現在、資生堂ギャラリーで開催されているのは、
"荒木悠展:LE SOUVENIRS DU JAPON ニッポンノミヤゲ" という展覧会。
今、もっとも国内外から注目を集める映像作家の一人、荒木悠さんの新作による個展です。
ニッポンノミヤゲ?ニホンノミカタ?
タイトルからは、どんな内容の展覧会なのか、まったく想像がつきません。
とりあえず会場に入ってみることに。
すると、いつもとは違って階段分に、ふかふかの赤い絨毯が敷かれていました。
そして、不思議な形のシャンデリアに、ヴィンテージものっぽい鏡も設置されています。
さらに、耳をすませば、どこからともなく、
『美しき青きドナウ』 の調べが聴こえてくるではないですか!
どうやら今回は、舞踏会をイメージした会場作りになっているようです。
(知っていれば、もっとフォーマルなファッションで訪れたものを!)
さてさて、まず広いほうの展示スペースで展開されていたのは、《The Last Ball》 という作品です。
こちらは、明治期に日本を訪れたフランス人作家、
ピエール・ロティの紀行文 『秋の日本』 内の 「江戸の舞踏会」 の章に着想を得た作品とのこと。
明治18年に鹿鳴館での舞踏会を訪れたロティが、自身の視線でその様子を描いた見聞録なのだそう。
そんな 「江戸の舞踏会」 を下敷きに芥川龍之介が発表したのが、『舞踏会』 という短編小説です。
その小説では、ロティのダンスの相手だった17歳の日本人女性・明子が主人公となっています。
西洋と東洋。
2つの異なる視点で書かれた文学作品。
それを現代的に映像化したのが、《The Last Ball》 という作品なのだとか。
天井から吊るされているスクリーンの片側には、
明子役の女性が手にするスマホで撮影された映像が、
そして、その反対側には、ロティ役の男性のスマホで撮影された映像が映し出されています。
ちなみに、瞳の色によって色の見え方が違うという理由で、
ロティ側の映像はマゼンダが強め、明子側の映像はグリーンが強めに色彩設計されているそう。
・・・ん?スマホでお互いを撮り合っていたら、ダンスできなくない?
と思った方は、鋭いです。
そう。ロティ役、明子役それぞれに与えられた指示は、
「相手を撮影すること、しかし、相手には撮影されないこと」、
つまり、お互い、撮りつつ逃げるを繰り返しているのです。
第三者から見ると、それはそれで、新手のダンスのように見える。
大きな壁一面に上映されているのは、そんな引きの映像です。
どんな作品なのかを説明するのに、
一苦労も二苦労もする複雑極まりない作品です。
ただ、複雑だけど、その複雑さが面白い。
これまでにありそうでなかった新感覚の面白さです。
もう一つの新作映像作品 《戯訳「聖なる都・京都」「日光霊山」「江戸」》 も安定の複雑さ (←?)。
こちらもやはりロティの紀行文 『秋の日本』 が元ネタです。
『秋の日本』 には、京都、日光、江戸 (東京) の紀行文が収録されているそうなのですが、
日光東照宮を1000年近い歴史あるお寺だと紹介するなど、ところどころおかしな箇所があるとのこと。
今回の映像作品では、そんな間違った部分が訂正されることなく、字幕で紹介されています。
映像自体は、当時のものではなく、
荒木さんが現地に赴き、現在の姿を撮影してきたもの。
日本人が撮影した日本の映像なのに、
訪日したユーチューバーの妙な動画のような仕上がりになっています。
ちなみに、《The Last Ball》 も 《戯訳「聖なる都・京都」「日光霊山」「江戸」》 も、
どちらも100年以上前の視点と現在の視点が、ややズレた感じで重なった不思議な味わいの作品です。
現代の僕らでも、この2つの映像作品に妙な違和感を覚えるわけですから、
100年後、200年後の人間が観たなら、さらに滑稽な印象を覚えることでしょう。
それこそが、荒木さんが考える 「時空を超えた (ニッポンの) お土産」 なのだとか。
う~ん、わかったようなわからないような・・・。
荒木さんから、とんだお土産を受け取った展覧会でした (笑)
ちなみに。
展覧会場には、資生堂の初代社長であり、
偉大なるアマチュア写真かでもあった福原信三が撮影した写真も飾られていました。
こちらは、なんとあのラフカディオ・ハーン、
またの名を小泉八雲の旧居にあった階段を撮った写真なのだそうです。
小泉八雲といえば、『怪談』。
階段と怪談。
ダジャレ・・・なのでしょうか。
なお、その写真の手前に荒木さんが設置したのは、階段箪笥。
おそらく、階段繋がり。
でも、何でまた、ただの階段ではなく、あえて階段箪笥を選んなのでしょう。
階段だんす・・・・・・ハッ、今回の展覧会のテーマは、舞踏会!
