の数々が出展されています。
まさに、“ザ・ベスト・セレクション” の名にふさわしい展覧会です。
名古屋市美術館コレクションの中で、
特に一際個性を放っているのが、「メキシコ・ルネサンス」 のコレクション。
国内の美術館としては、かなり珍しく、メキシコの近代美術を532点も収蔵しています。
ディエゴ・リベラ 《スペイン風景(トレド)》
その中には、岡本太郎がメキシコのホテルのために描き、
今は渋谷駅のコンコースに設置されている 《明日の神話》 の原画も。
これまでに、《明日の神話》 の原画は何パターンか目にしていますが。
名古屋市美術館所蔵のver.が、もっとも実物の 《明日の神話》 の印象に近い気がしました。
また、名古屋市美術館は、メキシコを代表する女流画家フリーダ・カーロの作品も所蔵しています。
実はフリーダの作品を所蔵しているのは、国内では、名古屋市美術館ただ一館だけ。
そんな日本で見られる激レアなフリーダ作品が、こちら。
《死の仮面を被った少女》 です。
縦約15cm、横11cmと、かなり小さなサイズの作品なのですが。
そのインパクトは、絶大。
かなりパンチが効いています。
モデルは、きっと可愛らしい女の子なのでしょうが、
仮面の不気味さが、それを完全に打ち消してしまっています。
どうして、この仮面を選んだ?!
しかも、女の子の隣には、もう一つスペア (?) の仮面が。
こちらも輪をかけて、不気味です。
もし、この子がハロウィンで家を訪ねてきたら、
居留守を使って、絶対にドアを開けないようにします。
また、同じくらいにインパクトがあったのが、
名古屋市生まれの大島哲以による 《終電車》 です。
全身緑色の半獣半人たちが、
電車内でギターを弾いたり、注射を打ったり、七輪でカエルを焼いてたり。
天井に目を向けると、謎の手がコカ・コーラを注いでいたり。
と、とにかくぶっ飛んだ世界観の一枚です。
驚くべきは、なんと1967年に制作された絵であること。
今から60年以上前に、こんなシュールな日本画があっただなんて。
ちなみに、今回出展されていた作品の中で、
個人的に一番感動したのは、《東山動物園猛獣画廊壁画》 でした。
こちらは、イケメンゴリラのシャバーニでもお馴染みの東山動物園に、かつて飾られていた壁画です。
第2次世界大戦中、軍は動物園に猛獣を処分するよう指示をくだしました。
東山動物園も例外でなく、猛獣を泣く泣く処分することに。
また、食糧不足や暖房不足も手伝って、猛獣は激減してしまいました。
そのため、戦後に動物園を再開したとき、園内に動物はわずか30頭しかいなかったそうです。
その現状を見かねた中京新聞社は、3人の画家に動物の生態を描いた壁画の制作を依頼しました。
それが、この 《東山動物園猛獣画廊壁画》 。
動物園に猛獣がいない間、来園者を楽しませたそうですが、
飼育頭数が戻ったのを機に、わずか数年で撤去されてしまったのだそうです。
縁あって、1997年に名古屋市美術館に収蔵されたそうですが、
損傷がひどいため、これまで一度も展示されたことがなかったとのこと。
今回が初お披露目となります。
戦後で娯楽が少ない中で、来園者を楽しませたい、
そんな画家たちの想いが、絵全体からひしひしと伝わってきます。
確かに、一部はボロボロでしたが、それを補って余りあるくらいに、胸を打つものがありました。
さてさて、もちろん名古屋市美術館の顔ともいうべき、
モディリアーニの 《おさげ髪の少女》 も出展されています。
こちらは、開館の2年前1986年にコレクションに加わった作品です。
購入金額は、当時の国公立美術館の絵画購入金額としては、史上最高額となる3億6000万円。
まさに、名古屋市美術館の宝、いや、名古屋市民の宝といえる作品です。
せっかくなので、もっと名古屋感 (?) を出すために、
勝手に、この 《おさげ髪の少女》 を、「名古屋巻きの少女」 にしてみました。
意外と、アリ。
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