現在、東京富士美術館で開催されているのは、
“サムライ・ダンディズム 刀と印籠 ─ 武士のこだわり” という展覧会。
武士が身に着ける2大オシャレアイテムにスポットを当てた展覧会です。
(注:館内の写真撮影は、特別に許可を得ております)
まず紹介されているのは、日本刀。
東京富士美術館が所蔵する名刀の数々が、展覧会の冒頭を飾ります。
東京富士美術館で日本刀といえば、3年前にも大規模な刀剣展が開催されていましたが。
刀身の美しさそのものにフォーカスした3年前の展覧会と違って、
今回の展覧会では、鞘や鍔、柄といった拵 (こしらえ) も併せて紹介されていました。
カモフラ柄っぽい下げ緒があったり。
メタリックなワインレッドの鞘があったり。
思いのほか、現代の感覚から見ても、十二分にオシャレなものでした。
確かに、ダンディズムでござる。
展覧会は、全4章で構成されていますが。
日本刀がフィーチャーされているのは、第1章のみ。
残りの3章で紹介されているのが、武士のもう一つのオシャレアイテム、印籠です。
今展に出展されている印籠の数は、なんと235点!(会期中入替あり)
東京富士美術館が所蔵する印籠だけでなく、
日本各地から名品とされる印籠の数々が集結しているのだそう。
江戸時代にその名を轟かせた印籠の名工による名品から、
明治工芸界のスーパースター柴田是真や白山松哉が制作した印籠まで。
担当学芸員さん曰く、おそらく質・量ともに過去最大規模の印籠が集まっているとのこと。
印籠ファンにとっては、まさに夢の競演。
印籠アベンジャーズ勢ぞろいです。
ところで、そもそも印籠とは、一体何なのでしょうか?
「印」 という字から、かつては印籠入れだったという説もあるそうですが。
江戸時代においては、薬入れ、つまりピルケースとして使われていたそうです。
その証拠となるのが、こちらの2つの印籠。
左の印籠の中からは、収納している薬のラベルが、
右の印籠の中からは、実際に薬そのものが、それぞれ発見されたのだそうです。
さて、薬を保存するということは、
空気が入り込まない密閉された容器でなければなりません。
なおかつ、性質上、すっと取り出し易くなくてもなりません。
つまり、1㎜の狂いもなく制作するという超絶技巧な職人技が必要となるのだそう。
さらに、オシャレな武士にとって、腰からぶら下げる印籠は、こだわるべきオシャレアイテム。
豪華絢爛な蒔絵の外装をオーダーメイドしたのだとか。
そのため、こんな小さなサイズにも関わらず、
印籠の完成までに、数か月から半年かかるのが通例だったそうです。
印籠が、そんなにも技術と贅を尽くしたものだったとは。
あの紋所が目に入らなくても、思わず 「ははぁ~」 となってしまいました。
そうそう。
紋所といえば、家紋がデザイン印籠もあるにはあるそうなのですが。
それは、全印籠のごくごく一部とのこと。
しかも、葵の御紋がドーンと配置されたあの感じではなく・・・
ルイ・ヴィトンのモノグラムのように、
オシャレに配置されているものがポピュラーだったそうです。
ルイ・ヴィトンのモノグラムが、日本の家紋をモチーフにしているのは有名な話ですが。
もしかしたら、デザイナーは、家紋がデザインされた印籠を目にしていたのかもしれませんね。
さてさて、今回出展されていた印籠の中で、
特に印象に残っている印籠の数々をご紹介いたしましょう。
まずは、幕府御用蒔絵師だった幸阿弥長孝による 《格子投蒔絵印籠》 から。
スタイリッシュで、普通に 「欲しい!」 と思いました。
バーバリーで売られていても、全く違和感ありません。
続いては、《松梅蒔絵印籠》。
表面に、高蒔絵で松と梅が表されています。
そして、印籠そのものは竹製。
松竹梅の揃い踏みです。
一般的な印籠と違って、側面がパッカーンと開くタイプ。
その中には、小さな引出5段が収められていました。
会場には超絶技巧の印籠が多く紹介されていましたが、その中でも屈指の超絶技巧ぶり。
超超絶技巧です。
超絶技巧といえば、富山地方に発達した漆工芸の一種で、
青貝に金銀の切り金を交えた精緻な細工、創始者の名を取って杣田細工も印象的でした。
真っ黒い画面に浮かび上がる赤や緑、青の光。
まるでチームラボの作品を観ているかのようでした。
そういう意味では、若い女性にも受けそうな印籠です。
他にも、なんとなく、とらやの紙袋を連想される印籠や、
地図がデザインされた実用性も兼ね備えた (?) 印籠、
印籠の表面に馬がビッシリ・・・なのに、
「根付は牛なのかよ!」 とツッコミたくなるパターンなど、
印象に残った印籠は多々ありましたが、
最も強く印象に残ったのは、幕府御用印籠師・山田常嘉 (六代) の 《比翼鳥蒔絵印籠》 という印籠。
完全に、すかいらーくでした。
1位を目指して、ランキングに挑戦中。
下のボタンをポチッと押して頂けると嬉しいです!
