今年2020年は、『日本書紀』 が編纂されてからちょうど1300年となる節目の年。
それを記念して、現在、東京国立博物館では、
“日本書紀成立1300年 特別展 出雲と大和” が開催されています。
(注:館内の写真撮影は、特別に許可を得ております。)
こちらは、日本の古代を知る上でもっとも重要な2つのエリア、
出雲と大和に焦点を当てた展覧会で、島根県と奈良県の全面協力のもと、
出雲と大和の貴重な文化財が一堂に会した展覧会です。
会場に入ってまず目に飛び込んでくるのは、巨大な木の塊。
実は、これらは、《心御柱(しんのみはしら)》 と 《宇豆柱(うづばしら)》 と呼ばれる巨大な柱の一部。
2000年に出雲大社の境内から発掘されたばかりのもので、
鎌倉時代に出雲大社の本殿を支えていたと考えられている柱なのだそうです。
なお、この2つの柱が同時に公開されるのは、今回が初めてとのこと。
鎌倉時代以来といっても過言ではありません。
ちなみに、この2つの柱が展示されている間隔は、
実際の出雲大社本殿の柱の間隔と併せてあるのだとか。
柱から想像するに、「かつての出雲大社、どんだけ大きかったんだよ?!」 と思ったら・・・・・
すぐ近くに、平安時代の出雲大社の本殿を再現した模型が展示されていました。
さすが縁がありますね (←?)
この再現模型でも十分大きさが伝わってきましたが、
こちらは、約10分の1のサイズで再現したものとのこと。
つまり、実際は10倍大きかったわけです。
高さに驚くととともに、階段の長さに驚きました。
入り口まで、遠っ!
出雲からの出展作品の中で特に見応えがあるのが、荒神谷遺跡で出土した銅剣です。
1984年に荒神谷遺跡から一挙に出土し、
考古界に大きな衝撃を与えたという銅剣168本がズラリと並ぶ様はまさに圧巻!
その物量に衝撃を受けましたが、
それ以上にほぼすべてが同じ形、大きさであることに衝撃を受けました。
前2〜1世紀の日本で、このような大量生産を実現していただなんて!
当時の出雲は、間違いなく日本で最もイケてるエリアだったのですね。
まさか、その2000年後に、「島根と鳥取、どっちでもよくない?」 なんて扱いを受けているとは。
この頃の出雲の人々は夢にも思っていなかったことでしょう。
また、大量生産といえば、加茂岩倉遺跡から出土した国宝の銅鐸も公開されていました。
国宝 《銅鐸》 島根県雲南市 加茂岩倉遺跡出土 弥生時代・前2~前1世紀 文化庁蔵(島根県立古代出雲歴史博物館保管)
その数、実に17個。
1,2点展示されている際は、銅鐸についてそこまでなんとも感じるものはなかったですが。
こうして大量の銅鐸が列をなしてディスプレイされると、実に壮観な印象に。
カーテンコールを彷彿とさせるものがあります。
なお、加茂岩倉遺跡から発見された銅鐸に関しては、
その埋納状況を忠実に復元した模型も紹介されていました。
興味深いのは、大きな銅鐸の中に、
一回り小さな銅鐸が収められていたこと。
その理由はいまだわかっていないのだとか。
さらに、この中に、小さな銅鐸が収められていたら、
「銅鐸のマトリョーシカを作ろうとしたから」 で決まりだったのですが (←?)。
さてさて、ここまで出雲の文化財ばかりを紹介してきましたが。
もちろん大和だって負けてはいません!
4世紀に百済の王から倭の王に送られたものと考えられていて、
『日本書記』 にもその名が登場するという国宝の 《七支刀》 や、
国宝 《七支刀》 古墳時代・4世紀 奈良・石上神宮蔵
それまでに知られていた三角縁神獣鏡のおよそ1割に近い、
33面が一度に出土したことで話題となった黒塚古墳の三角縁神獣鏡など、
重要文化財 《画文帯神獣鏡・三角縁神獣鏡》(部分) 奈良県天理市 黒塚古墳出土 古墳時代・3世紀 文化庁蔵(奈良県立橿原考古学研究所保管)
次にいつ東京に来るかわからない貴重な文化財が数多く紹介されていました。
この展覧会にすべてを賭ける。
そんな大和魂すら感じられました。
個人的に一番印象に残っているのは、
メスリ山古墳から出土したという円筒埴輪です。
中央の円筒埴輪の大きさは、なんと約2m40cm!
これほど大きい円筒埴輪はほかに例はなく、唯一無二のものとのこと。
スーパーマリオに出てくる土管かと思いました。
たぶん入ったら、コインがたくさんある部屋に通じているかもしれません。
なお、埴輪と言えば、こちらの出雲の埴輪もオススメです。
重要文化財 《埴輪 見返りの鹿》 島根県松江市 平所遺跡出土 古墳時代・5~6世紀 島根県教育委員会蔵
見返り美人ならぬ、見返りの鹿。
ツンと澄ました表情を浮かべつつ、お尻をアピール。
セクシーにもほどがある鹿です。
僕が牡鹿だったら、黙ってはいなかったことでしょう (←?)。
ちなみに、考古に焦点を当てた展覧会かと思いきや。
今回が寺外初公開となる1300年前の日本最古の石仏や、
重要文化財 《浮彫伝薬師三尊像》 飛鳥~奈良時代・7~8世紀 奈良・石位寺蔵
国宝に指定されている唐招提寺の四天王像をはじめ、
出雲と大和の仏像も充実していました。
これは嬉しいサプライズ!
