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Channel: アートテラー・とに~の【ここにしかない美術室】
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krank marcello ぼくらはいつのまにか 虹にさわれないことをおぼえていた

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福岡の中心地・天神にある八角柱のファッションビル、イムズ (IMS)。




その8階にあるのが、三菱地所アルティアム。
今年開館30周年を迎える現代アートのギャラリーです。

そんな三菱地所アルティアムでは、現在開催されているのは、
“krank marcello ぼくらはいつのまにか 虹にさわれないことをおぼえていた” という展覧会。




藤井健一郎、輝彦兄弟を代表に、
福岡を中心に活動をするkrank marcello (クランク マルチェロ) の展覧会です。
不勉強ながら、krank marcelloの名は初耳で、
勝手にアーティストユニットだと思い込んでいたのですが。
実は、福岡市にあるビンテージ家具とアパレル・雑貨のショップとのこと。
店内には、幻想的な空間演出がいたる所に潜んでおり、
家具屋、雑貨屋とうよりも、まるで一つのインスタレーション作品のようなのだとか。
krank marcelloの世界観に魅了されたファンは多く
今では、福岡県内だけでなく、日本全国からお客さんが訪れているのだそうです。
そんなkrank marcelloワールドがショップを飛び出し、
今回、初めて現代アートのギャラリーで展覧会の形で紹介されています。


さてさて、まずカーテンを抜けると、
そこにあったのは、ビンテージの椅子とクローゼット。




展示空間は、これだけ。
あまり広くはありません。
そして、他に出入口のようなものは見当たりません。
いきなり脱出ゲームのような展開です (汗)

とりあえず、奥の明かりが気になるので、近づいてみましょう。




小さな扉とカバのオブジェがありました。
どう考えても、カバは通れなさそうです (笑)
いやいや、笑ってる場合ではありません。
もちろん、僕も通れません。

・・・となると、次に怪しいのは、こちらのクローゼット。




もしかしたら、矢口真里が隠れているかもしれませんが、
そこは、勇気を出して、象の形をした取っ手を開いてみました。




すると・・・




向こうの空間に繋がっているではないですか♪
この仕掛けの時点で、早くもkrank marcelloに魅了された僕。
しかし、この先には、もっともっと魅力的な世界が広がっていました。





「何この素敵空間!」

今どき10代の言葉を使うなら、「あげみざわ!」 です。
(↑テンションが上がりすぎて、おかしくなった)

とにかく、どの作品も “素敵”。
“可愛い♪” よりも、 “美しい!” よりも、 “スゴい” よりも、
krank marcelloの作品には、“素敵” という表現が一番しっくり来る気がします。

例えば、《花をみつめて天使となる》 という作品。




花を見つめる少女。
その背後にご注目ください。




花の影が少女の姿と重なり、
翼が映えているかのようなシルエットが浮かび上がっています。


また例えば、《再会》 という作品。





ロバには友人がいたのですが、どこか遠くへ行ってしまったのだそう。
花束を手向け、少し落ち込んでいるようです。
しかし、心を映す鏡には、花束ではなく、友人の姿が映っています。


と、このように、krank marcelloの作品はどれも鑑賞後に、
まるで絵本を一冊読んだかのような、ささやかな感動が押し寄せるのです。
個人的にイチオシなのは、《Mother》 という作品。




テーブルには、1匹のヤギ。
それと、2つの明かりがあります。
「どこがどうMother??」 と戸惑いつつ、
鑑賞する立ち位置を、少し変えてみると・・・




ちゃんと親子に見えました。
シンプルだけど、思わずハッとさせられる仕掛けです。


《ペガサス》 という作品もお気に入り。




こちらも見る角度でイメージが変わる作品です。




ペガサスかと思ったら、小鳥が背中に乗っていました。
(↑言い回しが、小梅太夫みたくなってしまいました。チクショー!)


他にもお気に入りの作品は、たくさんありますが、
すべて紹介していたらキリがないので、この辺で自重します。
krank marcelloには、是非東京に出店して頂きたい!
それが難しければ、東京でも個展を開催して頂きたい!
・・・・・と、都民が歯噛みする展覧会。
福岡近辺にお住まいの方、年始年末に福岡に帰省する方は是非。
星星




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