約5年ぶりに、東京スカイツリータウン・ソラマチにある郵政博物館を訪れました。
前身は、かつて大手町にあった逓信総合博物館、通称 「ていぱーく」。
国内で唯一、郵便や電話といった “情報通信関係” の収蔵品を紹介するミュージアムです。
そんな郵政博物館で、現在開催されているのが、
“THE STEAMPUNK 螺子巻奇譚 (ねじまききたん)” という展覧会。
こちらは、「電信(telegraph)」 にスポットを当てた展覧会で、
19世紀末から20世紀初頭にかけて製作された電信機や電話機の数々が紹介されています。
それらの中には、ペリーが幕府への献上品として持参したモールス電信機など、重文クラスのモノも。
貴重なお宝が大集結した展覧会です。
・・・・・と、どれだけ貴重であっても、科学少年や科学少女でもない限り、
昔の電信機や電話機を見たところで、「ふーん」 としか感じないことでしょう。
普通に展示しただけでは、地味でマニアックな展覧会になってしまうはずです。
しかし、この展覧会が画期的なのは、
「19世紀末から20世紀初頭にかけての電信機や電話機=スチームパンク的」
(スチームパンク・・・産業革命の時代にSFを融合させた世界観。『天空の城ラピュタ』、『スチームボーイ』 など)
というスタンスで紹介していること。
なるほど。そういう観点で鑑賞すると、古い電信機や電話機が、
まるでSF映画やSFアニメに登場するアイテムのように見えてきました。
さらに、会場全体も、スチームパンク風な味付けで演出されています。
しかも、細部まで徹底的にスチームパンクの世界観にこだわっています。
スチームパンクファンはもちろん、
スチームパンクファンならずとも、終始ワクワクが止まりません。
見せ方のアイディア一つで、ここまで劇的に面白くなるのかというお手本のような展覧会。
新年早々、素敵なものを見せて頂きました。
さてさて、出展されていたアイテムの中で、
特に印象に残っているのは、重要文化財の 《エンボッシング・モールス電信機》。
(↑飛行船テレグラフ号の丸窓から覗くスタイルなので、上手く全体を映せませんでした)
こちらは、なんとあのペリーが、1854年に2回目の来日を果たした際に、
アメリカのフィルモア大統領から徳川幕府への献上品の一つとして持参した電信機なのだとか。
送信側の電信機上の電鍵でモールス符号を打つと、
受信側の電信機の紙テープがエンボス、つまり凹凸の痕がつき、信号を送ることが出来るそうです。
当時は、当然無線技術なんて無かった時代。
幕府の人々が、相当に驚いた姿が目に浮かびます。
開国するのも納得です。
とは言え、日本の技術力も負けていません。
こちらは、1912年に発明された 《TYK式無線電話機》。
この当時、有線電話はあったものの、
無線通信は、モールス符号くらいしかなく、無線で声を送る技術はなかったそう。
世界各国が実用化に向けて鎬を削る中、
初めて実用化された無線電話機が、なんとこの日本製の 《TYK式無線電話機》 なのだそうです。
なお、TYKとは、鳥潟右一、横山英太郎、北村政治郎の3名の技師のイニシャルとのこと。
TDKとは何の関係もなかったです。
・・・・・ちなみに、全体的には、文句の付け所のない展覧会なのですが。
スチームパンク演出に凝りすぎて、やや暴走気味な個所もちらほら (笑)
例えば、“電信事業の父” と呼ばれたウィリアム・ヘンリー・ストーンの銅像。
電飾に囲まれ、妙なことになっていました。
どうしてこうなったし。
また例えば、19世紀末のドイツで作られたピアノのような電信機 《ヒューズ電信機》。
展覧会の冒頭に展示されていたのですが・・・
暗すぎて、ほぼ見えず。
《ヒューズ電信機》 そのものも見づらかったですが、
隣に貼られたキャプションが輪をかけて見づらかったです。
スチームパンクの世界観が、展示物より優先されていました。
だいぶ攻めた展覧会です。
スチームパンクというよりも、もはやたパンク。
1位を目指して、ランキングに挑戦中。
