新元号 『令和』 ゆかりの地として話題の大宰府。
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その太宰府天満宮に隣接する長いトンネルを抜けると・・・
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そこには異様に大きな建物がありました。
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こちらは、九州国立博物館。
東京、京都、奈良に次いで、実に108年ぶりに新設された国内4番目の国立博物館です。
ちなみに、日本にある国立博物館の中では最大級とのこと。
建物の内部は、博物館というよりも、まるで空港のロビーのようでした。
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さて、そんな九州国立博物館にて、
令和一発目に開催されているのは、“室町将軍 戦乱と美の足利十五代” という特別展。
室町の文化や美術を紹介する展覧会はこれまでにもありましたが、
こちらは、足利尊氏から15代続いた 「室町将軍」 にスポットを当てた日本初となる展覧会です。
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徳川15代将軍に比べて、圧倒的に知名度が低い室町将軍。
くわえて、人気度も低い室町将軍。
そんな地味なメンバー (?) の展覧会だけに、
「歴史に興味ないんで、パス!」 と思っている方も多いかもしれません。
そういう方にこそ、是非観て頂きたいYouTube動画があります。
こちらは、なんと展覧会公式のYouTube動画(笑)
この動画を見て、室町将軍にちょっと興味が湧いてきたのではないでしょうか?
ちなみに、展覧会の入り口付近にも、
室町15代将軍をわかりやすく楽しく紹介したパネルが設置されています。
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これらの動画やパネルのおかげで、なんとなく将軍15人が身近な印象に。
どんな人物なのか、もっと深く知りたくなったのはないでしょうか?
展覧会では、そんな歴代の室町将軍にゆかりのある一級の文化財が数多く出展されています。
その数、国宝14件、重要文化財71件を含む134件。
質、量ともにボリューム満点の内容です。
会場の冒頭を飾るのは、もちろんこの人。
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重要文化財 《騎馬武者像》 南北朝時代・14世紀 京都国立博物館
(注:展示期間は7/13~8/11)
初代将軍、足利尊氏です。
・・・・・・・が、僕が教科書で慣れ親しんだこのクワマンみたいな人物は、足利尊氏ではないそう。
(現在の研究では、尊氏の側近であった高師直、もしくはその子である師詮とする説が有力とのこと)
その左隣に、真の足利尊氏像が展示されていました。
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広島県指定文化財 《足利尊氏像》 南北朝~室町時代・14~15世紀 広島・浄土寺
・・・・・あ、どうもはじめまして。
意外と、こざっぱりした方だったのですね。
なお、尊氏は大宰府を訪れていたことがあるのだそう。
その証拠となる書状も併せて展示されていました。
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(注:館内の写真撮影は、特別に許可を得ております)
自分が今展覧会を観ているちょうどこの場所に、
かつて足利尊氏も訪れていたのだと思うと感慨深いものがありました。
と、このように書状や日記といった歴史資料も多く展示されていましたが、
同じくらいに、東山文化に関わりの深い絵画や茶道具の名品も多く展示されています。
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そういう意味では、歴史がお好きな方だけでなく、
美術がお好きな方にも、オススメしたい展覧会です。
特に日本美術ファンにオススメなのが・・・
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将軍が実際に眺めていたであろう座敷飾りの再現展示。
飾り棚はさすがにレプリカですが、
中に飾ってあるものは、すべて本物です。
この豪華な再現展示を目にすることができただけでも、九州に足を運んだ甲斐がありました。
![星]()
![星]()
展覧会は巡回の予定なし。
九州圏以外の方は、夏休み、帰省や旅行を兼ねて訪れてみるのはいかがでしょうか?
さて、もう一つ見逃せないのが、足利尊氏が創建し、
将軍家菩提所となった京都の等持院に伝わる歴代足利将軍の彫像13軀です。
寺外で一挙公開されるのは、初めてとのこと。
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将軍がズラリと並ぶ様は、圧巻も圧巻!
圧迫面接よりも、圧迫感がありました (←?)。
特にインパクトが強かったのは、三代・義満の坐像。
足利義満というと、坊主でガチャピン並みにタレ目な人物という印象でしたが。
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重要文化財 伝飛鳥井雅縁和歌賛 《足利義満像》 室町時代・15世紀 京都・鹿苑寺
(注:展示期間は、8/6~9/1)
坐像ver.の義満は、『アウトレイジ』 の登場人物くらいのコワモテぶり。
あご髭とほほ髭が、ポインセチアみたいな感じに生えていました。
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《足利義満坐像》 室町時代・15~16世紀 京都・等持院
そんな威厳ある将軍たちに交じって、
ただ一人愛らしい存在だったのは、七代・義勝です。
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わずか9歳で将軍に就任し、10歳でこの世を去った短命の足利将軍なのだそう。
近づいてよく見ると、えくぼもありました。
こんないたいけな子が将軍だったなんて。
思わず、「いい子いい子」 と頭を撫でてあげたくなります。
そうそう、今回の展覧会を通じて、
僕の中での 『好きな足利将軍ランキング』 は、七代・義勝が急上昇しましたが。
反対に、ランキングダウンしたのが、十一代・義澄です。
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画面手前に見えるのは、《足利義澄願文》。
義澄が石清水八幡宮に奉納した自筆の願文です。
全部で5つの願意が書かれているのですが、
その筆頭にあるのが、いとこであり前将軍でもある義材の死去。
つまり、呪いです。
そして、5番目に書かれていた願意は、無病息災。
いとこを呪いながら、ちゃっかり自分の健康もお祈りする。
何て野郎だ!
ちなみに、この呪いは不発に終わった模様。
義澄は将軍職を追われ、義材が名を義稙と改め、カムバックを果たしたのです。
呪い、ダメ。ゼッタイ。
1位を目指して、ランキングに挑戦中。
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その太宰府天満宮に隣接する長いトンネルを抜けると・・・


