この秋、三井記念美術館では、
“茶の湯の名碗「高麗茶碗」” という展覧会が開催中。
(注:館内の写真撮影は、特別に許可を得ております)
こちらは、和物茶碗の上に位置づけられるものとして、
茶の湯の世界で古くより珍重されてきた 「高麗茶碗」 にスポットを当てた展覧会で、
名品と名高い 「高麗茶碗」 の数々が、日本全国より大集結しているものです。
出展数は、実に約120点。
その中には、重要文化財に指定されている高麗茶碗や、
個人蔵のため、これまで一般公開されることがなかった貴重な高麗茶碗も。
いうなれば、高麗茶碗のアベンジャーズ状態!
茶道具好きならば、絶対に見逃せない展覧会です。
さてさて、高麗茶碗とは、その名の通り、高麗つまり朝鮮半島で焼かれた茶碗です。
今回の展覧会では、そんな高麗茶碗を大きく2つに分けて紹介しています。
まず紹介されていたのは、『茶の湯が見立てた高麗茶碗』。
喫茶が中国から日本に伝わった当初は、唐物つまり中国の茶碗が主流でしたが、
時が経ち、侘茶の時代になると、唐物茶碗に替わって、素朴で大らかな作風の高麗茶碗がブームに。
茶人たちは、こぞって高麗茶碗を欲しがるようになります。
《大井戸茶碗 上林井戸》 16世紀 三井記念美術館蔵
とは言え、これらの高麗茶碗は、もともと茶道具として制作されたものではありません。
名もなき職人が普段使い用の器として作った、いわゆる雑器です。
そこに美を見出しのが、日本の茶人たち。
それらの雑器を、茶道具として見立てて使用したのです。
当時の朝鮮の人々の目には、雑器を有難がる日本人がさぞかし不思議に映ったことでしょう。
続いて紹介されていたのは、『日本向けに焼かれた茶の湯の茶碗』。
高麗茶碗の中には、普段使いの器とは、やや毛色の違うものが一定数あるのだそうです。
例えば、こちらの 《彫三島茶碗》。
《彫三島茶碗》 16〜17世紀 三井記念美術館蔵
パッと見の渋さは、他の高麗茶碗と変わりませんが。
幾何学的な紋様が彫り込まれていたり、
花型のスタンプが施されていたりと、朝鮮の伝統から離れた斬新なスタイルで制作されています。
おそらく、当時の日本の茶の湯のトレンドに合わせて制作された茶碗とのこと。
日本人が朝鮮に特別オーダーした茶碗もあったでしょうし、
「これなら日本人が欲しがるゾ」 と思って、朝鮮の人が制作した茶碗もあったのでしょう。
何はともあれ、日本向けに作られている分、どちらかといえば、
こちらで紹介されている高麗茶碗のほうが、自分の好みにあうものが多かった気がします。
ちなみに、今回出展されていた中で、
個人的に惹かれたのは、《粉引茶碗 三好粉引》 です。
【重要文化財】《粉引茶碗 三好粉引》 16世紀 三井記念美術館蔵
こちらは、かつて三好長慶や豊臣秀吉が所持していた茶碗で、
「津田粉引」「松平粉引」 と並んで、粉引茶碗の代表作とされているものなのだとか。
表面の黒い紋様は、釉薬が掛からなかった部分で、「火間」 と呼ばれているそうです。
高麗茶碗という目で見ると、渋いものに感じられますが、
先入観なしで観たら、火間がロシアアヴァンギャルドの抽象絵画のようにも感じられました。
もしくは、北欧デザインのようにも。
意外と、カフェオレボウルとしても使えそうな気がします。
また、《伊羅保片身替茶碗 銘両国》 も印象的な一碗でした。
《伊羅保片身替茶碗 銘両国》 16~17世紀 個人蔵
片身替とは、茶碗の景色が半分ずつ異なるように作られているものを指すそうです。
確かに、この茶碗も左右で表情が全く違います。
2つの茶碗を半分に割って、それを繋ぎ合わせたかのような。
いい意味で、違和感を覚えました。
「両国」 という銘が付けられていましたが、
僕が連想したのは、某ロボットアニメの敵キャラかものまね四天王のあの人。
僕だったら、「銘阿修羅」 。
もしくは、「銘清水」 と名付けたでしょう (←?)。
さてさて、他にもお気に入りの高麗茶碗はありましたが、キリが無いのでこの辺で。
展覧会を通じて何よりも感じたのは、
この当時、日本と朝鮮が相思相愛な関係性であったということ。
両国の関係が妙にギスギスしている今だからこそ、
高麗茶碗を愛でて、気持ちを一服させたいところです。
┃会期:2019年9月14日(土)~12月1日(日)
┃会場:三井記念美術館
┃http://www.mitsui-museum.jp/index.html
~読者の皆様へのプレゼント~
こちらの “高麗茶碗展” の無料鑑賞券を、5組10名様にプレゼントいたします。
住所・氏名・電話番号を添えて、以下のメールフォームより応募くださいませ。
https://ws.formzu.net/fgen/S98375463/
なお、〆切は、10月15日です。当選は発送をもって代えさせていただきます。
1位を目指して、ランキングに挑戦中。
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“茶の湯の名碗「高麗茶碗」” という展覧会が開催中。
(注:館内の写真撮影は、特別に許可を得ております)
こちらは、和物茶碗の上に位置づけられるものとして、
茶の湯の世界で古くより珍重されてきた 「高麗茶碗」 にスポットを当てた展覧会で、
名品と名高い 「高麗茶碗」 の数々が、日本全国より大集結しているものです。
出展数は、実に約120点。
その中には、重要文化財に指定されている高麗茶碗や、
個人蔵のため、これまで一般公開されることがなかった貴重な高麗茶碗も。
いうなれば、高麗茶碗のアベンジャーズ状態!
