“昭和の竜宮城” こと目黒雅叙園に行ってきました。
この近くは、何度も通っているのですが。
建物の中に入るのは、初めてのこと。
「ここで披露宴を挙げる友人親戚がいなかったから。」 というのが、一番の理由です (笑)
しかし、現在、目黒雅叙園にて、
“目黒と雅叙園の魅力展” なる展覧会が開催中という情報をキャッチ!
これは、アートテラーとしては、行くしかありません。
初めて目にする目黒雅叙園の中は、それはそれは豪華絢爛でした
実は、数年ほど、大塚の某ホテルで働いていた僕。
当時は、そのホテルも、それなりに豪華だとは思っていたのですが・・・。
目黒雅叙園にて、身の程を知りました (笑)
それくらいに、圧倒的な贅の尽くし方がなされています。
庭やフロント、受付に至るまで豪華なのは、もちろん。
エレベーターも、豪華!
そしてそして、トイレまでも、豪華!!
「橋を渡って、トイレに行くって、何なん (笑) ?!」
(↑豪華すぎて、もはや笑ってしまう&ツッコんでしまう)
ちなみに、このトイレ。
個室は、こんな感じ↓
で、便座に座って、天井を見上げると、こんな感じ↓
「誰?!」
てか、トイレ中を、上から見護らないで頂きたい。
(このサービスは、さすがに不必要w)
と、そんな目黒雅叙園で、
もっとも豪華で、もっとも贅を尽くした空間と言えば、
2009年に東京都の指定有形文化財に指定された “百段階段” 。
旧目黒雅叙園の三号館にあたり、目黒雅叙園に現存する唯一の木造建築です。
百段階段ながら、実際にあるのは、99段の階段。
その全てが、なんと高級なヒノキ材で設えられています。
また階段廊下の南側には7つ部屋があり、それら天井や欄間には、
当時の日本画壇を代表する作家たちによる美しい画が描かれています。
まさに、贅の限りを尽くした 『昭和の美の殿堂』 とも貴重な空間なのです。
基本的には、非公開となっている百段階段。
ちょうど今の期間は、この空間を使って、
“目黒と雅叙園の魅力展” という展覧会を開催しているというわけです。
ですから、観てみたい方は、今がチャンスなのです。
さてさて、一応、展覧会としましては、
懐かしい新聞記事や写真、目黒雅叙園に残る資料を各部屋で紹介しながら、
「美術」「建築」「婚礼」「食」などのテーマごとに昭和期の歴史を振り返る内容となっていたのですが。
正直なところ、初めて目にする百段階段そのものに圧倒されすぎてしまい、
展覧会の内容は、イマイチ頭に入って来ませんでした (笑)
とりあえず、唯一、頭の入ってきたことと言えば、
“目黒雅叙園で、第1回ミス日本コンテストが開催された” ということくらいなものです。
荒木十畝による四季の花鳥画で埋め尽くされた “十畝の間” に、
川合玉堂に師事した日本画家・礒部草丘の作品世界が広がる “草丘の間” 、
松岡映久門下による天井画と窓からの眺めが素晴らしい “頂上の間” ・・・などなど。
どの部屋でも、質と量ともに、当時の最高峰の日本美術が堪能でき、
美術ファンならずとも、日本人ならば、一度は訪れるべき空間となっています。
特に、オススメは、美人画の大家・鏑木清方の絵を、360度観賞することが出来る “清方の間” 。
鏑木清方が、この部屋のために、
目黒にゆかりのある絵の数々を描いたというのも、なんとも贅沢な話ですが。
この部屋に使われている柱は、なんと一本で一軒家が3軒買えるほどの高価なものなのだとか。
この部屋で、一晩明かしたいです。
(部屋の様子は、こちらで観ることが出来ます)
また、もう一つオススメの部屋が、
明治から昭和期にかけて活躍した尾竹竹坡による絵画世界と、
彫刻家・盛鳳嶺の精巧な彩色彫刻が見事に融合した “漁樵の間”
今回の展覧会では、この部屋のみ、なんと写真撮影が可能!
こんなにも濃密な美術体験が出来る場所があったとは。
いやはや、恐れ入りました。
ちなみに、この展覧会では。
一日6回、希望者に向けての無料ガイドツアーも行われているようです。
まさに、至れり尽くせりな展覧会。
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目黒と雅叙園の魅力展
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