神奈川県立近代美術館の葉山館に行ってきました。
葉山の一色海岸のほど近く位置し、
敷地内から富士山&オーシャンビューの絶景が楽しめる美術館です。
・・・・・・・と、海岸にあまりにも近いだけに、
おそらく日本のミュージアムで唯一ではないかと思われる注意書きがあります。
夏ならまだしも、冬にはそんな人、
さすがに一人もいないと思いますが (笑)
皆さま、水着での訪問はくれぐれもお控えくださいませ。
さて、そんな神奈川県立近代美術館 葉山館で、
現在開催されているのは、“没後30年 カイ・フランク” という展覧会。
こちらは、日本・フィンランド国交樹立100年を記念して開催されるもので、
フィンランドの巨匠デザイナーであるカイ・フランクの日本初となる企画展です。
幼い頃より日本に関心を抱き、3度の来日を果たしているカイ・フランク。
余計な装飾を取り払い、機能美を追求したプロダクトを数多く残し、
20世紀のデザイン界に多大なる影響を与えた伝説のデザイナーです。
《2744》 タンブラー 1953-67年/吹きガラス/ヌータヤルヴィ・ガラス製作所/タウノ&リーサ・タルナ・コレクション
photo by ©Rauno Träskelin
《ピトポイタ(イージー・デイ)》 プレート 1978年-90年代初め(1977年)/メラニン樹脂/サルヴィス社/タウノ&リーサ・タルナ・コレクション
photo by ©Rauno Träskelin
ちなみに、人呼んで、「フィンランド・デザインの良⼼」。
カイ・フランクの人柄が偲ばれる素敵な通り名ですが。
逆に、彼以外のフィンランドのデザイナーは、悪いヤツばかりなのでしょうか??
それはともかくとしまして。
出展されているのは、カイ・フランクが手がけた陶器やガラスの器など約300点。
展覧会では、それらの作品の幾何学的造形に注目し、
四角形、三角形、円錐、円、楕円形、円柱の6つに分類して紹介しています。
最初の展示室では、その6つの形が整列してお出迎え。
撮影:永禮賢 (注:この記事に使用している展示室内の画像は、特別に美術館より提供頂いたものです)
冷静に考えたら、ただ6つの雑貨が並んでいるだけなのですが、
不思議と、オーラや品格のようなものが感じられ、思わず居住まいを正してしまいました。
続く展示室では、テーブルウェアを中心としたカイのプロダクトを一挙に紹介。
(ちなみに、1番手前の展示台で紹介されていたのは、彼が影響を受けたフィンランドの工芸品です)
撮影:永禮賢
余計な解説 (?) を極力そぎ落とすべく、
形や年代ごとにグルーピングして展示されています。
横軸に移動すれば、同年代の作品の形状の違いが楽しめ、
縦軸に移動すれば、同じ形状でも年代でどのように変化していくのかがわかる。
シンプルかつ機能的。
実にカイ・フランク的な展示スタイルでした。
最後の展示室で紹介されていたのは、
アート・ピースと呼ばれる技巧を尽くしたガラス作品の数々。
《1500(KF500)クレムリン・ベル》 カラフェ 1957–68(1956)年/吹きガラス/ヌータヤルヴィ・ガラス製作所/タウノ&リーサ・タルナ・コレクション
photo by ©Rauno Träskelin
プレート 1960年代半ば/カラー・リング・テクニック/ヌータヤルヴィ・ガラス製作所/タウノ&リーサ・タルナ・コレクション
photo by ©Rauno Träskelin
代表作の 《クレムリン・ベル》 や独自の技術で色ガラスを何層にも重ねたプレートなどが、
近年国内外で注目を集めているデザイナーの熊野亘氏が手がけた展示空間に並べられています。
撮影:永禮賢
カイのアート・ピースとカリモク製の木の什器、
そして、大きな窓から見える葉山の一色海岸の雄大な眺め。
これ以上無いくらいに心地よい空間でした。
この展示空間を味わうために、葉山を訪れるカイはあります。
作品もシンプル。展覧会もシンプル。
それゆえに、サーッと眺めるだけなら、
数十分で見終わってしまうことでしょう。
しかし、単にシンプルなだけでなく、
考えに考え抜かれたデザインであるために、
むしろ見ようと思えば、いくらでも見ていられます。
飽きが来ない展覧会でした。
1位を目指して、ランキングに挑戦中。
