この夏、東京国立博物館では、
日中文化交流協定締結40周年を記念した特別展 “三国志” が開催中です。
展覧会のキーワードとなるのは、“リアル三国志”。
実は、映画やマンガなどで僕らがよく知る三国志は、
中国の明の時代に書かれた小説 『三国志演義』 を元にしたもの。
フィクションであるため、当然、史実とはいろいろと異なる部分があります。
今回の展覧会でスポットが当てられているのは、
2~3世紀の中国の歴史書である 『三国志』 のほう。
漢王朝が衰退し、魏・蜀・呉の三国が覇権を争った三国志の時代を、
中国の国宝にあたる一級文物を多く含む貴重な歴史資料約160件で振り返ろうというものです。
・・・・・とはいっても、物語としての三国志ファンの方もご安心を。
会場には、NHKの 『人形劇 三国志』 で実際に使用された人形や、
横山光輝による漫画 『三国志』 の原画の数々も展示されています。
画期的だったのは、これらの日本人に馴染み深い 『三国志』 作品を、
展示の一部として紹介するのではなく、会場の随所に登場させていたこと。
歴史資料だけではイメージがしにくい三国志の世界ですが、
こうしたビジュアルがあることで、ぐっとイメージしやすいものになっています。
史実とフィクションが、まさに水魚の交わりのごとく密接に結びついていました。
この演出は、実に素晴らしい策!
今回の特別展 “三国志” のスタッフには、諸葛孔明的な人物がいるようです。
ちなみに。
特別展 “三国志” には、さらに画期的で大胆な策が講じられていました。
それは・・・・・
なんと会場内全作品撮影OKという策!
昨今、現代アート系の展覧会では、
会場内全作品撮影OKというのは、珍しくなくなってきましたが。
ここまで大規模な歴史系の展覧会での会場内全作品撮影OKというのは、他に記憶ありません。
おそらく初めての試みなのではないでしょうか?
なんとなく、シティボーイズのきたろうさんに似ている犬の俑 (=人形) や、
なんとなく、自民党の石破茂さんに似ている人面文瓦など、気になるものを撮るもよし。
赤壁の戦いをイメージした映える展示室を撮るもよし。
冒頭からラストまで、アトラクション感覚で楽しめる展覧会となっていました。
三国志ファンはもちろんのこと、
これを機に 『三国志』 を知ってみたいという方にもオススメの展覧会です。
ちなみに、そんな特別展 “三国志” の白眉ともいえるのが、
2009年に三国志研究最大の発見として大きな話題となった墓室の再現。
三国志の奸雄として知られる曹操の墓室を実物大で再現したものです。
ピラミッドや日本の古墳などに比べると、お世辞にも豪華とは思えませんでしたが。
なんでも、曹操は 「墓は質素にするように」 と遺言で命じていたのだそう。
曹操高陵が発見されたことで、その史実が、まさしく証明された形になったのです。
なお、その再現された墓室の中心には、これまた質素な白磁の壺が置かれていました。
罐 白磁 後漢~三国時代(魏)・3世紀 2008年~2009年、河南省安陽市曹操高陵出土 河南省文物考古研究院蔵
こちらの白磁は再現ではなく、実物。
曹操高陵で出土し、初来日を果たした貴重な白磁です。
さてさて、これまで白磁は6世紀後半に出現したとされていたそうなのですが。
曹操高陵は3世紀のもの。
そこから出土したとなると、白磁誕生の歴史が大きく遡ることになります。
見た目は質素ですが、実はやきもの史におけるもっとも貴重な白磁なのです。
最後に。
展覧会で、どうしても気になってしまったことを。
それは、音声ガイドに関して。
今回の音声ガイドは、全2種類ありました。
一つは、ゲーム 『真・三國無双』 シリーズの4人の武将による音声ガイド。
そして、もう一種類の音声ガイドを担当するのは、
日本に三国志を根付かせたあの小説家の吉川英治・・・・・
と見せかけて (←?) 吉川晃司さんでした。
中国史に精通し、曹操高陵を訪ねた経験もあるとの理由で抜擢されたそうですが。
吉川英治と吉川晃司。
なんとなく名前が似ているから選ばれたのではないかと、僕は予想しています (笑)
ちなみに、そんな吉川晃司ver.の音声ガイドでは、
執拗なほどに、“吉川英治” というフレーズが登場します。
「すぐ言う~!」 状態。
吉川晃司に、何度も “吉川英治” と言わせる。
これもきっと策士のしわざ。
┃会期:2019年7月9日(火)〜9月16日(月・祝)
┃会場:東京国立博物館 平成館
┃https://sangokushi2019.exhibit.jp/
~読者の皆様へのプレゼント~
こちらの “特別展 三国志” の無料鑑賞券を、5組10名様にプレゼントいたします。
住所・氏名・電話番号を添えて、以下のメールフォームより応募くださいませ。
https://ws.formzu.net/fgen/S98375463/
なお、〆切は、7月25日です。当選は発送をもって代えさせていただきます。
1位を目指して、ランキングに挑戦中。
下のボタンをポチッと押して頂けると嬉しいです!