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前身は、かつて大手町にあった逓信総合博物館、通称 「ていぱーく」。
国内で唯一、郵便や電話といった “情報通信関係” の収蔵品を紹介するミュージアムです。
そんな郵政博物館で、現在開催されているのが、
“THE STEAMPUNK 螺子巻奇譚 (ねじまききたん)” という展覧会。
こちらは、「電信(telegraph)」 にスポットを当てた展覧会で、
19世紀末から20世紀初頭にかけて製作された電信機や電話機の数々が紹介されています。
それらの中には、ペリーが幕府への献上品として持参したモールス電信機など、重文クラスのモノも。
貴重なお宝が大集結した展覧会です。
・・・・・と、どれだけ貴重であっても、科学少年や科学少女でもない限り、
昔の電信機や電話機を見たところで、「ふーん」 としか感じないことでしょう。
普通に展示しただけでは、地味でマニアックな展覧会になってしまうはずです。
しかし、この展覧会が画期的なのは、
「19世紀末から20世紀初頭にかけての電信機や電話機=スチームパンク的」
(スチームパンク・・・産業革命の時代にSFを融合させた世界観。『天空の城ラピュタ』、『スチームボーイ』 など)
というスタンスで紹介していること。
なるほど。そういう観点で鑑賞すると、古い電信機や電話機が、
まるでSF映画やSFアニメに登場するアイテムのように見えてきました。
さらに、会場全体も、スチームパンク風な味付けで演出されています。
しかも、細部まで徹底的にスチームパンクの世界観にこだわっています。
スチームパンクファンはもちろん、
スチームパンクファンならずとも、終始ワクワクが止まりません。
見せ方のアイディア一つで、ここまで劇的に面白くなるのかというお手本のような展覧会。
新年早々、素敵なものを見せて頂きました。
さてさて、出展されていたアイテムの中で、
特に印象に残っているのは、重要文化財の 《エンボッシング・モールス電信機》。
(↑飛行船テレグラフ号の丸窓から覗くスタイルなので、上手く全体を映せませんでした)
こちらは、なんとあのペリーが、1854年に2回目の来日を果たした際に、
アメリカのフィルモア大統領から徳川幕府への献上品の一つとして持参した電信機なのだとか。
送信側の電信機上の電鍵でモールス符号を打つと、
受信側の電信機の紙テープがエンボス、つまり凹凸の痕がつき、信号を送ることが出来るそうです。
当時は、当然無線技術なんて無かった時代。
幕府の人々が、相当に驚いた姿が目に浮かびます。
開国するのも納得です。
とは言え、日本の技術力も負けていません。
こちらは、1912年に発明された 《TYK式無線電話機》。
この当時、有線電話はあったものの、
無線通信は、モールス符号くらいしかなく、無線で声を送る技術はなかったそう。
世界各国が実用化に向けて鎬を削る中、
初めて実用化された無線電話機が、なんとこの日本製の 《TYK式無線電話機》 なのだそうです。
なお、TYKとは、鳥潟右一、横山英太郎、北村政治郎の3名の技師のイニシャルとのこと。
TDKとは何の関係もなかったです。
・・・・・ちなみに、全体的には、文句の付け所のない展覧会なのですが。
スチームパンク演出に凝りすぎて、やや暴走気味な個所もちらほら (笑)
例えば、“電信事業の父” と呼ばれたウィリアム・ヘンリー・ストーンの銅像。
電飾に囲まれ、妙なことになっていました。
どうしてこうなったし。
また例えば、19世紀末のドイツで作られたピアノのような電信機 《ヒューズ電信機》。
展覧会の冒頭に展示されていたのですが・・・
暗すぎて、ほぼ見えず。
《ヒューズ電信機》 そのものも見づらかったですが、
隣に貼られたキャプションが輪をかけて見づらかったです。
スチームパンクの世界観が、展示物より優先されていました。
だいぶ攻めた展覧会です。
スチームパンクというよりも、もはやたパンク。
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