“サムライ・ダンディズム 刀と印籠 ─ 武士のこだわり” という展覧会。
武士が身に着ける2大オシャレアイテムにスポットを当てた展覧会です。
(注:館内の写真撮影は、特別に許可を得ております)
まず紹介されているのは、日本刀。
東京富士美術館が所蔵する名刀の数々が、展覧会の冒頭を飾ります。
東京富士美術館で日本刀といえば、3年前にも大規模な刀剣展が開催されていましたが。
刀身の美しさそのものにフォーカスした3年前の展覧会と違って、
今回の展覧会では、鞘や鍔、柄といった拵 (こしらえ) も併せて紹介されていました。
カモフラ柄っぽい下げ緒があったり。
メタリックなワインレッドの鞘があったり。
思いのほか、現代の感覚から見ても、十二分にオシャレなものでした。
確かに、ダンディズムでござる。
展覧会は、全4章で構成されていますが。
日本刀がフィーチャーされているのは、第1章のみ。
残りの3章で紹介されているのが、武士のもう一つのオシャレアイテム、印籠です。
今展に出展されている印籠の数は、なんと235点!(会期中入替あり)
東京富士美術館が所蔵する印籠だけでなく、
日本各地から名品とされる印籠の数々が集結しているのだそう。
江戸時代にその名を轟かせた印籠の名工による名品から、
明治工芸界のスーパースター柴田是真や白山松哉が制作した印籠まで。
担当学芸員さん曰く、おそらく質・量ともに過去最大規模の印籠が集まっているとのこと。
印籠ファンにとっては、まさに夢の競演。
印籠アベンジャーズ勢ぞろいです。
ところで、そもそも印籠とは、一体何なのでしょうか?
「印」 という字から、かつては印籠入れだったという説もあるそうですが。
江戸時代においては、薬入れ、つまりピルケースとして使われていたそうです。
その証拠となるのが、こちらの2つの印籠。
左の印籠の中からは、収納している薬のラベルが、
右の印籠の中からは、実際に薬そのものが、それぞれ発見されたのだそうです。
さて、薬を保存するということは、
空気が入り込まない密閉された容器でなければなりません。
なおかつ、性質上、すっと取り出し易くなくてもなりません。
つまり、1㎜の狂いもなく制作するという超絶技巧な職人技が必要となるのだそう。
さらに、オシャレな武士にとって、腰からぶら下げる印籠は、こだわるべきオシャレアイテム。
豪華絢爛な蒔絵の外装をオーダーメイドしたのだとか。
そのため、こんな小さなサイズにも関わらず、
印籠の完成までに、数か月から半年かかるのが通例だったそうです。
印籠が、そんなにも技術と贅を尽くしたものだったとは。
あの紋所が目に入らなくても、思わず 「ははぁ~」 となってしまいました。
そうそう。
紋所といえば、家紋がデザイン印籠もあるにはあるそうなのですが。
それは、全印籠のごくごく一部とのこと。
しかも、葵の御紋がドーンと配置されたあの感じではなく・・・
ルイ・ヴィトンのモノグラムのように、
オシャレに配置されているものがポピュラーだったそうです。
ルイ・ヴィトンのモノグラムが、日本の家紋をモチーフにしているのは有名な話ですが。
もしかしたら、デザイナーは、家紋がデザインされた印籠を目にしていたのかもしれませんね。
さてさて、今回出展されていた印籠の中で、
特に印象に残っている印籠の数々をご紹介いたしましょう。
まずは、幕府御用蒔絵師だった幸阿弥長孝による 《格子投蒔絵印籠》 から。
スタイリッシュで、普通に 「欲しい!」 と思いました。
バーバリーで売られていても、全く違和感ありません。
続いては、《松梅蒔絵印籠》。
表面に、高蒔絵で松と梅が表されています。
そして、印籠そのものは竹製。
松竹梅の揃い踏みです。
一般的な印籠と違って、側面がパッカーンと開くタイプ。
その中には、小さな引出5段が収められていました。
会場には超絶技巧の印籠が多く紹介されていましたが、その中でも屈指の超絶技巧ぶり。
超超絶技巧です。
超絶技巧といえば、富山地方に発達した漆工芸の一種で、
青貝に金銀の切り金を交えた精緻な細工、創始者の名を取って杣田細工も印象的でした。
真っ黒い画面に浮かび上がる赤や緑、青の光。
まるでチームラボの作品を観ているかのようでした。
そういう意味では、若い女性にも受けそうな印籠です。
他にも、なんとなく、とらやの紙袋を連想される印籠や、
地図がデザインされた実用性も兼ね備えた (?) 印籠、
印籠の表面に馬がビッシリ・・・なのに、
「根付は牛なのかよ!」 とツッコミたくなるパターンなど、
印象に残った印籠は多々ありましたが、
最も強く印象に残ったのは、幕府御用印籠師・山田常嘉 (六代) の 《比翼鳥蒔絵印籠》 という印籠。
完全に、すかいらーくでした。
1位を目指して、ランキングに挑戦中。
下のボタンをポチッと押して頂けると嬉しいです!