舞踏会と言えば、もちろんダンス。
ダジャレも複雑です。
1位を目指して、ランキングに挑戦中。
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"荒木悠展:LE SOUVENIRS DU JAPON ニッポンノミヤゲ" という展覧会。
今、もっとも国内外から注目を集める映像作家の一人、荒木悠さんの新作による個展です。
ニッポンノミヤゲ?ニホンノミカタ?
タイトルからは、どんな内容の展覧会なのか、まったく想像がつきません。
とりあえず会場に入ってみることに。
すると、いつもとは違って階段分に、ふかふかの赤い絨毯が敷かれていました。
そして、不思議な形のシャンデリアに、ヴィンテージものっぽい鏡も設置されています。
さらに、耳をすませば、どこからともなく、
『美しき青きドナウ』 の調べが聴こえてくるではないですか!
どうやら今回は、舞踏会をイメージした会場作りになっているようです。
(知っていれば、もっとフォーマルなファッションで訪れたものを!)
さてさて、まず広いほうの展示スペースで展開されていたのは、《The Last Ball》 という作品です。
こちらは、明治期に日本を訪れたフランス人作家、
ピエール・ロティの紀行文 『秋の日本』 内の 「江戸の舞踏会」 の章に着想を得た作品とのこと。
明治18年に鹿鳴館での舞踏会を訪れたロティが、自身の視線でその様子を描いた見聞録なのだそう。
そんな 「江戸の舞踏会」 を下敷きに芥川龍之介が発表したのが、『舞踏会』 という短編小説です。
その小説では、ロティのダンスの相手だった17歳の日本人女性・明子が主人公となっています。
西洋と東洋。
2つの異なる視点で書かれた文学作品。
それを現代的に映像化したのが、《The Last Ball》 という作品なのだとか。
天井から吊るされているスクリーンの片側には、
明子役の女性が手にするスマホで撮影された映像が、
そして、その反対側には、ロティ役の男性のスマホで撮影された映像が映し出されています。
ちなみに、瞳の色によって色の見え方が違うという理由で、
ロティ側の映像はマゼンダが強め、明子側の映像はグリーンが強めに色彩設計されているそう。
・・・ん?スマホでお互いを撮り合っていたら、ダンスできなくない?
と思った方は、鋭いです。
そう。ロティ役、明子役それぞれに与えられた指示は、
「相手を撮影すること、しかし、相手には撮影されないこと」、
つまり、お互い、撮りつつ逃げるを繰り返しているのです。
第三者から見ると、それはそれで、新手のダンスのように見える。
大きな壁一面に上映されているのは、そんな引きの映像です。
どんな作品なのかを説明するのに、
一苦労も二苦労もする複雑極まりない作品です。
ただ、複雑だけど、その複雑さが面白い。
これまでにありそうでなかった新感覚の面白さです。
もう一つの新作映像作品 《戯訳「聖なる都・京都」「日光霊山」「江戸」》 も安定の複雑さ (←?)。
こちらもやはりロティの紀行文 『秋の日本』 が元ネタです。
『秋の日本』 には、京都、日光、江戸 (東京) の紀行文が収録されているそうなのですが、
日光東照宮を1000年近い歴史あるお寺だと紹介するなど、ところどころおかしな箇所があるとのこと。
今回の映像作品では、そんな間違った部分が訂正されることなく、字幕で紹介されています。
映像自体は、当時のものではなく、
荒木さんが現地に赴き、現在の姿を撮影してきたもの。
日本人が撮影した日本の映像なのに、
訪日したユーチューバーの妙な動画のような仕上がりになっています。
ちなみに、《The Last Ball》 も 《戯訳「聖なる都・京都」「日光霊山」「江戸」》 も、
どちらも100年以上前の視点と現在の視点が、ややズレた感じで重なった不思議な味わいの作品です。
現代の僕らでも、この2つの映像作品に妙な違和感を覚えるわけですから、
100年後、200年後の人間が観たなら、さらに滑稽な印象を覚えることでしょう。
それこそが、荒木さんが考える 「時空を超えた (ニッポンの) お土産」 なのだとか。
う~ん、わかったようなわからないような・・・。
荒木さんから、とんだお土産を受け取った展覧会でした (笑)
ちなみに。
展覧会場には、資生堂の初代社長であり、
偉大なるアマチュア写真かでもあった福原信三が撮影した写真も飾られていました。
こちらは、なんとあのラフカディオ・ハーン、
またの名を小泉八雲の旧居にあった階段を撮った写真なのだそうです。
小泉八雲といえば、『怪談』。
階段と怪談。
ダジャレ・・・なのでしょうか。
なお、その写真の手前に荒木さんが設置したのは、階段箪笥。
おそらく、階段繋がり。
でも、何でまた、ただの階段ではなく、あえて階段箪笥を選んなのでしょう。
階段だんす・・・・・・ハッ、今回の展覧会のテーマは、舞踏会!
舞踏会と言えば、もちろんダンス。
ダジャレも複雑です。
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