この秋、国立新美術館で開催されているのは、“カルティエ、時の結晶” という展覧会。
2009年以来10年ぶり、日本では4回目となるカルティエの展覧会です。
(注:館内の写真撮影は、特別に許可を得ております。会場は一部撮影可)
今回のカルティエ展は史上初の試みとして、
1970年代以降、つまり現代のカルティエの作品にフォーカスが当てられています。
(もちろん、歴史ある作品も展示されています)
なお、出展作品は、実に300点 。
総額おいくら万円なのでしょう??
と、それはさておき、出展作品のうちのほぼ半数が・・・
《ブレスレット》 カルティエ、2014年
ゴールド、ダイヤモンド、オニキス、エメラルド 個人蔵 Vincent Wulveryck © Cartier
《ネックレス》 カルティエ、2018年
ゴールド、ダイヤモンド、エメラルド、スピネル、ガーネット、ターコイズ、オニキス 個人蔵 Vincent Wulveryck © Cartier
個人コレクターの所蔵品とのこと。
この機会を逃すと、二度とお目にかかれない作品ばかりです。
さてさて、今回のカルティエ展の最大の特徴は何と言っても、
現代美術家の杉本博司さんが、建築家の榊⽥倫之とともに立ち上げた建築設計事務所、
新素材研究所が、その会場デザインを担当しているということ。
当然、よくあるジュエリーの展覧会とは、一線も二線も画しています。
繊維会社川島織物セルコンに特別に制作させた布を天井が吊るされていたり、
宇都宮市の特産品である大谷石を飾り台として大胆に用いられていたり、
これまでに観たことがない、でも、奇を衒ったわけでない展示空間が次々に現れます。
まさに、会場全体が一つのインスタレーション作品といった印象でした。
また、会場デザインだけでなく、
展示ケース内にも、杉本さん流の様々なこだわりが。
例えば、カルティエの作品の魅力を引き立てるべく、
屋久杉や光学ガラスといった展示ケースでは一般的に使われない素材をあえて使用しています。
また、ネックレスを飾るトルソーには、
神代欅や屋久杉など、長い樹齢を誇る貴重な古木を使用。
しかも、一つ一つ仏師が丹精に彫り上げた特注品なのだそうです。
さらに、章と章の幕間のような空間では、
杉本さんによるカルティエの作品と日本の古美術の取り合わせた展示も。
国や時代、素材やジャンルは違えども、
一流品同士は、響き合うものがあるのでしょう。
不思議なほどに、違和感なく競演していました。
特に印象深かったのは、《「2本のフェーン(シダ)の葉」ブローチ》 と、
《「2本のフェーン(シダ)の葉」ブローチ》 カルティエ パリ、1903年
プラチナ、ダイヤモンド カルティエ コレクション Nils Herrmann, Cartier Collection © Cartier
《春日曼荼羅》 との組み合わせ。
一見しただけでは、特に何も関係がないように思えましたが、
よく見ると、《春日曼荼羅》 に描かれている榊 (サカキ) が、
《「2本のフェーン(シダ)の葉」ブローチ》 の形と似ています。
こうした見立てに、思わずニヤリとさせられました。
“ジュエリーには興味がなくて・・・” とか、
“カルティエには縁がないから・・・” とか、
そういう理由で、展覧会をスルーしようとしていた方もいらっしゃるかもしれませんが。
現代アート好き、日本美術好きな方にも、自信を持ってオススメできる展覧会です。
ちなみに、個人的には、男ゆえ、
ジュエリーよりも、時計のほうに興味を引かれました。
中でも、カルティエが生み出した奇跡の時計 「ミステリークロック」 に目が釘付け。
《大型の「ポルティコ」ミステリークロック》 カルティエ パリ、1923年
ゴールド、プラチナ、ロッククリスタル、ダイヤモンド、コーラル、オニキス、ブラックエナメル
カルティエ コレクション Marian Gérard, Cartier Collection © Cartier
時計の針が、宙に浮いているように見える摩訶不思議な時計です。
そのトリック (?) を考案したのは、
なんとジャン・ウジューヌ・ロベール=ウーダンとのこと。
「近代マジックの父」 と讃えられる伝説のマジシャンです。
会場で来場者全員に配られるデバイスの中で、
ミステリークロックの仕組みについての種明かしはありましたが。
理屈がわかった上でじっくり見てみても、
やはりミステリークロックはミステリアスなままでした。
最後に。
今展では、さまざまなタイプのジュエリーが紹介されていましたが、
意外にも、パンテール (豹) や虎をモチーフにしたものが数多くありました。
現代アート好き、日本美術好きな方だけでなく、
大阪のマダムたちにも、自自信を持ってオススメできる展覧会です。
1位を目指して、ランキングに挑戦中。
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2009年以来10年ぶり、日本では4回目となるカルティエの展覧会です。
(注:館内の写真撮影は、特別に許可を得ております。会場は一部撮影可)
今回のカルティエ展は史上初の試みとして、
1970年代以降、つまり現代のカルティエの作品にフォーカスが当てられています。
(もちろん、歴史ある作品も展示されています)
なお、出展作品は、実に300点 。
総額おいくら万円なのでしょう??
