この秋、東京国立近代美術館でスタートしたのは、
“窓展:窓をめぐるアートと建築の旅” という展覧会です。
(注:館内の写真撮影は、特別に許可を得ております。)
展覧会のテーマは、ズバリ 「窓」。
YKK AP株式会社が設立した一般財団法人 窓研究所と、
東京国立近代美術館とがタッグを組んで実現した展覧会です。
会場では、アンリ・マティスの絵画作品を筆頭に、
アンリ・マティス 《待つ》 1921-22年 愛知県美術館
デュシャンやリキテンシュタインといった20世紀美術の巨匠の作品や、
さらには、ル・コルビュジエやルイス・カーンら世界的建築家が描いた窓のスケッチなど、
ピーター・アイゼンマン 《住宅第4号》(コネチカット州フォールズ・ビレッジ)アクソノメトリック図
1970-71年頃 インク・紙 61 x 61 cm カナダ建築センター
© CCA Peter Eisenman fonds Collection Centre Canadien d'Architecture/ Canadian Centre for Architecture, Montréal
アートや建築におけるさまざまな窓が紹介されています。
一口に 「窓」 といっても、そのタイプは多種多様。
採光や換気のための一般的な窓もあれば、
ショッピングのためのウインドウ、
さらには、パソコン画面のウインドウもあります。
中には、「こころの窓を開くアート」 やら 「窓はスクリーン」 やら、
比喩がすぎるものもあり、“それも窓??” と惑 (まど) ってしまうことも、ままありましたが。
これまでにない新鮮な切り口ではあるので、
全体的には、“次にどんな作品が紹介されるのだろう?!” と楽しめました。
終始ワクワクする展覧会でした。窓だけに。
今回出展されている作品は、58作家による117点。
その中で個人的に印象に残っている作品をいくつかご紹介いたします。
まずは、《8枚のガラス》。
「ドイツ最高峰の画家」 と称されるゲルハルト・リヒターの珍しい立体作品です。
ゲルハルト・リヒター 《8枚のガラス》
約35%は鏡のように像を映し、65%は向こう側が透けて見える。
そんな特殊なガラス8枚が、ランダムな角度で設置されています。
それだけといえばそれだけの実にシンプルな作品なのですが。
これまでに見たことない不思議な光景が目の前に広がり、
しばらくの間、飽きることなくボーっと眺めていられました。
作品の反対側に誰かがいてくれると、より楽しくなります。
普段は、同じ展示室にいる見知らぬオジサンなんて気にも留めませんが (←?)。
《8枚のガラス》 越しに眺めると、ちょっとだけ素敵に感じられました。
世界がちょっとだけ素敵に見える作品です。
続いて紹介したいのは、スイス出身のローマン・シグネールの 《よろい戸》。
ローマン・シグネール 《よろい戸》 ©Roman Signer
木造の構造物の中央に観音開きの戸があります。
その後ろ側には扇風機が1台あり、
それが起動すると、当然風の力で戸が開きます。
すると、今度は手前の2台の扇風機が起動します。
ローマン・シグネール 《よろい戸》 ©Roman Signer
そして、戸はパタンと閉まります。
・・・・・・が延々と繰り返すだけの作品です。
次に何が起こるのか、わかってはいるのに、
戸が開いたり、閉じたりするたびに、思わずニヤッとさせられます。
まるでベテランのトリオ芸を見ているかのよう。
段々と、この3台の扇風機が、ダチョウ倶楽部に見えてきました。
陳劭雄 (チェン・シャオション)、ギムホンソック、小沢剛さんによるアートユニット
「西京人」 による 《第3章:ようこそ西京に―西京入国管理局》 は、今展でも最も要注意な作品。
西京人 (小沢剛、チェン・シャオション、ギムホンソック) 《第3章:ようこそ西京に―西京入国管理局》
こちらは、「西京国」 という架空の国の空港の入国管理局をモチーフにした作品です。
来場者が、西京国に入国するためには、
つまり、その先の展示室に進むには、とある行為を係員に披露しなければいけません。
何故、美術館でこんな無茶ぶりを要求されなくちゃならないのか?!
