現在、世界で唯一、家名がそのまま国名となっている一族。
それが、リヒテンシュタイン侯爵家。
「美しい美術品を集めることにこそお金を使うべき」
というカール・オイゼンビウス侯の家訓を守り、
リヒテンシュタイン侯爵家は代々、500年もの長きに渡って美術品を蒐集し続けています。
その数、なんと3万点 (!)。
これは、英国王室に次ぐ世界最大規模の個人コレクションなのだとか。
そんなリヒテンシュタイン侯爵家秘蔵の名品のうち約130点を紹介する展覧会が、
“ヨーロッパの宝石箱 リヒテンシュタイン侯爵家の至宝” が開幕しました。
普段公開されていない名品の数々が観られる貴重な機会です。
Bunkamuraザ・ミュージアムにて、ほぼ休みなく開催されています (休館日は、10/15、11/12、12/3のみ)。
(注:館内の写真撮影は、特別に許可を得ております。)
展覧会は、全部で7章仕立て。
侯爵家にまつわる人々の肖像画にはじまり、
ルネサンスやバロックの宗教画の名品が揃うコーナーや、
花をモチーフにした作品が集められたコーナーなど、
リヒテンシュタイン侯爵家ご自慢の名品が、ジャンルごとに紹介されています。
その中でもとりわけ印象的だったのは、
“西洋と東洋の出会い” が感じられる磁器を紹介する第4章です。
中央の展示ケース内の磁器にご注目。
パッと見は、西洋風の磁器に思えますが。
実は、これらの磁器は・・・
景徳鎮窯 《染付花鳥文金具付壺》
金属装飾:イグナーツ・ヨーゼフ・ヴュルト 磁器:青の下絵付、順治~康煕年間(1644-1723) 金具:鍍金されたブロンズ 1775/1785年
所蔵:リヒテンシュタイン侯爵家コレクション、ファドゥーツ=ウィーン © LIECHTENSTEIN. The Princely Collections,Vaduz-Vienna
当時、金と等価とされるほど高価だった東洋の磁器を、
さらにゴージャスにするために、金具をカスタムしたものです。
さすが侯爵家。
庶民とは考えることが違います。
庶民とは発想が違うといえば、こちらの 「トランブルーズ」 も。
普通のソーサーと違って、ガードのようなものが取り付けられています。
このトランブルーズが作られるようになった当時、ホットチョコレートが大流行していたのだそう。
それも、朝目覚めた時に飲む習慣があったそうです。
ところが、普通のカップとソーサーでは、
チョコをベッドやシーツにこぼしてしまうかもしれません。
そこで、揺れを防止するためのガードが付いたトランブルーズが誕生したのです。
・・・・・・・・・・だったら、ベッドから出て、飲めばいいじゃん!
そう思ってしまうのが庶民。
自分のライフスタイルに合わせた磁器を作らせてしまうのが侯爵家なのでしょう。
さてさて、ヤン・ブリューゲル(父) やルーカス・クラーナハ(父)、
グイド・レーニをはじめ、著名な画家の作品も、もちろん取り揃えられていましたが。
個人的に今回一番感銘を受けたのは、こちらの風景画を描いた画家。
ウィーン生まれのフェルディナント・ゲオルク・ヴァルトミュラーです。
フェルディナント・ゲオルク・ヴァルトミュラー 《イシュル近くのヒュッテンエック高原からのハルシュタット湖の眺望》 1840年、油彩・板
所蔵:リヒテンシュタイン侯爵家コレクション、ファドゥーツ/ウィーン © LIECHTENSTEIN. The Princely Collections,Vaduz-Vienna
名前を覚えられる気はまったくしないので、きっと3日後には忘れているでしょうが (笑)
小品ながらも、自然の雄大さをしっかりと感じる。
その唯一無二な作風は、確かに胸に刻み込まれました。
久しぶりに、いつまでも観ていたいと素直に思える作品に出会った気がします。
ちなみに、展覧会ポスターに使われている花の絵も、
フェルディ・・・ナントかという画家による作品です (←もう忘れた)
フェルディナント・ゲオルク・ヴァルトミュラー 《磁器の花瓶の花、燭台、銀器》 1839年、油彩・板
所蔵:リヒテンシュタイン侯爵家コレクション、ファドゥーツ/ウィーン © LIECHTENSTEIN. The Princely Collections,Vaduz-Vienna
