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Channel: アートテラー・とに~の【ここにしかない美術室】
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素晴らしきミュージアムショップの世界 商品番号126

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注:この記事には一部グロテスクな表現が含まれています

皆さまは覚えているだろうか。
昨年、一人の男がコオロギとの不毛な戦いを繰り広げたことを。
(参考→素晴らしきミュージアムショップの世界 商品番号120

そして、その男は、今宵も後悔している。
何故、再びこんなものを買ってしまったのだろうか、と。




遡ること、半日前。
男は、六本木の21_21 DESIGN SIGHTで開催中の展覧会、
“虫展 −デザインのお手本−” を見終え、お土産コーナーを物色している。
すると、ある商品に思わず目が留まった。
その時、男の頭に瞬時に過ったのは、昨年の悪夢。

“あんな想いはもう二度としたくない!”

・・・・・・・そう思ったはずなのに、
気づけば、その商品をレジで購入していた。
あぁ、これが芸人の性。アートテラーの性。

そんなわけで、今、男の目の前には、スーパーコオロギおつまみ (¥345) がある。




前回食べたのは、スナックであったが、今回のはおつまみ。
大人向けの商品である。
パッケージの上部にも、「OTONA NO OYATSU」 と記載されていた。




お土産コーナーには、他にカレー味も販売されていたが、男が購入したのは、ピザ味。
なお、調べてみると、さらにガーリック味とワサビ味も存在していることが判明した。
コオロギをいろんな味で楽しみたい。
一体どんな大人たちに、そんな需要があるのだろうか。

それはさておき、早速、開封してみる。
すると、中から大量のコオロギがこんばんは。




しかも、すべて干からびている。
その衝撃的なビジュアルに、男は思わず息を呑んだ。
・・・・・そもそも、これは食べ物なのだろうか。




記事のために食べなくては!
そう頭で理解しているものの、無意識的な何かが反応しているのであろう。
男はコオロギ (ピザ味)を、なかなか口に運ぶことが出来ない。
ただ、このままコオロギ (ピザ味) を手に持ち続けているのも、それはそれで辛いものがある。
悩んだ挙句、手にしたコオロギ (ピザ味) を食べてみることにした。




“・・・・・おや?”

男は、思った。
意外とマズくないぞ。
決して美味しくはないが、食べられなくはない。
キツネにつままれたような気分で、おそるおそる2匹目を食べてみる。
食感こそゾリゾリしているが、確かに味はピザ。
マルゲリータピザの焦げ目を食べているような感じである。

かくして、男はコオロギを克服した。
大人への階段を一つ登ったのである。


めでたしめでたし・・・・・・・と話を結びたいところであるが。
実は、男はもう一つ商品を購入していた。




その名も、幼虫ミックス (¥1180)。
このパッケージの中に、ミールワーム、スーパーワーム、
サゴワーム、カイコの4種類がミックスされているのだそうだ。




むしろ、こちらのほうが今宵の最大の敵である。
さて、男はかれこれ10分ほど、パッケージを見つめている。
ある意味で、「開けたら最後」。
なかなかその踏ん切りがつかずにいたが、意を決して開封してみた。
すると、中から出てきたのは・・・




在りし日の姿がきちんと想像できるくらいに原形が残った大量の虫たち。
それらが、およそ食品を入れるとは思えない小袋、
怪しげな粉を入れるための小袋 (←?) にギッシリと詰められている。




ひとまず、お皿に開けてみるが、
だからといって現状は何も変わらない。
食べる気がしない。
食べれる奴の気が知れない。




ミルワームを手に取り、震えが止まらない男。
その震えは絶望感からくるものだろうか。
はたまた、ノリで購入した過去の自分に対する怒りからくるものだろうか。
何はともあれ、男が震えるたびに、ふるふると動くミルワーム。
まるで生きているかのようで、気持ちが悪さが倍増する。
そんな姿を見るくらいなら、と、勇気を振り絞って口にした。
ええいままよ!




男は、ミルワームの味をこう表現した。
「食感は、ポスポスしてました。
 一口目はほぼ無味無臭なんですが、食べ続けると妙なクセが現れます・・・。
 その味に近いものを強いて挙げるとするなら、
 ローファーの甲の部分に付いているボンボンでしょうか。
 ・・・・・いや、ローファーの甲の部分に付いているボンボンを食べたことはないですが」

さらに男曰く、スーパーワームとカイコは、





「10年くらい賞味期限が切れたいかり豆のような味」 が。
見た目はヒジキみたいなサゴワームは、




「えぐ味というえぐ味を凝縮させた味」 がするのだそう。
どうやら幼虫ミックスは、男の口に合わなかったようだ。

そして、男は口直しとして、
無意識のうちにピザ味のコオロギをポリポリと食べていた。
慣れとは、恐ろしい。




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