昨年、没後50周年を記念して、東京都美術館と京都国立近代美術館で、
国内外から過去最大規模で藤田嗣治の油彩画が集結した展覧会が開催されていましたが。
その同じタイミングで、西宮市大谷記念美術館を皮切りに、
4会場を巡回する、もう一つの大々的な藤田嗣治の展覧会が開催されていました。
その名も、“没後50年 藤田嗣治 本のしごと”。
藤田が 「油彩画のしごと」 と同じくらいに、
その生涯で力を入れていた 「本のしごと」 を網羅する展覧会です。
“没後50年 藤田嗣治” とこちらの展覧会は、まさにコインの表と裏のようなもの。
2つの展覧会を観ることで初めて、
画家・藤田嗣治の全容が明らかになるといっても過言ではないのです。
さて、そんな “没後50年 藤田嗣治 本のしごと” の最終会場となるのが、東京富士美術館。
(注:館内の写真撮影は、特別に許可を得ております)
ルネサンスから印象派、20世紀までの西洋絵画に、
江戸絵画や浮世絵、刀剣など、日本美術も幅広くカバーしていることでお馴染みの美術館です。
実は、意外と知られていないのですが、
東京富士美術館は、日本最大規模の藤田嗣治の挿絵本コレクションも所蔵しています。
その数、なんと50冊。
これは、藤田の生涯を通じて、フランスで出版された挿絵本のほぼ全てに当たるのだとか。
挿絵本と聞いて、
「ふ~ん。ただの本か・・・」
と、食指が動かない方もいらっしゃるかもしれませんが。
いえいえ、本とはいっても、何千部何万部も刷られるような普通の本ではありません。
一般には流通しない、美術愛好家向けに制作された限定本です。
それらのほとんどは、機械ではなく手作業で製本されたもの。
(注:著作権者が “しごと” 熱心なため、藤田嗣治の絵の部分は、ケンミンショースタイルで伏せてあります)
紙の縁を注目してみると、手作業であることがよくわかりますね。
そのため、たくさん制作することはできず、
限定数が55部や30部といった超激レアな本も存在しています。
それらほぼすべてを網羅した富士美のコレクションにくわえて、
日本各地から、藤田嗣治の貴重な挿絵本が大集結した今回の展覧会。
1タイトルにつき、1冊あるだけでもスゴいことなのですが。
中には、2冊3冊集められたものもありました。
日本の昔話を題材にした 『日本昔噺』 にいたっては、なんと5冊も集結!
そのため、本の展覧会の鑑賞中に起こりがちな、
“表紙も中身もどっちも見たいんだよなァ” 問題は、ほぼ発生することはないでしょう。
モヤモヤすることなく、表紙も中身 (挿絵) もどっちも堪能することができるはず。
藤田嗣治の 「本のしごと」 を把握するには、これ以上ないであろう展覧会でした。
また、本以外にも、藤田が最初の妻にフランスから送った手紙や、
藤田の盟友ともいうべきGHQの民政官フランク・シャーマンに送った手紙なども紹介されています。
55部限定や30部限定といった超激レアな本よりも、さらに超激レアな逸品。
たった一人のために藤田が描いた絵や文章を目の当たりにすることができます。
もちろん内容は完全プライベート。
藤田嗣治もまさかこれらの手紙が、
美術館で晒されることになろうとは、思ってもみなかったことでしょう。
人気者はつらいよ。
さてさて、本日2月22日は、猫の日。
最後に、猫にまつわる情報をご紹介いたしましょう。
今回の展覧会は、全4章で構成されていたのですが。
最後の4章に関しては、「藤田嗣治といえば猫!」 ということで、
本とは全く関係なく、藤田による猫の絵画や素描、いわば 「猫のしごと」 が紹介されていました。
右を見ても、左を見ても、前後を見ても猫。
猫好きには、たまらない空間でした。
オススメは、金屏風に描かれた猫。
猫の軽やかな一瞬の動きが写し取られています。
目に飛び込んできた瞬間、本物の猫が会場に紛れ込んでいるのかと、二度見してしまったほど。
“あっ・・・本物の猫じゃないんだ・・・”
猫好きには、ちょっと切なくなるトラップでした (←?)