花びらの質感、布の質感、磁器や金属の質感。
鑞や大理石、宝石の質感にいたるまで、すべてがパーフェクトです。
こちらもまた、いつまでも観ていたくなる作品でした。
それから、僕には決してそういう趣味はないですが、
ヨーゼフ・ノイゲバウアーによる肖像画も、いつまでも観ていたくなる作品でした。
描かれているのは、リヒテンシュタイン侯フランツ1世。
8歳の時の肖像画だそうです。
まさに、絵に描いたような美少年。
「YOU、事務所入っちゃいなよ!」 と思わず声をかけたくなる作品です。
最後に、印象に残った画家をもう一人。
画面右の 《花と果物の静物とカケス》 を描いた人物です。
通称ビンビ。
その本名は、バルトロメオ・デル・ビンボだそうです。
何だその微妙な通称は!
ビンビでもビンボでも、どっちでもいいわ!
もはや絵そっちのけで、そこばかりが気になって仕方がありませんでした。
┃会期:2019年10月12日(土)~12月23日(月・祝)
┃会場:Bunkamura ザ・ミュージアム
┃https://www.bunkamura.co.jp/museum/exhibition/19_liechtenstein/
~読者の皆様へのプレゼント~
こちらの “リヒテンシュタイン侯爵家展” の無料鑑賞券を、5組10名様にプレゼントいたします。
住所・氏名・電話番号を添えて、以下のメールフォームより応募くださいませ。
https://ws.formzu.net/fgen/S98375463/
なお、〆切は、10月25日です。当選は発送をもって代えさせていただきます。
1位を目指して、ランキングに挑戦中。
下のボタンをポチッと押して頂けると嬉しいです!
それが、リヒテンシュタイン侯爵家。
「美しい美術品を集めることにこそお金を使うべき」
というカール・オイゼンビウス侯の家訓を守り、
リヒテンシュタイン侯爵家は代々、500年もの長きに渡って美術品を蒐集し続けています。
その数、なんと3万点 (!)。
これは、英国王室に次ぐ世界最大規模の個人コレクションなのだとか。
そんなリヒテンシュタイン侯爵家秘蔵の名品のうち約130点を紹介する展覧会が、
“ヨーロッパの宝石箱 リヒテンシュタイン侯爵家の至宝” が開幕しました。
普段公開されていない名品の数々が観られる貴重な機会です。
Bunkamuraザ・ミュージアムにて、ほぼ休みなく開催されています (休館日は、10/15、11/12、12/3のみ)。
(注:館内の写真撮影は、特別に許可を得ております。)
展覧会は、全部で7章仕立て。
侯爵家にまつわる人々の肖像画にはじまり、
ルネサンスやバロックの宗教画の名品が揃うコーナーや、
花をモチーフにした作品が集められたコーナーなど、
リヒテンシュタイン侯爵家ご自慢の名品が、ジャンルごとに紹介されています。
その中でもとりわけ印象的だったのは、
“西洋と東洋の出会い” が感じられる磁器を紹介する第4章です。
中央の展示ケース内の磁器にご注目。
パッと見は、西洋風の磁器に思えますが。
実は、これらの磁器は・・・
景徳鎮窯 《染付花鳥文金具付壺》
金属装飾:イグナーツ・ヨーゼフ・ヴュルト 磁器:青の下絵付、順治~康煕年間(1644-1723) 金具:鍍金されたブロンズ 1775/1785年
所蔵:リヒテンシュタイン侯爵家コレクション、ファドゥーツ=ウィーン © LIECHTENSTEIN. The Princely Collections,Vaduz-Vienna
当時、金と等価とされるほど高価だった東洋の磁器を、
さらにゴージャスにするために、金具をカスタムしたものです。
さすが侯爵家。
庶民とは考えることが違います。
庶民とは発想が違うといえば、こちらの 「トランブルーズ」 も。
普通のソーサーと違って、ガードのようなものが取り付けられています。
このトランブルーズが作られるようになった当時、ホットチョコレートが大流行していたのだそう。
それも、朝目覚めた時に飲む習慣があったそうです。
ところが、普通のカップとソーサーでは、
チョコをベッドやシーツにこぼしてしまうかもしれません。
そこで、揺れを防止するためのガードが付いたトランブルーズが誕生したのです。
・・・・・・・・・・だったら、ベッドから出て、飲めばいいじゃん!
