8月10日より長期休館が予定されている東京大学総合研究博物館。
その休館前ラストの特別展示として開催されているのは、「家畜」 をテーマにした展覧会です。
その名も、“家畜 ―愛で、育て、屠る―” 。
愛で、育て、屠る (ほふる)。
なんとも攻めた展覧会タイトルです。
どこか妖しげで、どこか艶めかしさすら感じるフレーズ。
壇蜜に声に出して読んでもらいたい日本語です (←?)。
と、そんな展覧会タイトルと同じくらいに、気になってしまったのが・・・
「展示監督作品」 という馴染みのないフレーズ。
展覧会ではなく、一つの作品ということなのでしょうか??
ちなみに、展示監督の遠藤秀紀教授は、動物の解剖のスペシャリストで、
あまりの熱血ぶりから、過去には 『クレイジージャーニー』 にも出演したこともあるのだそう。
この段階で、今回の展覧会が、普通の展示でないことを確信しました (笑)
さてさて、会場に入ってまず展示されていたのは、大量の頭蓋骨。
ゾウやキリン、サイやシカなどの頭蓋骨が床置きされていました。
しかし、これらの動物は、家畜ではありません。
遠藤教授曰く、家畜とは、「繁殖を人為的にコントロールされている動物集団」 とのこと。
参考として、鵜飼用の鵜の剥製も展示されていましたが。
鵜匠の方々は、野生の鵜を捕まえるものの、繁殖はさせないそう。
つまり、鵜は家畜ではないそうです。
それを踏まえた上で、冒頭での展示に戻りましょう。
実は、1つだけ家畜が紹介されていました。
正解は、右のテーブルの上に乗せられたブタです。
なお、左のテーブルの上に乗っているのは、ブタの祖先であるイノシシ。
人間が、イノシシを改良したことで、家畜であるブタが誕生したのです。
頭蓋骨を見比べてみると、その違いは歴然。
人間の手にかかると、生物はこんなにも大きく姿を変化させられてしまうのですね。
大きく姿を変えられたといえば、こちらの馬も。
(正確には、小さく姿を変えられたですが)
ファラベラという世界最小の品種の馬の剥製です。
手前に置かれているのは、一般的な馬の頭蓋骨。
大きさが全然違います。
ファラベラはあまりに小さいので、子どもを上に乗せるのがやっと。
基本的には、愛玩用として飼育されているそうです。
ちなみに、この2頭のファラベラは、
1979年に、アルゼンチン大統領から当時の皇太子に贈られたものとのこと。
黒いほうにはファルーチョ、茶色と白のほうにはガルーチョという名前が付けられており、
2014年と2015年に、それぞれ老衰のため、約35年という長い天寿を全うしたのだそうです。
そんな世界最小の馬に驚いたあとに、目の前に現れたのは・・・
巨大な牛!
しかも、特殊な品種ではなく、ホルスタインとのこと。
あれ?牧場で見かけるホルスタインは、ここまで大きくなかったような・・・。
遠近法のせい??
実は、こちらはホルスタインのオス。
牧場でよく目にするのは、ほぼ100%メスなのだそう。
高性能のメスを残すことに特化したオスは、
日本全国で、わずか約400頭ほどしか飼育されていないのだそうです。
対して、メスの数は約200万頭。
単純計算して、オス1頭につき、お相手となるメスは5000頭 (!)。
ホルスタインのオスは、馬車馬のように頑張っているのですね。
さてさて、ここまででも充分驚きの連発でしたが、
展覧会のラストに最大級のサプライズが待ち受けていました。
『king of 家畜』 ともいうべき、ニワトリが大集合。
その数、実に57品種171体。
圧巻を通り越して、軽く悪夢めいた光景でした (笑)
もはや展示というよりも、インスタレーション作品。
なるほど。「展示監督作品」 と銘打つのも納得です。
171体の中には、もちろん見慣れた姿形のタイプのニワトリもいましたが。
内田裕也を彷彿とさせるニワトリ (ポーリッシュ) や、
『ジュラシック・パーク』 に出てた気もする1m越えのニワトリ (インディオ・ギガンテ) 、
足元が天狗の団扇みたくなっているニワトリ (ブラマ) などなど、
初めて目にする奇妙なニワトリも多く含まれていました。
どうしてこのような品種改良をしたのでしょうか。
人間の家畜への探求心には、並々ならぬものがあるようです。
ちなみに、数々のニワトリの中で、
最もインパクトがあったのは、北ベトナムのニワトリ・ドンタオ。
足の太さが尋常ではありません。
そんなわけないだろうと思い、
何度見かしましたが、どうやら僕の見間違いではなかったようです。
「カモシカのような足」 の対義語は、「ドンタオのような足」 ですね。
最後に、もう一つインパクトがあった鳥の剥製をご紹介いたしましょう。
鴨を家畜化したのが、アヒル。
その中でも国内ではレアだというクレステッドという品種が展示されていました。
完全に、おばあちゃん。
語尾は間違いなく、「ざます」。
1位を目指して、ランキングに挑戦中。
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その休館前ラストの特別展示として開催されているのは、「家畜」 をテーマにした展覧会です。
その名も、“家畜 ―愛で、育て、屠る―” 。
愛で、育て、屠る (ほふる)。
なんとも攻めた展覧会タイトルです。
どこか妖しげで、どこか艶めかしさすら感じるフレーズ。
壇蜜に声に出して読んでもらいたい日本語です (←?)。
と、そんな展覧会タイトルと同じくらいに、気になってしまったのが・・・
「展示監督作品」 という馴染みのないフレーズ。
展覧会ではなく、一つの作品ということなのでしょうか??