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国内外から過去最大規模で藤田嗣治の油彩画が集結した展覧会が開催されていましたが。
その同じタイミングで、西宮市大谷記念美術館を皮切りに、
4会場を巡回する、もう一つの大々的な藤田嗣治の展覧会が開催されていました。
その名も、“没後50年 藤田嗣治 本のしごと”。
藤田が 「油彩画のしごと」 と同じくらいに、
その生涯で力を入れていた 「本のしごと」 を網羅する展覧会です。
“没後50年 藤田嗣治” とこちらの展覧会は、まさにコインの表と裏のようなもの。
2つの展覧会を観ることで初めて、
画家・藤田嗣治の全容が明らかになるといっても過言ではないのです。
さて、そんな “没後50年 藤田嗣治 本のしごと” の最終会場となるのが、東京富士美術館。
(注:館内の写真撮影は、特別に許可を得ております)
ルネサンスから印象派、20世紀までの西洋絵画に、
江戸絵画や浮世絵、刀剣など、日本美術も幅広くカバーしていることでお馴染みの美術館です。
実は、意外と知られていないのですが、
東京富士美術館は、日本最大規模の藤田嗣治の挿絵本コレクションも所蔵しています。
その数、なんと50冊。
これは、藤田の生涯を通じて、フランスで出版された挿絵本のほぼ全てに当たるのだとか。
挿絵本と聞いて、
「ふ~ん。ただの本か・・・」
と、食指が動かない方もいらっしゃるかもしれませんが。
いえいえ、本とはいっても、何千部何万部も刷られるような普通の本ではありません。
一般には流通しない、美術愛好家向けに制作された限定本です。
それらのほとんどは、機械ではなく手作業で製本されたもの。
(注:著作権者が “しごと” 熱心なため、藤田嗣治の絵の部分は、ケンミンショースタイルで伏せてあります)
紙の縁を注目してみると、手作業であることがよくわかりますね。
そのため、たくさん制作することはできず、
限定数が55部や30部といった超激レアな本も存在しています。
それらほぼすべてを網羅した富士美のコレクションにくわえて、
日本各地から、藤田嗣治の貴重な挿絵本が大集結した今回の展覧会。
1タイトルにつき、1冊あるだけでもスゴいことなのですが。
中には、2冊3冊集められたものもありました。
日本の昔話を題材にした 『日本昔噺』 にいたっては、なんと5冊も集結!
そのため、本の展覧会の鑑賞中に起こりがちな、
“表紙も中身もどっちも見たいんだよなァ” 問題は、ほぼ発生することはないでしょう。
モヤモヤすることなく、表紙も中身 (挿絵) もどっちも堪能することができるはず。
藤田嗣治の 「本のしごと」 を把握するには、これ以上ないであろう展覧会でした。
また、本以外にも、藤田が最初の妻にフランスから送った手紙や、
藤田の盟友ともいうべきGHQの民政官フランク・シャーマンに送った手紙なども紹介されています。
55部限定や30部限定といった超激レアな本よりも、さらに超激レアな逸品。
たった一人のために藤田が描いた絵や文章を目の当たりにすることができます。
もちろん内容は完全プライベート。
藤田嗣治もまさかこれらの手紙が、
美術館で晒されることになろうとは、思ってもみなかったことでしょう。
人気者はつらいよ。
さてさて、本日2月22日は、猫の日。
最後に、猫にまつわる情報をご紹介いたしましょう。
今回の展覧会は、全4章で構成されていたのですが。
最後の4章に関しては、「藤田嗣治といえば猫!」 ということで、
本とは全く関係なく、藤田による猫の絵画や素描、いわば 「猫のしごと」 が紹介されていました。
右を見ても、左を見ても、前後を見ても猫。
猫好きには、たまらない空間でした。
オススメは、金屏風に描かれた猫。
猫の軽やかな一瞬の動きが写し取られています。
目に飛び込んできた瞬間、本物の猫が会場に紛れ込んでいるのかと、二度見してしまったほど。
“あっ・・・本物の猫じゃないんだ・・・”
猫好きには、ちょっと切なくなるトラップでした (←?)
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