茶道具好きならば、絶対に見逃せない展覧会です。
さてさて、高麗茶碗とは、その名の通り、高麗つまり朝鮮半島で焼かれた茶碗です。
今回の展覧会では、そんな高麗茶碗を大きく2つに分けて紹介しています。
まず紹介されていたのは、『茶の湯が見立てた高麗茶碗』。
喫茶が中国から日本に伝わった当初は、唐物つまり中国の茶碗が主流でしたが、
時が経ち、侘茶の時代になると、唐物茶碗に替わって、素朴で大らかな作風の高麗茶碗がブームに。
茶人たちは、こぞって高麗茶碗を欲しがるようになります。
《大井戸茶碗 上林井戸》 16世紀 三井記念美術館蔵
とは言え、これらの高麗茶碗は、もともと茶道具として制作されたものではありません。
名もなき職人が普段使い用の器として作った、いわゆる雑器です。
そこに美を見出しのが、日本の茶人たち。
それらの雑器を、茶道具として見立てて使用したのです。
当時の朝鮮の人々の目には、雑器を有難がる日本人がさぞかし不思議に映ったことでしょう。
続いて紹介されていたのは、『日本向けに焼かれた茶の湯の茶碗』。
高麗茶碗の中には、普段使いの器とは、やや毛色の違うものが一定数あるのだそうです。
例えば、こちらの 《彫三島茶碗》。
《彫三島茶碗》 16〜17世紀 三井記念美術館蔵
パッと見の渋さは、他の高麗茶碗と変わりませんが。
幾何学的な紋様が彫り込まれていたり、
花型のスタンプが施されていたりと、朝鮮の伝統から離れた斬新なスタイルで制作されています。
おそらく、当時の日本の茶の湯のトレンドに合わせて制作された茶碗とのこと。
日本人が朝鮮に特別オーダーした茶碗もあったでしょうし、
「これなら日本人が欲しがるゾ」 と思って、朝鮮の人が制作した茶碗もあったのでしょう。
何はともあれ、日本向けに作られている分、どちらかといえば、
こちらで紹介されている高麗茶碗のほうが、自分の好みにあうものが多かった気がします。
ちなみに、今回出展されていた中で、
個人的に惹かれたのは、《粉引茶碗 三好粉引》 です。
【重要文化財】《粉引茶碗 三好粉引》 16世紀 三井記念美術館蔵
こちらは、かつて三好長慶や豊臣秀吉が所持していた茶碗で、
「津田粉引」「松平粉引」 と並んで、粉引茶碗の代表作とされているものなのだとか。
表面の黒い紋様は、釉薬が掛からなかった部分で、「火間」 と呼ばれているそうです。
高麗茶碗という目で見ると、渋いものに感じられますが、
先入観なしで観たら、火間がロシアアヴァンギャルドの抽象絵画のようにも感じられました。
もしくは、北欧デザインのようにも。
意外と、カフェオレボウルとしても使えそうな気がします。
また、《伊羅保片身替茶碗 銘両国》 も印象的な一碗でした。
《伊羅保片身替茶碗 銘両国》 16~17世紀 個人蔵
片身替とは、茶碗の景色が半分ずつ異なるように作られているものを指すそうです。
確かに、この茶碗も左右で表情が全く違います。
2つの茶碗を半分に割って、それを繋ぎ合わせたかのような。
いい意味で、違和感を覚えました。
「両国」 という銘が付けられていましたが、
僕が連想したのは、某ロボットアニメの敵キャラかものまね四天王のあの人。
僕だったら、「銘阿修羅」 。
もしくは、「銘清水」 と名付けたでしょう (←?)。
さてさて、他にもお気に入りの高麗茶碗はありましたが、キリが無いのでこの辺で。
展覧会を通じて何よりも感じたのは、
この当時、日本と朝鮮が相思相愛な関係性であったということ。
両国の関係が妙にギスギスしている今だからこそ、
高麗茶碗を愛でて、気持ちを一服させたいところです。
┃会期:2019年9月14日(土)~12月1日(日)
┃会場:三井記念美術館
┃http://www.mitsui-museum.jp/index.html
~読者の皆様へのプレゼント~
こちらの “高麗茶碗展” の無料鑑賞券を、5組10名様にプレゼントいたします。
住所・氏名・電話番号を添えて、以下のメールフォームより応募くださいませ。
https://ws.formzu.net/fgen/S98375463/
なお、〆切は、10月15日です。当選は発送をもって代えさせていただきます。
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