最強に、この場から逃げ出したくなりました。
ちなみに、《第3章:ようこそ西京に~》 も、かなり大がかりなインスタレーション作品でしたが。
それ以上に大きいのが、美術館の前庭に出現中のこちらの作品。
藤本壮介 《窓に住む家/窓のない家》
気鋭の建築家・藤本壮介さんによる 《窓に住む家/窓のない家》 です。
この展覧会のためのアート作品かと思いきや、
実際に藤本さんが大分に設計した 「House N」 という住宅のコンセプトモデルなのだそう。
こんなスカスカ (スケスケ?) な家が、現実にあるのですね。
ここまでオープンだと、住んでいる人よりも、
むしろ周りに住んでいる人のほうが、気になってしまうような。
見ているこちらが恥ずかしくなってしまうパターンです。
1位を目指して、ランキングに挑戦中。
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“窓展:窓をめぐるアートと建築の旅” という展覧会です。
(注:館内の写真撮影は、特別に許可を得ております。)
展覧会のテーマは、ズバリ 「窓」。
YKK AP株式会社が設立した一般財団法人 窓研究所と、
東京国立近代美術館とがタッグを組んで実現した展覧会です。
会場では、アンリ・マティスの絵画作品を筆頭に、
アンリ・マティス 《待つ》 1921-22年 愛知県美術館
デュシャンやリキテンシュタインといった20世紀美術の巨匠の作品や、
さらには、ル・コルビュジエやルイス・カーンら世界的建築家が描いた窓のスケッチなど、
ピーター・アイゼンマン 《住宅第4号》(コネチカット州フォールズ・ビレッジ)アクソノメトリック図
1970-71年頃 インク・紙 61 x 61 cm カナダ建築センター
© CCA Peter Eisenman fonds Collection Centre Canadien d'Architecture/ Canadian Centre for Architecture, Montréal
アートや建築におけるさまざまな窓が紹介されています。
一口に 「窓」 といっても、そのタイプは多種多様。
採光や換気のための一般的な窓もあれば、
ショッピングのためのウインドウ、
さらには、パソコン画面のウインドウもあります。
中には、「こころの窓を開くアート」 やら 「窓はスクリーン」 やら、
比喩がすぎるものもあり、“それも窓??” と惑 (まど) ってしまうことも、ままありましたが。
これまでにない新鮮な切り口ではあるので、
全体的には、“次にどんな作品が紹介されるのだろう?!” と楽しめました。
終始ワクワクする展覧会でした。窓だけに。
今回出展されている作品は、58作家による117点。
その中で個人的に印象に残っている作品をいくつかご紹介いたします。
まずは、《8枚のガラス》。
「ドイツ最高峰の画家」 と称されるゲルハルト・リヒターの珍しい立体作品です。
ゲルハルト・リヒター 《8枚のガラス》
約35%は鏡のように像を映し、65%は向こう側が透けて見える。
そんな特殊なガラス8枚が、ランダムな角度で設置されています。
それだけといえばそれだけの実にシンプルな作品なのですが。
これまでに見たことない不思議な光景が目の前に広がり、
しばらくの間、飽きることなくボーっと眺めていられました。
作品の反対側に誰かがいてくれると、より楽しくなります。
普段は、同じ展示室にいる見知らぬオジサンなんて気にも留めませんが (←?)。
《8枚のガラス》 越しに眺めると、ちょっとだけ素敵に感じられました。
世界がちょっとだけ素敵に見える作品です。
続いて紹介したいのは、スイス出身のローマン・シグネールの 《よろい戸》。
ローマン・シグネール 《よろい戸》 ©Roman Signer
木造の構造物の中央に観音開きの戸があります。
その後ろ側には扇風機が1台あり、
それが起動すると、当然風の力で戸が開きます。
すると、今度は手前の2台の扇風機が起動します。
ローマン・シグネール 《よろい戸》 ©Roman Signer
そして、戸はパタンと閉まります。
・・・・・・が延々と繰り返すだけの作品です。
次に何が起こるのか、わかってはいるのに、
戸が開いたり、閉じたりするたびに、思わずニヤッとさせられます。
まるでベテランのトリオ芸を見ているかのよう。
段々と、この3台の扇風機が、ダチョウ倶楽部に見えてきました。
陳劭雄 (チェン・シャオション)、ギムホンソック、小沢剛さんによるアートユニット
「西京人」 による 《第3章:ようこそ西京に―西京入国管理局》 は、今展でも最も要注意な作品。
西京人 (小沢剛、チェン・シャオション、ギムホンソック) 《第3章:ようこそ西京に―西京入国管理局》
こちらは、「西京国」 という架空の国の空港の入国管理局をモチーフにした作品です。
来場者が、西京国に入国するためには、
つまり、その先の展示室に進むには、とある行為を係員に披露しなければいけません。
何故、美術館でこんな無茶ぶりを要求されなくちゃならないのか?!
最強に、この場から逃げ出したくなりました。
ちなみに、《第3章:ようこそ西京に~》 も、かなり大がかりなインスタレーション作品でしたが。
それ以上に大きいのが、美術館の前庭に出現中のこちらの作品。
藤本壮介 《窓に住む家/窓のない家》
気鋭の建築家・藤本壮介さんによる 《窓に住む家/窓のない家》 です。
この展覧会のためのアート作品かと思いきや、
実際に藤本さんが大分に設計した 「House N」 という住宅のコンセプトモデルなのだそう。
こんなスカスカ (スケスケ?) な家が、現実にあるのですね。
ここまでオープンだと、住んでいる人よりも、
むしろ周りに住んでいる人のほうが、気になってしまうような。
見ているこちらが恥ずかしくなってしまうパターンです。
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