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葉山の一色海岸のほど近く位置し、
敷地内から富士山&オーシャンビューの絶景が楽しめる美術館です。
・・・・・・・と、海岸にあまりにも近いだけに、
おそらく日本のミュージアムで唯一ではないかと思われる注意書きがあります。
夏ならまだしも、冬にはそんな人、
さすがに一人もいないと思いますが (笑)
皆さま、水着での訪問はくれぐれもお控えくださいませ。
さて、そんな神奈川県立近代美術館 葉山館で、
現在開催されているのは、“没後30年 カイ・フランク” という展覧会。
こちらは、日本・フィンランド国交樹立100年を記念して開催されるもので、
フィンランドの巨匠デザイナーであるカイ・フランクの日本初となる企画展です。
幼い頃より日本に関心を抱き、3度の来日を果たしているカイ・フランク。
余計な装飾を取り払い、機能美を追求したプロダクトを数多く残し、
20世紀のデザイン界に多大なる影響を与えた伝説のデザイナーです。
《2744》 タンブラー 1953-67年/吹きガラス/ヌータヤルヴィ・ガラス製作所/タウノ&リーサ・タルナ・コレクション
photo by ©Rauno Träskelin
《ピトポイタ(イージー・デイ)》 プレート 1978年-90年代初め(1977年)/メラニン樹脂/サルヴィス社/タウノ&リーサ・タルナ・コレクション
photo by ©Rauno Träskelin
ちなみに、人呼んで、「フィンランド・デザインの良⼼」。
カイ・フランクの人柄が偲ばれる素敵な通り名ですが。
逆に、彼以外のフィンランドのデザイナーは、悪いヤツばかりなのでしょうか??
それはともかくとしまして。
出展されているのは、カイ・フランクが手がけた陶器やガラスの器など約300点。
展覧会では、それらの作品の幾何学的造形に注目し、
四角形、三角形、円錐、円、楕円形、円柱の6つに分類して紹介しています。
最初の展示室では、その6つの形が整列してお出迎え。
撮影:永禮賢 (注:この記事に使用している展示室内の画像は、特別に美術館より提供頂いたものです)
冷静に考えたら、ただ6つの雑貨が並んでいるだけなのですが、
不思議と、オーラや品格のようなものが感じられ、思わず居住まいを正してしまいました。
続く展示室では、テーブルウェアを中心としたカイのプロダクトを一挙に紹介。
(ちなみに、1番手前の展示台で紹介されていたのは、彼が影響を受けたフィンランドの工芸品です)
撮影:永禮賢
余計な解説 (?) を極力そぎ落とすべく、
形や年代ごとにグルーピングして展示されています。
横軸に移動すれば、同年代の作品の形状の違いが楽しめ、
縦軸に移動すれば、同じ形状でも年代でどのように変化していくのかがわかる。
シンプルかつ機能的。
実にカイ・フランク的な展示スタイルでした。
最後の展示室で紹介されていたのは、
アート・ピースと呼ばれる技巧を尽くしたガラス作品の数々。
《1500(KF500)クレムリン・ベル》 カラフェ 1957–68(1956)年/吹きガラス/ヌータヤルヴィ・ガラス製作所/タウノ&リーサ・タルナ・コレクション
photo by ©Rauno Träskelin
プレート 1960年代半ば/カラー・リング・テクニック/ヌータヤルヴィ・ガラス製作所/タウノ&リーサ・タルナ・コレクション
photo by ©Rauno Träskelin
代表作の 《クレムリン・ベル》 や独自の技術で色ガラスを何層にも重ねたプレートなどが、
近年国内外で注目を集めているデザイナーの熊野亘氏が手がけた展示空間に並べられています。
撮影:永禮賢
カイのアート・ピースとカリモク製の木の什器、
そして、大きな窓から見える葉山の一色海岸の雄大な眺め。
これ以上無いくらいに心地よい空間でした。
この展示空間を味わうために、葉山を訪れるカイはあります。
作品もシンプル。展覧会もシンプル。
それゆえに、サーッと眺めるだけなら、
数十分で見終わってしまうことでしょう。
しかし、単にシンプルなだけでなく、
考えに考え抜かれたデザインであるために、
むしろ見ようと思えば、いくらでも見ていられます。
飽きが来ない展覧会でした。
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