日中文化交流協定締結40周年を記念した特別展 “三国志” が開催中です。
展覧会のキーワードとなるのは、“リアル三国志”。
実は、映画やマンガなどで僕らがよく知る三国志は、
中国の明の時代に書かれた小説 『三国志演義』 を元にしたもの。
フィクションであるため、当然、史実とはいろいろと異なる部分があります。
今回の展覧会でスポットが当てられているのは、
2~3世紀の中国の歴史書である 『三国志』 のほう。
漢王朝が衰退し、魏・蜀・呉の三国が覇権を争った三国志の時代を、
中国の国宝にあたる一級文物を多く含む貴重な歴史資料約160件で振り返ろうというものです。
・・・・・とはいっても、物語としての三国志ファンの方もご安心を。
会場には、NHKの 『人形劇 三国志』 で実際に使用された人形や、
横山光輝による漫画 『三国志』 の原画の数々も展示されています。
画期的だったのは、これらの日本人に馴染み深い 『三国志』 作品を、
展示の一部として紹介するのではなく、会場の随所に登場させていたこと。
歴史資料だけではイメージがしにくい三国志の世界ですが、
こうしたビジュアルがあることで、ぐっとイメージしやすいものになっています。
史実とフィクションが、まさに水魚の交わりのごとく密接に結びついていました。
この演出は、実に素晴らしい策!
今回の特別展 “三国志” のスタッフには、諸葛孔明的な人物がいるようです。
ちなみに。
特別展 “三国志” には、さらに画期的で大胆な策が講じられていました。
それは・・・・・
なんと会場内全作品撮影OKという策!
昨今、現代アート系の展覧会では、
会場内全作品撮影OKというのは、珍しくなくなってきましたが。
ここまで大規模な歴史系の展覧会での会場内全作品撮影OKというのは、他に記憶ありません。
おそらく初めての試みなのではないでしょうか?
なんとなく、シティボーイズのきたろうさんに似ている犬の俑 (=人形) や、
なんとなく、自民党の石破茂さんに似ている人面文瓦など、気になるものを撮るもよし。
赤壁の戦いをイメージした映える展示室を撮るもよし。
冒頭からラストまで、アトラクション感覚で楽しめる展覧会となっていました。
三国志ファンはもちろんのこと、
これを機に 『三国志』 を知ってみたいという方にもオススメの展覧会です。
ちなみに、そんな特別展 “三国志” の白眉ともいえるのが、
2009年に三国志研究最大の発見として大きな話題となった墓室の再現。
三国志の奸雄として知られる曹操の墓室を実物大で再現したものです。
ピラミッドや日本の古墳などに比べると、お世辞にも豪華とは思えませんでしたが。
なんでも、曹操は 「墓は質素にするように」 と遺言で命じていたのだそう。
曹操高陵が発見されたことで、その史実が、まさしく証明された形になったのです。
なお、その再現された墓室の中心には、これまた質素な白磁の壺が置かれていました。
罐 白磁 後漢~三国時代(魏)・3世紀 2008年~2009年、河南省安陽市曹操高陵出土 河南省文物考古研究院蔵
こちらの白磁は再現ではなく、実物。
曹操高陵で出土し、初来日を果たした貴重な白磁です。
さてさて、これまで白磁は6世紀後半に出現したとされていたそうなのですが。
曹操高陵は3世紀のもの。
そこから出土したとなると、白磁誕生の歴史が大きく遡ることになります。
見た目は質素ですが、実はやきもの史におけるもっとも貴重な白磁なのです。
最後に。
展覧会で、どうしても気になってしまったことを。
それは、音声ガイドに関して。
今回の音声ガイドは、全2種類ありました。
一つは、ゲーム 『真・三國無双』 シリーズの4人の武将による音声ガイド。
そして、もう一種類の音声ガイドを担当するのは、
日本に三国志を根付かせたあの小説家の吉川英治・・・・・
と見せかけて (←?) 吉川晃司さんでした。
中国史に精通し、曹操高陵を訪ねた経験もあるとの理由で抜擢されたそうですが。
吉川英治と吉川晃司。
なんとなく名前が似ているから選ばれたのではないかと、僕は予想しています (笑)
ちなみに、そんな吉川晃司ver.の音声ガイドでは、
執拗なほどに、“吉川英治” というフレーズが登場します。
「すぐ言う~!」 状態。
吉川晃司に、何度も “吉川英治” と言わせる。
これもきっと策士のしわざ。
┃会期:2019年7月9日(火)〜9月16日(月・祝)
┃会場:東京国立博物館 平成館
┃https://sangokushi2019.exhibit.jp/
~読者の皆様へのプレゼント~
こちらの “特別展 三国志” の無料鑑賞券を、5組10名様にプレゼントいたします。
住所・氏名・電話番号を添えて、以下のメールフォームより応募くださいませ。
https://ws.formzu.net/fgen/S98375463/
なお、〆切は、7月25日です。当選は発送をもって代えさせていただきます。
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