1980年1月、ラフォーレ原宿の裏側に、
都内でも数少ない浮世絵専門美術館としてオープンした太田記念美術館。
今年2020年1月で、めでたく開館40周年を迎えました。
それを記念して、現在開催されているのが、
“開館40周年記念 太田記念美術館所蔵 肉筆浮世絵名品展” という展覧会。
約14000点の太田記念美術館の所蔵品の中から、
肉筆画の名品の数々を一挙大公開する展覧会です。
普段は浮世絵が展示されているケースに、肉筆浮世絵の掛け軸がズラリ。
浮世絵の祖とされる絵師・岩佐又兵衛の肉筆画に始まり、
北斎や広重といった浮世絵界の2代巨頭による肉筆画、
さらには、「最後の浮世絵師」 と称される月岡芳年や小林清親の肉筆画まで。
浮世絵界のレジェンドたちの珠玉の肉筆画の数々が惜しげも無く展示されていました。
肉肉しさ、ハンパなし!
やはり普通の浮世絵と比べると、1点モノである肉筆画ではパワーが違います。
そんな肉筆画100%の展覧会。
太田記念美術館には何十回と訪れていますが、
これまでに味わったことがないくらいの圧を感じました。
まさに、40周年を祝うに相応しいスペシャルな展覧会です。
改めまして、開館40周年おめでとうございます!
ちなみに、今展の目玉は何と言っても、
北斎と応為、葛飾父娘による肉筆画の競演。
左に展示されているのが、葛飾北斎の 《雨中の虎》。
北斎の没年 (数え年で90歳) に描かれた一枚です。
雨の中、鋭すぎる爪を持つ虎が、
上空に向かって吠えかかっています。
長い間、単品と思われていたそうですが、
2005年に、この肉筆画と対となる絵があることが判明しました。
それは、 フランスのギメ美術館が所蔵する 《龍図》。
実は、この虎は龍に対して吠えていたのです。
また、右に展示されているのが、葛飾応為の 《吉原格子先之図》。
世界に現存する応為作品はフェルメールやダ・ヴィンチよりも少なく、たったの10点余り。
そのうちの貴重な1点で、傑作中の傑作とされる逸品です。
いい意味で、全然浮世絵っぽくありません。
まるでレンブラントの絵画を観ているかのような錯覚に陥ります。
西洋画のような陰影技法が確立していなかった江戸に、
こんな突然変異のような美術作品が生まれていただなんて!
大きな驚きと感動、そして、若干のSF感を覚えずにはいられません。
なお、2年前にこの作品が公開された際、
一目見ようと多くの人が詰めかけ、会期の終盤頃には、入場待ちが発生したそうな。
現時点で次回の公開予定は未定とのこと。
《吉原格子先之図》 を観るためだけでも訪れる価値は十分にありますよ。
さて、ここからは、今回出展されていた作品の中で、
個人的に印象に残っているものをいくつかご紹介いたしましょう。
まずは、鈴木春信の 《二世瀬川菊之丞図》 から。
細長っ!!
一般的にこういう細長い浮世絵を柱絵といいますが。
それにしても、細長すぎる気がします。
これまで数多くの掛け軸を鑑賞してきましたが、もっとも細長い掛け軸でした。
ヒョロヒョロにもほどがあります。
続いては、喜多川月麿の 《美人花見の図》。
こちらは、軸装が実に印象的。
軸装が、完全にバーバリーでした。
江戸時代にも、このチェック柄はあったのですね。
最後に紹介したいのは、勝川春章による 《桜下詠歌の図》。
桜の下で和歌を詠むイケメンの姿を一目見ようと、女性たちが群がっています。
いやいや、いくらなんでも群がりすぎですよ。
今も昔も女性は、イケメンがお好きなようです。
1位を目指して、ランキングに挑戦中。
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都内でも数少ない浮世絵専門美術館としてオープンした太田記念美術館。
今年2020年1月で、めでたく開館40周年を迎えました。
それを記念して、現在開催されているのが、
“開館40周年記念 太田記念美術館所蔵 肉筆浮世絵名品展” という展覧会。
約14000点の太田記念美術館の所蔵品の中から、
肉筆画の名品の数々を一挙大公開する展覧会です。
普段は浮世絵が展示されているケースに、肉筆浮世絵の掛け軸がズラリ。
浮世絵の祖とされる絵師・岩佐又兵衛の肉筆画に始まり、
北斎や広重といった浮世絵界の2代巨頭による肉筆画、
さらには、「最後の浮世絵師」 と称される月岡芳年や小林清親の肉筆画まで。
浮世絵界のレジェンドたちの珠玉の肉筆画の数々が惜しげも無く展示されていました。
肉肉しさ、ハンパなし!
やはり普通の浮世絵と比べると、1点モノである肉筆画ではパワーが違います。
そんな肉筆画100%の展覧会。
太田記念美術館には何十回と訪れていますが、
これまでに味わったことがないくらいの圧を感じました。
まさに、40周年を祝うに相応しいスペシャルな展覧会です。
改めまして、開館40周年おめでとうございます!
ちなみに、今展の目玉は何と言っても、
北斎と応為、葛飾父娘による肉筆画の競演。
左に展示されているのが、葛飾北斎の 《雨中の虎》。
北斎の没年 (数え年で90歳) に描かれた一枚です。
雨の中、鋭すぎる爪を持つ虎が、
上空に向かって吠えかかっています。
長い間、単品と思われていたそうですが、
2005年に、この肉筆画と対となる絵があることが判明しました。
それは、 フランスのギメ美術館が所蔵する 《龍図》。
実は、この虎は龍に対して吠えていたのです。
また、右に展示されているのが、葛飾応為の 《吉原格子先之図》。
世界に現存する応為作品はフェルメールやダ・ヴィンチよりも少なく、たったの10点余り。
そのうちの貴重な1点で、傑作中の傑作とされる逸品です。
いい意味で、全然浮世絵っぽくありません。
まるでレンブラントの絵画を観ているかのような錯覚に陥ります。
西洋画のような陰影技法が確立していなかった江戸に、
こんな突然変異のような美術作品が生まれていただなんて!
大きな驚きと感動、そして、若干のSF感を覚えずにはいられません。
なお、2年前にこの作品が公開された際、
一目見ようと多くの人が詰めかけ、会期の終盤頃には、入場待ちが発生したそうな。
現時点で次回の公開予定は未定とのこと。
《吉原格子先之図》 を観るためだけでも訪れる価値は十分にありますよ。
さて、ここからは、今回出展されていた作品の中で、
個人的に印象に残っているものをいくつかご紹介いたしましょう。
まずは、鈴木春信の 《二世瀬川菊之丞図》 から。
細長っ!!
一般的にこういう細長い浮世絵を柱絵といいますが。
それにしても、細長すぎる気がします。
これまで数多くの掛け軸を鑑賞してきましたが、もっとも細長い掛け軸でした。
ヒョロヒョロにもほどがあります。
続いては、喜多川月麿の 《美人花見の図》。
こちらは、軸装が実に印象的。
軸装が、完全にバーバリーでした。
江戸時代にも、このチェック柄はあったのですね。
最後に紹介したいのは、勝川春章による 《桜下詠歌の図》。
桜の下で和歌を詠むイケメンの姿を一目見ようと、女性たちが群がっています。
いやいや、いくらなんでも群がりすぎですよ。
今も昔も女性は、イケメンがお好きなようです。
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