そこには異様に大きな建物がありました。

こちらは、九州国立博物館。
東京、京都、奈良に次いで、実に108年ぶりに新設された国内4番目の国立博物館です。
ちなみに、日本にある国立博物館の中では最大級とのこと。
建物の内部は、博物館というよりも、まるで空港のロビーのようでした。

さて、そんな九州国立博物館にて、
令和一発目に開催されているのは、“室町将軍 戦乱と美の足利十五代” という特別展。
室町の文化や美術を紹介する展覧会はこれまでにもありましたが、
こちらは、足利尊氏から15代続いた 「室町将軍」 にスポットを当てた日本初となる展覧会です。

徳川15代将軍に比べて、圧倒的に知名度が低い室町将軍。
くわえて、人気度も低い室町将軍。
そんな地味なメンバー (?) の展覧会だけに、
「歴史に興味ないんで、パス!」 と思っている方も多いかもしれません。
そういう方にこそ、是非観て頂きたいYouTube動画があります。
こちらは、なんと展覧会公式のYouTube動画(笑)
この動画を見て、室町将軍にちょっと興味が湧いてきたのではないでしょうか?
ちなみに、展覧会の入り口付近にも、
室町15代将軍をわかりやすく楽しく紹介したパネルが設置されています。


これらの動画やパネルのおかげで、なんとなく将軍15人が身近な印象に。
どんな人物なのか、もっと深く知りたくなったのはないでしょうか?
展覧会では、そんな歴代の室町将軍にゆかりのある一級の文化財が数多く出展されています。
その数、国宝14件、重要文化財71件を含む134件。
質、量ともにボリューム満点の内容です。
会場の冒頭を飾るのは、もちろんこの人。

重要文化財 《騎馬武者像》 南北朝時代・14世紀 京都国立博物館
(注:展示期間は7/13~8/11)
初代将軍、足利尊氏です。
・・・・・・・が、僕が教科書で慣れ親しんだこのクワマンみたいな人物は、足利尊氏ではないそう。
(現在の研究では、尊氏の側近であった高師直、もしくはその子である師詮とする説が有力とのこと)
その左隣に、真の足利尊氏像が展示されていました。

広島県指定文化財 《足利尊氏像》 南北朝~室町時代・14~15世紀 広島・浄土寺
・・・・・あ、どうもはじめまして。
意外と、こざっぱりした方だったのですね。
なお、尊氏は大宰府を訪れていたことがあるのだそう。
その証拠となる書状も併せて展示されていました。

(注:館内の写真撮影は、特別に許可を得ております)
自分が今展覧会を観ているちょうどこの場所に、
かつて足利尊氏も訪れていたのだと思うと感慨深いものがありました。
と、このように書状や日記といった歴史資料も多く展示されていましたが、
同じくらいに、東山文化に関わりの深い絵画や茶道具の名品も多く展示されています。

そういう意味では、歴史がお好きな方だけでなく、
美術がお好きな方にも、オススメしたい展覧会です。
特に日本美術ファンにオススメなのが・・・

将軍が実際に眺めていたであろう座敷飾りの再現展示。
飾り棚はさすがにレプリカですが、
中に飾ってあるものは、すべて本物です。
この豪華な再現展示を目にすることができただけでも、九州に足を運んだ甲斐がありました。


展覧会は巡回の予定なし。
九州圏以外の方は、夏休み、帰省や旅行を兼ねて訪れてみるのはいかがでしょうか?
さて、もう一つ見逃せないのが、足利尊氏が創建し、
将軍家菩提所となった京都の等持院に伝わる歴代足利将軍の彫像13軀です。
寺外で一挙公開されるのは、初めてとのこと。


将軍がズラリと並ぶ様は、圧巻も圧巻!
圧迫面接よりも、圧迫感がありました (←?)。
特にインパクトが強かったのは、三代・義満の坐像。
足利義満というと、坊主でガチャピン並みにタレ目な人物という印象でしたが。

重要文化財 伝飛鳥井雅縁和歌賛 《足利義満像》 室町時代・15世紀 京都・鹿苑寺
(注:展示期間は、8/6~9/1)
坐像ver.の義満は、『アウトレイジ』 の登場人物くらいのコワモテぶり。
あご髭とほほ髭が、ポインセチアみたいな感じに生えていました。

《足利義満坐像》 室町時代・15~16世紀 京都・等持院
そんな威厳ある将軍たちに交じって、
ただ一人愛らしい存在だったのは、七代・義勝です。

わずか9歳で将軍に就任し、10歳でこの世を去った短命の足利将軍なのだそう。
近づいてよく見ると、えくぼもありました。
こんないたいけな子が将軍だったなんて。
思わず、「いい子いい子」 と頭を撫でてあげたくなります。
そうそう、今回の展覧会を通じて、
僕の中での 『好きな足利将軍ランキング』 は、七代・義勝が急上昇しましたが。
反対に、ランキングダウンしたのが、十一代・義澄です。

画面手前に見えるのは、《足利義澄願文》。
義澄が石清水八幡宮に奉納した自筆の願文です。
全部で5つの願意が書かれているのですが、
その筆頭にあるのが、いとこであり前将軍でもある義材の死去。
つまり、呪いです。
そして、5番目に書かれていた願意は、無病息災。
いとこを呪いながら、ちゃっかり自分の健康もお祈りする。
何て野郎だ!
ちなみに、この呪いは不発に終わった模様。
義澄は将軍職を追われ、義材が名を義稙と改め、カムバックを果たしたのです。
呪い、ダメ。ゼッタイ。
1位を目指して、ランキングに挑戦中。
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