目黒区美術館は、今年めでたく開館25周年を迎えます。
おめでとうございます
そこで、開館25周年記念として、
“古茂田守介ふたたび、蘇った絵画 展” が開催されています。
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開館25周年記念という、
節目のとっても大切な美術展なのに、まったくスペシャル感が感じられません (笑)
しかし、この地味でマニアックな感じこそが、目黒区美術館らしさ。
そういう意味では、確かに、開館25周年記念に相応しい美術展なのかもしれません。
さてさて、この節目の美術展を飾る古茂田守介とは何者なのでしょうか?
僕も不勉強なので、存じ上げませんでした。
古茂田守介は、1918年に愛媛県に生まれ、その後、画家を目指し上京。
猪熊弦一郎や脇田和に師事し、大蔵省に勤務しながら絵画の修行をしました。
その後、大蔵省を退職し、画家の道に専念。
多くの仲間が、抽象絵画へ転向する中で、
人体や静物・風景など具象表現を追い求め続け、独自の世界を完成させます。
しかし、30半ばから体調を崩し、42歳という若さで、この世を去りました。
大蔵省に勤務していたというのは、目を引きますが。
それ以外は、まぁ、これと言って、特別注目すべき点がないような気がします。
人物像ではなく、よっぽど作品が、印象的な画家なのでしょう!
さらに、もう一つ判明したことが。
何でも、目黒区美術館では、これまでに、
1990年と1995年の2度、古茂田守介の回顧展を開催してきたそうで。
古茂田守介を目黒区美術館が取り上げるのは、今回で、実に3度目のこととなります。
つまり、古茂田守介は、目黒区美術館が推しに推しまくっているアーティストなのです。
それだけ推している画家なのですから、
さぞかし、素ン晴らしい作品を描くのでしょう!!
「これは、観る前から期待が高まります」
ではでは、会場で、古茂田守介作品とご対面♪
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・・・・・・・・・・・あ、すいません。結構な時間、フリーズしてしまいました。
《踊り子達》 をはじめ、
約60点の古茂田守介の油彩作品が展示されていましたが。
どれもこれも、可もなく不可もなく、
綺麗な作品というわけでも、逆に、ものすごく不快な作品というわけでもなく。
一言で言えば、 “感想に困る” 作品でした (笑)
また、特別個性的でないのが、感想に困ってしまう最大の要因。
マティスのようで、セザンヌのようで、
ロートレックのようで、ビュッフェのようで。
人に、古茂田守介の作品を説明する時には、
誰かしらの画家の名前を出して、 「○○っぽい」 と説明するしかなさそうです。
強いて、古茂田守介作品の特徴を挙げるならば・・・
「全体的に、描かれている人物のテンションが低い!」
ということでしょうか。
しばらく眺めていると、こちらの気持ちが萎むのがわかります (笑)
とりあえず、美術展を、じっくりと観賞した末に、頭をよぎったのは、
“どうして、目黒区美術館は、古茂田守介を、そんなにもプッシュするんだろう??”
です。
ただ、全部が全部がピンと来なかったわけではなく。
印象的な作品も、いくつかはありました。
一つは、シュールな作品の 《貝殻と裸婦》
(注:画像は、モノクロですが、実際はカラーです)
裸婦と同じくらいの大きさのサザエが描かれていました。
リアル “サザエさん” です。
《母子》 は、心温まる作品。
(注:画像は、モノクロですが、実際はカラーです)
優しげな母子の姿もさることながら。
母子が寝ていたシーツの表現が、妙にリアルで驚きました。
特に油絵の具が盛り上がっているというわけではないのに、
何故だか、指でつまめば、シーツを手繰り寄せることが出来るような錯覚を覚えました。
この妙なリアル感が、古茂田守介作品の魅力なのかもしれません。
ちなみに。
3度目の古茂田守介展である今回は、
特別に、彼の妻で、画家である古茂田美津子の作品の数々も、
“古茂田美津子のワンダーランド” と題して特集展示が組まれています。
正直なところ、僕は、古茂田美津子の作品の方が好きでした。
重ねて正直なところ、古茂田守介を食ってしまっていたような気がします (笑)
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古茂田守介ふたたび、蘇った絵画 展
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