『クマのプーさん』 は、ディズニーが生んだキャラクター。
そう思っている方も、少なくないでしょうが (←かくいう僕もその一人)。
実は、イギリスの作家A・A・ミルンによって、
1926年に発表された児童文学 『クマのプーさん』 が、そのオリジナル。
息子であるクリストファー・ロビンに語るスタイルで書かれた物語です。
A.A.ミルン、クリストファー・ロビン・ミルンおよびプー・ベア、ハワード・コスター撮影、1926年 © National Portrait Gallery, London.
そんな原作の 『クマのプーさん』 の魅力を高めているのは、
何と言っても、挿絵画家のE.H.シェパードによって描かれた愛らしい挿絵でしょう。
E.H.シェパード、 ハワード・コスター撮影、1932年、ノラ・シェパード夫人より寄贈 © National Portrait Gallery, London.
そのE.H.シェパードによる 『クマのプーさん』 の原画を、
世界最大規模で所蔵しているヴィクトリア・アンド・アルバート (V&A) 博物館にて、
昨年、大規模な “クマのプーさん展” が開催されました。
イギリスの国民的童話の原画展とあって、大盛況。
さらに、その後、ボストン、アトランタと、
アメリカを巡回し、そちらでも大きな反響を巻き起こしたそうです。
そんな “クマのプーさん展” が、ついに日本初上陸!
4月14日まで、Bunkamuraザ・ミュージアムで開催されています。
(注:館内の写真撮影は、特別に許可を得ております。なお、一部は撮影可です)
「あれっ?Hallo?『Hello』 の間違いでは??」
そう思われた方もいらっしゃるかもしれませんが、
原作の 『クマのプーさん』 的には、こちらが正解。
『クマのプーさん』 には、こうしたスペルミスが、たびたび登場するのだそう。
そうしたA.A.ミルンの言葉遊びもまた、原作の一つの魅力なのだそうです。
と、このように、原作の世界観を大切にしている今回の展覧会。
それ以外にも、会場の随所に、原作をイメージした演出が施されています。
展覧会場というよりも、ディズニーの新アトラクションのよう。
もはや展示品を観なくても、ただこの場所にいるだけで、心がウキウキすること請け合いです。
とは言え、もちろん来日中の 『クマのプーさん』 の原画は、絶対に見逃してはなりません!
「バタン・バタン、バタン・バタン、頭を階段にぶつけながら、クマくんが二階からおりてきます」、『クマのプーさん』第1章、
E.H.シェパード、鉛筆画、1926年、V&A所蔵 © The Shepard Trust
「ハチのやつ、なにか、うたぐってるようですよ」、『クマのプーさん』第1章、
E.H.シェパード、鉛筆画、1926年、V&A所蔵 © The Shepard Trust
これらの貴重な原画は、非常に大切に保管されており、
2年公開すると、その後10年は非公開にするルールが採用されているのだとか。
少なくとも、10年間は目にすることが出来ませんし、
10年後、再び来日してくれる保証はどこにもありません。
展覧会のラストに、こちらのセリフが引用されていましたが・・・
次に原画と会えるのは、“ぼくが百になった時” という可能性だって大いにあり得ます。
しっかりと、その目に焼き付けておきましょう。
また、原画以外にも貴重な資料が数多く来日中。
1926年に発刊された初版本や、
原作者A.A.ミルンの家族写真、
さらには、プーさんとその仲間たちのモデルとなったぬいぐるみもありました。
さてさて、今回の展覧会を通じて、
何よりも目を奪われたのは、E.H.シェパードの類稀なる素描力。
「プーとコブタが、狩りに出て…」、『クマのプーさん』第3章、
E.H.シェパード、ペン画、1926年、 クライブ&アリソン・ビーチャム・コレクション © The Shepard Trust
意外なことに、そのほとんどに、表情は描き込まれていませんでした。
しかし、どの挿絵ももれなく、ちゃんと可愛いのです。
しばらくして、その理由に、はたと気が付きました。
それは、仕草や動きの可愛らしさ。
サラサラっと描いているようなのに、
のっそりとした動き、コロンとした動き、ドテッとした動きなどが、
きちんと伝わってくるのです。
今まで数多くの素描作品を観てきましたが、
これほどまでに食い入るように鑑賞したのは、初めてかもしれません!
単に人気のキャラクターの原画だから、ではなく、
一つの芸術作品として観るべき価値のある素描でした。
クマのプーさんファンだけでなく、アートファンなら抑えておきたい展覧会です。
ちなみに、展覧会では、
日本版のプーさんやロシア版のプーさんも紹介されていました。
ロシア版のプーさんは、クマというよりもタヌキです。
これらでは、絶対に世界的な人気キャラクターになっていなかったでしょう。
改めて、E.H.シェパードの非凡な才能を実感させられました。
展覧会を見終わった後には、
もう一つのお楽しみ、グッズコーナーが待ち受けています。
会場限定グッズは、なんと約200点!
