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Channel: アートテラー・とに~の【ここにしかない美術室】
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みんなのレオ・レオーニ展

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東郷青児記念 損保ジャパン日本興亜美術館では、
現在、“みんなのレオ・レオーニ展” という展覧会が開催中。
こちらは、世界的な絵本作家レオ・レオーニにスポットを当てた展覧会です。


(注:館内の写真撮影は、特別に許可を得ております)


「レオ・レオーニって誰?? なんか野比のび太みたいな名前・・・」

という方でも、きっと人生で一度はレオ・レオーニの作品を目にしたことがあるはず。
例えば、国語の教科書でもお馴染みの 『スイミー』 。
また例えば、国語の教科書でもお馴染みの 『フレデリック』 や 『アレクサンダとぜんまいねずみ』。
これらの絵本の生みの親こそが、そう、レオ・レオーニなのです。

そんなレオ・レオーニの代表的な絵本の原画の数々が、今展のために来日中!
それらの中には、『フレデリック』 や、


「フレデリック」 1967年 水彩、パステル、コラージュ、紙 51×63.6cm
Frederick ©1967, renewed 1995 by Leo Lionni / Pantheon Works by Leo Lionni, On Loan By The Lionni Family



『アレクサンダとぜんまいねずみ』 の原画もあります。


「アレクサンダとぜんまいねずみ」 1969年 コラージュ、紙 51×63.6cm
Alexander and the Wind-up Mouse ©1969, renewed 1997 by Leo Lionni / Pantheon
Works by Leo Lionni, On Loan By The Lionni Family



「カワイイ♪」 と 「懐かしい!」。
2つの感情が同時に押し寄せてくること請け合いです。
また、展覧会の目玉は何と言っても、『スイミー』 の原画5点。


「スイミー」 1963年 水彩、モノタイプ 54.5×72.5cm スロバキア国立美術館
Swimmy ©1963 by Leo Lionni, renewed 1991/Pantheon On Loan By The Slovak National Gallery Works by Leo Lionni, On Loan By The Lionni Family



これらはスロバキア国立美術館が所蔵する貴重な原画です。
全日本人が待望だった奇跡の初来日を果たしています!
会場では、これらの原画が絵本のものと併せる形で展示されていました。
さて、その両者を見比べてみると・・・・・





あれっ??なんか微妙に違うような。。。
退色したせいなのか。はたまた、気のせいか。
と思いきや、今回の展覧会に合わせて調査したところ、
こちらの原画と絵本のイラストはそっくりだけど、同一のものではないことが判明したそうです。
とは言え、“なーんだ。本物じゃないんだ・・・” とガッカリはしないでくださいませ。
なぜ、レオーニが絵本のイラストとそっくりなこの原画を描いたのか?
なぜ、スロバキア国立美術館に所蔵されているのか?
謎はいろいろ残りますが、『スイミー』 の原画として現存しているのは、この5点のみ。
貴重であることには変わりないのです。


ちなみに、個人的に印象的だったのは、『平行植物』。
レオーニが生み出した架空の植物たちを、
学術書の体裁であたかも実在しているかのように書いた書籍です。
会場には、そんな架空の植物をモチーフにした絵画や、珍しい立体作品も紹介されていました。




その中でも特に印象に残っているのが、《緑の木》《赤い木》 の2点です。




真っ黒な画面に、くっきりとした緑。
真っ黒な画面に、くっきりとした赤。
思わずチェルシーのパッケージを連想してしまいました。
また、ひまわりをモチーフにした架空の植物が3点ほど紹介されています。




これらのレオ・レオーニ流ひまわりを観てから、
東郷青児記念 損保ジャパン日本興亜美術館のマスターピース、
常設されているゴッホの 《ひまわり》 を観ると、また感慨深いものがありました。


さてさて、今回の展覧会では他にも、
絵本作家としてのレオ・レオーニだけでなく、画家としてのレオ・レオーニや、




グラフィック・デザイナーとしてのレオ・レオーニの仕事など、




あまり日本では知られていない、レオ・レオーニのマルチぶりにもスポットが当てられています。
その中でも特に印象的だったのは、《想像肖像》 シリーズ。




モデルを直接写生して描いたわけでなく、
その名の通り、想像しながら描いた肖像画シリーズです。
モデルが実在するものもあれば、架空の人物もあるのだそう。
なお、レオーニは、なんと10年もこのシリーズの製作に没頭していたのだとか。
その間に、《想像肖像》 を約300点も描いたのだそうです。
一体何が楽しくて、そもそも、何がしたくて、
こんな奇妙な絵画を約300点も制作したのでしょうか。
そんなレオーニの不思議な生き様自体が、まるで一冊の絵本であるかのようです。
星星


ちなみに、今回の展覧会で楽しめるのは、レオーニの作品だけではありません。
アートユニットplaplaxによるレオーニの作品をモチーフにした体験型作品や、




実際に手に取って絵本を読むことができるコーナーなども充実しています。




さらに充実していたのが、お土産コーナーです。
普段のミュージアムショップで、レオ・レオーニグッズが展開されていたのはもちろんのこと。




1階にも特設ショップが爆誕していました!




トートバッグやポーチ、マグカップなど、
多種多様な展覧会オリジナルグッズが販売されています。
展覧会場であんなにも童心に返っていた人たちが、
ミュージアムショップでは、カゴを片手に大人買いしているのが印象的でした。
子どもになったり大人になったり、大忙しです。


 ┃会期:2019年7月13日(土)~9月29日(日)
 ┃会場:東郷青児記念 損保ジャパン日本興亜美術館
 ┃
https://www.asahi.com/event/leolionni/




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