新年早々、絶対に見逃せない展覧会です。
1位を目指して、ランキングに挑戦中。
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それを記念して、現在、東京国立博物館では、
“日本書紀成立1300年 特別展 出雲と大和” が開催されています。
(注:館内の写真撮影は、特別に許可を得ております。)
こちらは、日本の古代を知る上でもっとも重要な2つのエリア、
出雲と大和に焦点を当てた展覧会で、島根県と奈良県の全面協力のもと、
出雲と大和の貴重な文化財が一堂に会した展覧会です。
会場に入ってまず目に飛び込んでくるのは、巨大な木の塊。
実は、これらは、《心御柱(しんのみはしら)》 と 《宇豆柱(うづばしら)》 と呼ばれる巨大な柱の一部。
2000年に出雲大社の境内から発掘されたばかりのもので、
鎌倉時代に出雲大社の本殿を支えていたと考えられている柱なのだそうです。
なお、この2つの柱が同時に公開されるのは、今回が初めてとのこと。
鎌倉時代以来といっても過言ではありません。
ちなみに、この2つの柱が展示されている間隔は、
実際の出雲大社本殿の柱の間隔と併せてあるのだとか。
柱から想像するに、「かつての出雲大社、どんだけ大きかったんだよ?!」 と思ったら・・・・・
すぐ近くに、平安時代の出雲大社の本殿を再現した模型が展示されていました。
さすが縁がありますね (←?)
この再現模型でも十分大きさが伝わってきましたが、
こちらは、約10分の1のサイズで再現したものとのこと。
つまり、実際は10倍大きかったわけです。
高さに驚くととともに、階段の長さに驚きました。
入り口まで、遠っ!
出雲からの出展作品の中で特に見応えがあるのが、荒神谷遺跡で出土した銅剣です。
1984年に荒神谷遺跡から一挙に出土し、
考古界に大きな衝撃を与えたという銅剣168本がズラリと並ぶ様はまさに圧巻!
その物量に衝撃を受けましたが、
それ以上にほぼすべてが同じ形、大きさであることに衝撃を受けました。
前2〜1世紀の日本で、このような大量生産を実現していただなんて!
当時の出雲は、間違いなく日本で最もイケてるエリアだったのですね。
まさか、その2000年後に、「島根と鳥取、どっちでもよくない?」 なんて扱いを受けているとは。
この頃の出雲の人々は夢にも思っていなかったことでしょう。
また、大量生産といえば、加茂岩倉遺跡から出土した国宝の銅鐸も公開されていました。
国宝 《銅鐸》 島根県雲南市 加茂岩倉遺跡出土 弥生時代・前2~前1世紀 文化庁蔵(島根県立古代出雲歴史博物館保管)
その数、実に17個。
1,2点展示されている際は、銅鐸についてそこまでなんとも感じるものはなかったですが。
こうして大量の銅鐸が列をなしてディスプレイされると、実に壮観な印象に。
カーテンコールを彷彿とさせるものがあります。
なお、加茂岩倉遺跡から発見された銅鐸に関しては、
その埋納状況を忠実に復元した模型も紹介されていました。
興味深いのは、大きな銅鐸の中に、
一回り小さな銅鐸が収められていたこと。
その理由はいまだわかっていないのだとか。
さらに、この中に、小さな銅鐸が収められていたら、
「銅鐸のマトリョーシカを作ろうとしたから」 で決まりだったのですが (←?)。
さてさて、ここまで出雲の文化財ばかりを紹介してきましたが。
もちろん大和だって負けてはいません!
4世紀に百済の王から倭の王に送られたものと考えられていて、
『日本書記』 にもその名が登場するという国宝の 《七支刀》 や、
国宝 《七支刀》 古墳時代・4世紀 奈良・石上神宮蔵
それまでに知られていた三角縁神獣鏡のおよそ1割に近い、
33面が一度に出土したことで話題となった黒塚古墳の三角縁神獣鏡など、
重要文化財 《画文帯神獣鏡・三角縁神獣鏡》(部分) 奈良県天理市 黒塚古墳出土 古墳時代・3世紀 文化庁蔵(奈良県立橿原考古学研究所保管)
次にいつ東京に来るかわからない貴重な文化財が数多く紹介されていました。
この展覧会にすべてを賭ける。
そんな大和魂すら感じられました。
個人的に一番印象に残っているのは、
メスリ山古墳から出土したという円筒埴輪です。
中央の円筒埴輪の大きさは、なんと約2m40cm!
これほど大きい円筒埴輪はほかに例はなく、唯一無二のものとのこと。
スーパーマリオに出てくる土管かと思いました。
たぶん入ったら、コインがたくさんある部屋に通じているかもしれません。
なお、埴輪と言えば、こちらの出雲の埴輪もオススメです。
重要文化財 《埴輪 見返りの鹿》 島根県松江市 平所遺跡出土 古墳時代・5~6世紀 島根県教育委員会蔵
見返り美人ならぬ、見返りの鹿。
ツンと澄ました表情を浮かべつつ、お尻をアピール。
セクシーにもほどがある鹿です。
僕が牡鹿だったら、黙ってはいなかったことでしょう (←?)。
ちなみに、考古に焦点を当てた展覧会かと思いきや。
今回が寺外初公開となる1300年前の日本最古の石仏や、
重要文化財 《浮彫伝薬師三尊像》 飛鳥~奈良時代・7~8世紀 奈良・石位寺蔵
国宝に指定されている唐招提寺の四天王像をはじめ、
出雲と大和の仏像も充実していました。
これは嬉しいサプライズ!
新年早々、絶対に見逃せない展覧会です。
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