マグカップにトートバッグに初版本をイメージしたノートに、はちみつに。
可愛らしいグッズの数々に、頬も財布の紐も緩むこと必至です。
┃会期:2019年2月9日(土)〜4月14日(日)
┃休館日:2月19日(火)、3月12日(火)
┃会場:Bunkamuraザ・ミュージアム
┃https://wp2019.jp/
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そう思っている方も、少なくないでしょうが (←かくいう僕もその一人)。
実は、イギリスの作家A・A・ミルンによって、
1926年に発表された児童文学 『クマのプーさん』 が、そのオリジナル。
息子であるクリストファー・ロビンに語るスタイルで書かれた物語です。
A.A.ミルン、クリストファー・ロビン・ミルンおよびプー・ベア、ハワード・コスター撮影、1926年 © National Portrait Gallery, London.
そんな原作の 『クマのプーさん』 の魅力を高めているのは、
何と言っても、挿絵画家のE.H.シェパードによって描かれた愛らしい挿絵でしょう。
E.H.シェパード、 ハワード・コスター撮影、1932年、ノラ・シェパード夫人より寄贈 © National Portrait Gallery, London.
そのE.H.シェパードによる 『クマのプーさん』 の原画を、
世界最大規模で所蔵しているヴィクトリア・アンド・アルバート (V&A) 博物館にて、
昨年、大規模な “クマのプーさん展” が開催されました。
イギリスの国民的童話の原画展とあって、大盛況。
さらに、その後、ボストン、アトランタと、
アメリカを巡回し、そちらでも大きな反響を巻き起こしたそうです。
そんな “クマのプーさん展” が、ついに日本初上陸!
4月14日まで、Bunkamuraザ・ミュージアムで開催されています。
(注:館内の写真撮影は、特別に許可を得ております。なお、一部は撮影可です)
「あれっ?Hallo?『Hello』 の間違いでは??」
そう思われた方もいらっしゃるかもしれませんが、
原作の 『クマのプーさん』 的には、こちらが正解。
『クマのプーさん』 には、こうしたスペルミスが、たびたび登場するのだそう。
そうしたA.A.ミルンの言葉遊びもまた、原作の一つの魅力なのだそうです。
と、このように、原作の世界観を大切にしている今回の展覧会。
それ以外にも、会場の随所に、原作をイメージした演出が施されています。
展覧会場というよりも、ディズニーの新アトラクションのよう。
もはや展示品を観なくても、ただこの場所にいるだけで、心がウキウキすること請け合いです。
とは言え、もちろん来日中の 『クマのプーさん』 の原画は、絶対に見逃してはなりません!
「バタン・バタン、バタン・バタン、頭を階段にぶつけながら、クマくんが二階からおりてきます」、『クマのプーさん』第1章、
E.H.シェパード、鉛筆画、1926年、V&A所蔵 © The Shepard Trust
「ハチのやつ、なにか、うたぐってるようですよ」、『クマのプーさん』第1章、
E.H.シェパード、鉛筆画、1926年、V&A所蔵 © The Shepard Trust
これらの貴重な原画は、非常に大切に保管されており、
2年公開すると、その後10年は非公開にするルールが採用されているのだとか。
少なくとも、10年間は目にすることが出来ませんし、
10年後、再び来日してくれる保証はどこにもありません。
展覧会のラストに、こちらのセリフが引用されていましたが・・・
次に原画と会えるのは、“ぼくが百になった時” という可能性だって大いにあり得ます。
しっかりと、その目に焼き付けておきましょう。
また、原画以外にも貴重な資料が数多く来日中。
1926年に発刊された初版本や、
原作者A.A.ミルンの家族写真、
さらには、プーさんとその仲間たちのモデルとなったぬいぐるみもありました。
さてさて、今回の展覧会を通じて、
何よりも目を奪われたのは、E.H.シェパードの類稀なる素描力。
「プーとコブタが、狩りに出て…」、『クマのプーさん』第3章、
E.H.シェパード、ペン画、1926年、 クライブ&アリソン・ビーチャム・コレクション © The Shepard Trust
意外なことに、そのほとんどに、表情は描き込まれていませんでした。
しかし、どの挿絵ももれなく、ちゃんと可愛いのです。
しばらくして、その理由に、はたと気が付きました。
それは、仕草や動きの可愛らしさ。
サラサラっと描いているようなのに、
のっそりとした動き、コロンとした動き、ドテッとした動きなどが、
きちんと伝わってくるのです。
今まで数多くの素描作品を観てきましたが、
これほどまでに食い入るように鑑賞したのは、初めてかもしれません!
単に人気のキャラクターの原画だから、ではなく、
一つの芸術作品として観るべき価値のある素描でした。
クマのプーさんファンだけでなく、アートファンなら抑えておきたい展覧会です。
ちなみに、展覧会では、
日本版のプーさんやロシア版のプーさんも紹介されていました。
ロシア版のプーさんは、クマというよりもタヌキです。
これらでは、絶対に世界的な人気キャラクターになっていなかったでしょう。
改めて、E.H.シェパードの非凡な才能を実感させられました。
展覧会を見終わった後には、
もう一つのお楽しみ、グッズコーナーが待ち受けています。
会場限定グッズは、なんと約200点!
マグカップにトートバッグに初版本をイメージしたノートに、はちみつに。
可愛らしいグッズの数々に、頬も財布の紐も緩むこと必至です。
┃会期:2019年2月9日(土)〜4月14日(日)
┃休館日:2月19日(火)、3月12日(火)
┃会場:Bunkamuraザ・ミュージアム
┃https://wp2019.jp/
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