ちなみに、展示監督の遠藤秀紀教授は、動物の解剖のスペシャリストで、
あまりの熱血ぶりから、過去には 『クレイジージャーニー』 にも出演したこともあるのだそう。
この段階で、今回の展覧会が、普通の展示でないことを確信しました (笑)
さてさて、会場に入ってまず展示されていたのは、大量の頭蓋骨。
ゾウやキリン、サイやシカなどの頭蓋骨が床置きされていました。
しかし、これらの動物は、家畜ではありません。
遠藤教授曰く、家畜とは、「繁殖を人為的にコントロールされている動物集団」 とのこと。
参考として、鵜飼用の鵜の剥製も展示されていましたが。
鵜匠の方々は、野生の鵜を捕まえるものの、繁殖はさせないそう。
つまり、鵜は家畜ではないそうです。
それを踏まえた上で、冒頭での展示に戻りましょう。
実は、1つだけ家畜が紹介されていました。
正解は、右のテーブルの上に乗せられたブタです。
なお、左のテーブルの上に乗っているのは、ブタの祖先であるイノシシ。
人間が、イノシシを改良したことで、家畜であるブタが誕生したのです。
頭蓋骨を見比べてみると、その違いは歴然。
人間の手にかかると、生物はこんなにも大きく姿を変化させられてしまうのですね。
大きく姿を変えられたといえば、こちらの馬も。
(正確には、小さく姿を変えられたですが)
ファラベラという世界最小の品種の馬の剥製です。
手前に置かれているのは、一般的な馬の頭蓋骨。
大きさが全然違います。
ファラベラはあまりに小さいので、子どもを上に乗せるのがやっと。
基本的には、愛玩用として飼育されているそうです。
ちなみに、この2頭のファラベラは、
1979年に、アルゼンチン大統領から当時の皇太子に贈られたものとのこと。
黒いほうにはファルーチョ、茶色と白のほうにはガルーチョという名前が付けられており、
2014年と2015年に、それぞれ老衰のため、約35年という長い天寿を全うしたのだそうです。
そんな世界最小の馬に驚いたあとに、目の前に現れたのは・・・
巨大な牛!
しかも、特殊な品種ではなく、ホルスタインとのこと。
あれ?牧場で見かけるホルスタインは、ここまで大きくなかったような・・・。
遠近法のせい??
実は、こちらはホルスタインのオス。
牧場でよく目にするのは、ほぼ100%メスなのだそう。
高性能のメスを残すことに特化したオスは、
日本全国で、わずか約400頭ほどしか飼育されていないのだそうです。
対して、メスの数は約200万頭。
単純計算して、オス1頭につき、お相手となるメスは5000頭 (!)。
ホルスタインのオスは、馬車馬のように頑張っているのですね。
さてさて、ここまででも充分驚きの連発でしたが、
展覧会のラストに最大級のサプライズが待ち受けていました。
『king of 家畜』 ともいうべき、ニワトリが大集合。
その数、実に57品種171体。
圧巻を通り越して、軽く悪夢めいた光景でした (笑)
もはや展示というよりも、インスタレーション作品。
なるほど。「展示監督作品」 と銘打つのも納得です。
171体の中には、もちろん見慣れた姿形のタイプのニワトリもいましたが。
内田裕也を彷彿とさせるニワトリ (ポーリッシュ) や、
『ジュラシック・パーク』 に出てた気もする1m越えのニワトリ (インディオ・ギガンテ) 、
足元が天狗の団扇みたくなっているニワトリ (ブラマ) などなど、
初めて目にする奇妙なニワトリも多く含まれていました。
どうしてこのような品種改良をしたのでしょうか。
人間の家畜への探求心には、並々ならぬものがあるようです。
ちなみに、数々のニワトリの中で、
最もインパクトがあったのは、北ベトナムのニワトリ・ドンタオ。
足の太さが尋常ではありません。
そんなわけないだろうと思い、
何度見かしましたが、どうやら僕の見間違いではなかったようです。
「カモシカのような足」 の対義語は、「ドンタオのような足」 ですね。
最後に、もう一つインパクトがあった鳥の剥製をご紹介いたしましょう。
鴨を家畜化したのが、アヒル。
その中でも国内ではレアだというクレステッドという品種が展示されていました。
完全に、おばあちゃん。
語尾は間違いなく、「ざます」。
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