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トルコ至宝展 チューリップの宮殿 トプカプの美

今年2019年は、「トルコ文化年」。
それを記念して、この春、国立新美術館では、
"トルコ至宝展 チューリップの宮殿 トプカプの美" が開催されています。

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(注:館内の写真撮影は、特別に許可を得ております)


15世紀から19世紀にかけて、オスマン帝国の宮殿として使われたトプカプ宮殿。
現在では、トルコ国立の博物館として、
9万点近い膨大なコレクションと、美しい宮殿建築とで人気を博しています。
そんなトプカプ宮殿博物館から、選りすぐりの至宝約170点が来日。
しかも、そのほぼすべてが初来日となっています。

この展覧会に合わせて、国立新美術館の展示室内は、トルコの宮殿モードにガラリと大変身!

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もし、目隠しされて連れてこられたなら、
ここが国立新美術館だとは、思いもしないことでしょう。
と、会場の雰囲気だけでも、十分にテンションがあがりますが。
オスマン帝国の君主である歴代のスルタンが、
その贅を尽くした至宝の数々にもテンションがあがること間違いなし。
《スルタン・メフメト4世の宝飾短剣》 や、

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《スルタン・メフメト4世の宝飾短剣》 1664年頃 トプカプ宮殿博物館蔵


《宝飾手鏡》 など、

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《宝飾手鏡》 16世紀末 トプカプ宮殿博物館蔵


どれもこれもが豪華絢爛で、
見ているだけで、思わずうっとりさせられることでしょう。
ちなみに、とりわけ多くの人が目を奪われていたのが、こちらの至宝。

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《儀式用宝飾水筒》 16世紀後半 トプカプ宮殿博物館蔵


金にエメラルドにルビーに真珠に。
見るからにゴージャスなコレの正体は、なんと携帯用の水筒とのこと。
これ1つで、一体いくつの象印マホービンが買えるのでしょうか・・・?
他にも、金やエメラルドやルビーで飾られた筆箱や、
象牙やべっ甲で装飾されたハシゴなどが紹介されていました。
さすが約600年間も繁栄を誇ったオスマン帝国です。


さてさて、展覧会では、実にさまざまな至宝が紹介されていますが、
それらの多くに共通して、あるモチーフが施されていることに気づかされるはず。
これらのお皿にも、

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こちらの儀式用のカフタン (=トルコの伝統的な衣装) にも、

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さらに意外なところでは、武器にも。

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そう。そのモチーフとは、チューリップ。
チューリップというと、オランダのイメージが強かったのですが。
実は、その原産地は、オスマン帝国の領内とのこと。
さらに、トルコ語でチューリップは、「ラ一レ」。
そのアラビア文字のスペルをアナグラムの要領で、
並べ変えると、イスラム教の神を表す 「アッラー」 という言葉になるのだとか。
そして、アラビア文字で表記されたラ一レを、
逆から読むと、トルコ国旗のシンボルでもある三日月 「ヒラール」 という言葉になるのだそう。
つまり、トルコ人にとって、チューリップは国民的な花なのです。
(↑若干、Mr.都市伝説・関暁夫ばりのこじつけっぽいところもありましたが)
ともあれ、日本人が桜を愛するように、トルコ人はチューリップを愛しているそうです。

ちなみに、こちらのケースにズラッと並んでいるのは、チューリップ用の花瓶。

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チューリップ畑だけではなく、
一輪挿しでも愛でて楽しんでいたのですね。
なお、頸が長いのは、花が垂れるのを防ぐためなのだそうです。


知ってるようでいて、実はほとんど何も知らないトルコ。
その文化にたっぷりと触れられる貴重な機会でした。
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星
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星

この展覧会を通じて、急激にトルコに興味が湧いてきました。
トプカプ。スルタン。カフタン。
なんだかポケモンの新種のような可愛らしい名前が多かったことにも、興味津々です。
トルコ語を少し勉強してみたくなりました。


最後に、今回の展覧会で一番驚いた作品を。

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豪華絢爛な 《宝飾兜》 です。
「中央部分に付いてるのは、スプーンかな(笑)?」 と冗談で思ったら、まさかまさかの大正解。
スルタンから食事を振舞われた際に、取り外してスプーンとして使うのだそうです。
・・・・・いやいや、だとしても、何も兜のセンターに取り付けなくても!
持ち運びに適したところは、他にもいろいろあるでしょうに。




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