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Channel: アートテラー・とに~の【ここにしかない美術室】
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新・無料で観れる 美術百選 《桂浜公園(高知県高知市)》

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先日、高知県を訪れました。
訪問のメインは国宝でしたが、
やはり高知県に来たからには、あの彫刻作品は目にしておきたいところ。
日本人なら誰もが知るであろう有名な彫刻作品。
そう、坂本龍馬像です。


写真や映像などでは何度も目にしていますが、
実際の坂本龍馬像は、一体どんな感じなのでしょう?!
高知県に着く前から、かなりワクワクしていました。

で、いざ高知龍馬空港へと到着。
すると、そこにいきなり坂本龍馬像が現れました。




さらにもう一つ、フルカラーの坂本龍馬像もありました。




また、JR高知駅前でも坂本龍馬像に出逢いました。




さすがに、多すぎぜよ (笑)


もうこの時点で、坂本龍馬像に関しては、
正直なところ、十分お腹いっぱいになってしまいましたが。
気持ちを今一度、洗濯し、JR高知駅から30分ほどバスに乗って、桂浜へと向かいます。
そして、念願の坂本龍馬像と対面を果たしました!






新・無料で観れる 美術百選 093  本山白雲 《坂本龍馬像》

実物と対面したその率直な第一印象は、「台座、でかっ!」 でした。
その高さは、実に8m。
一般的なビルで言えば、3階建てほどの大きさです。
高知の人は、こんなにも龍馬を仰ぎ見ているのですね。




とはいえ、願いが叶うならば、もっと間近で目にしたいもの。
そんな僕のリクエストに答えるかのように、なんと奇跡的に、
期間限定で龍馬と同じ目線で観賞するための足場が組まれていました!




ということで、ここからは無料ではないですが、
特別に100円支払って、坂本龍馬像に接近してみることに。




足場は、仮設感がハンパありません。
歩くたびに、ミシッギシッと音がしました。
高所恐怖症の僕には、かなりの試練でしたが、
坂本龍馬と同じ目線に立つために、勇気を振り絞って足場を登り切りました。




なるほど。これが龍馬像が目にしていた光景なのですね。





太平洋の水平線が一望できたぜよ。


ちなみに。
モデルである坂本龍馬とは対照的に、
この像の作者の名前は、ほとんどの人に知られていないことでしょう。
作者は、本山白雲。
その圧倒的な腕前から、「土佐のミケランジェロ」 と呼ばれた人物です。
『雲』 の一字からピンときた方もいらっしゃるかもしれませんが、
何を隠そう、近代日本彫刻を代表する彫刻家・高村光雲の門弟の一人です。
東京美術学校在学中には、師である光雲の助手として、
《楠正成像》《西郷隆盛像》 の木型制作にも携わったのだとか。

さて、「維新の元勲の銅像で彼の手にかからなかったものはほとんどいない」 と言わしめた白雲。
かつては、彼の作品約300体が全国各地に広がっていたそうですが、
残念ながら、現在は、数えるほどしか白雲の作品は残っていません。
その一番の要因となったのが、第二次世界大戦時。
彼の作品だけでなく、多くの銅像が金属供出で撤去されたのだそうです。




では、なぜ昭和3年に制作されたこの 《坂本龍馬像》 は残っているのでしょうか?
それは、坂本龍馬が 「海軍の創始者」 だったから。
おかげで、壊されることはなかったのだそうです。
史実の坂本龍馬と違って、《坂本龍馬像》 はピンチを免れ、その一命を取り留めていました。


<無料で観れる美術 データ>

桂浜公園

住所:高知県高知市浦戸
アクセス:○J R高知駅より高知県交通バス桂浜行きで約30分




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