と、それはさておき、出展作品のうちのほぼ半数が・・・
《ブレスレット》 カルティエ、2014年
ゴールド、ダイヤモンド、オニキス、エメラルド 個人蔵 Vincent Wulveryck © Cartier
《ネックレス》 カルティエ、2018年
ゴールド、ダイヤモンド、エメラルド、スピネル、ガーネット、ターコイズ、オニキス 個人蔵 Vincent Wulveryck © Cartier
個人コレクターの所蔵品とのこと。
この機会を逃すと、二度とお目にかかれない作品ばかりです。
さてさて、今回のカルティエ展の最大の特徴は何と言っても、
現代美術家の杉本博司さんが、建築家の榊⽥倫之とともに立ち上げた建築設計事務所、
新素材研究所が、その会場デザインを担当しているということ。
当然、よくあるジュエリーの展覧会とは、一線も二線も画しています。
繊維会社川島織物セルコンに特別に制作させた布を天井が吊るされていたり、
宇都宮市の特産品である大谷石を飾り台として大胆に用いられていたり、
これまでに観たことがない、でも、奇を衒ったわけでない展示空間が次々に現れます。
まさに、会場全体が一つのインスタレーション作品といった印象でした。
また、会場デザインだけでなく、
展示ケース内にも、杉本さん流の様々なこだわりが。
例えば、カルティエの作品の魅力を引き立てるべく、
屋久杉や光学ガラスといった展示ケースでは一般的に使われない素材をあえて使用しています。
また、ネックレスを飾るトルソーには、
神代欅や屋久杉など、長い樹齢を誇る貴重な古木を使用。
しかも、一つ一つ仏師が丹精に彫り上げた特注品なのだそうです。
さらに、章と章の幕間のような空間では、
杉本さんによるカルティエの作品と日本の古美術の取り合わせた展示も。
国や時代、素材やジャンルは違えども、
一流品同士は、響き合うものがあるのでしょう。
不思議なほどに、違和感なく競演していました。
特に印象深かったのは、《「2本のフェーン(シダ)の葉」ブローチ》 と、
《「2本のフェーン(シダ)の葉」ブローチ》 カルティエ パリ、1903年
プラチナ、ダイヤモンド カルティエ コレクション Nils Herrmann, Cartier Collection © Cartier
《春日曼荼羅》 との組み合わせ。
一見しただけでは、特に何も関係がないように思えましたが、
よく見ると、《春日曼荼羅》 に描かれている榊 (サカキ) が、
《「2本のフェーン(シダ)の葉」ブローチ》 の形と似ています。
こうした見立てに、思わずニヤリとさせられました。
“ジュエリーには興味がなくて・・・” とか、
“カルティエには縁がないから・・・” とか、
そういう理由で、展覧会をスルーしようとしていた方もいらっしゃるかもしれませんが。
現代アート好き、日本美術好きな方にも、自信を持ってオススメできる展覧会です。
ちなみに、個人的には、男ゆえ、
ジュエリーよりも、時計のほうに興味を引かれました。
中でも、カルティエが生み出した奇跡の時計 「ミステリークロック」 に目が釘付け。
《大型の「ポルティコ」ミステリークロック》 カルティエ パリ、1923年
ゴールド、プラチナ、ロッククリスタル、ダイヤモンド、コーラル、オニキス、ブラックエナメル
カルティエ コレクション Marian Gérard, Cartier Collection © Cartier
時計の針が、宙に浮いているように見える摩訶不思議な時計です。
そのトリック (?) を考案したのは、
なんとジャン・ウジューヌ・ロベール=ウーダンとのこと。
「近代マジックの父」 と讃えられる伝説のマジシャンです。
会場で来場者全員に配られるデバイスの中で、
ミステリークロックの仕組みについての種明かしはありましたが。
理屈がわかった上でじっくり見てみても、
やはりミステリークロックはミステリアスなままでした。
最後に。
今展では、さまざまなタイプのジュエリーが紹介されていましたが、
意外にも、パンテール (豹) や虎をモチーフにしたものが数多くありました。
現代アート好き、日本美術好きな方だけでなく、
大阪のマダムたちにも、自自信を持ってオススメできる展覧会です。
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