そう思ってしまうのが庶民。
自分のライフスタイルに合わせた磁器を作らせてしまうのが侯爵家なのでしょう。
さてさて、ヤン・ブリューゲル(父) やルーカス・クラーナハ(父)、
グイド・レーニをはじめ、著名な画家の作品も、もちろん取り揃えられていましたが。
個人的に今回一番感銘を受けたのは、こちらの風景画を描いた画家。
ウィーン生まれのフェルディナント・ゲオルク・ヴァルトミュラーです。
フェルディナント・ゲオルク・ヴァルトミュラー 《イシュル近くのヒュッテンエック高原からのハルシュタット湖の眺望》 1840年、油彩・板
所蔵:リヒテンシュタイン侯爵家コレクション、ファドゥーツ/ウィーン © LIECHTENSTEIN. The Princely Collections,Vaduz-Vienna
名前を覚えられる気はまったくしないので、きっと3日後には忘れているでしょうが (笑)
小品ながらも、自然の雄大さをしっかりと感じる。
その唯一無二な作風は、確かに胸に刻み込まれました。
久しぶりに、いつまでも観ていたいと素直に思える作品に出会った気がします。
ちなみに、展覧会ポスターに使われている花の絵も、
フェルディ・・・ナントかという画家による作品です (←もう忘れた)
フェルディナント・ゲオルク・ヴァルトミュラー 《磁器の花瓶の花、燭台、銀器》 1839年、油彩・板
所蔵:リヒテンシュタイン侯爵家コレクション、ファドゥーツ/ウィーン © LIECHTENSTEIN. The Princely Collections,Vaduz-Vienna
花びらの質感、布の質感、磁器や金属の質感。
鑞や大理石、宝石の質感にいたるまで、すべてがパーフェクトです。
こちらもまた、いつまでも観ていたくなる作品でした。
それから、僕には決してそういう趣味はないですが、
ヨーゼフ・ノイゲバウアーによる肖像画も、いつまでも観ていたくなる作品でした。
描かれているのは、リヒテンシュタイン侯フランツ1世。
8歳の時の肖像画だそうです。
まさに、絵に描いたような美少年。
「YOU、事務所入っちゃいなよ!」 と思わず声をかけたくなる作品です。
最後に、印象に残った画家をもう一人。
画面右の 《花と果物の静物とカケス》 を描いた人物です。
通称ビンビ。
その本名は、バルトロメオ・デル・ビンボだそうです。
何だその微妙な通称は!
ビンビでもビンボでも、どっちでもいいわ!
もはや絵そっちのけで、そこばかりが気になって仕方がありませんでした。
┃会期:2019年10月12日(土)~12月23日(月・祝)
┃会場:Bunkamura ザ・ミュージアム
┃https://www.bunkamura.co.jp/museum/exhibition/19_liechtenstein/
~読者の皆様へのプレゼント~
こちらの “リヒテンシュタイン侯爵家展” の無料鑑賞券を、5組10名様にプレゼントいたします。
住所・氏名・電話番号を添えて、以下のメールフォームより応募くださいませ。
https://ws.formzu.net/fgen/S98375463/
なお、〆切は、10月25日です。当選は発送をもって代えさせていただきます。
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