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Channel: アートテラー・とに~の【ここにしかない美術室】
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見えてくる光景 コレクションの現在地

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ブリヂストン美術館改め、
アーティゾン美術館がついにオープンいたしました!




「ART(アート)」 と 「HORIZON(ホライゾン=地平)」 。
その2つの言葉を組み合わせて、「ARTIZON(アーティゾン)」。
正直なところ、今はまだその名前にしっくりきませんが、
『さまぁ~ず』 や 『くりぃむしちゅー』 のように、そのうちしっくりくるのでしょう。


さてさて、変わったのはもちろん館名だけではありません。
ブリヂストン美術館時代は2フロアでしたが、
アーティゾン美術館は、なんと3倍の6フロアになりました!
1階から6階までが、アーティゾン美術館です。




さらに大きく変わったのが、チケットの購入方法。
混雑を緩和するべく、チケットの日時指定予約制が導入されました。
ウェブ予約チケットが完売していない場合に限っては、当日券 (窓口販売) もあるそうですが。
ウェブ予約チケットなら1100円。当日券は1500円。
事前にウェブ予約チケットを購入するほうが、ベターです。

また、展示室への入り方もリニューアル。
飛行機の保安検査場のようなゲートをくぐってから展示室に向かうことになります。




ブリヂストン美術館時代と違って、
危険物は持ち込めなくなりましたのでご注意くださいませ。
(↑そもそも危険物を持ち歩きませんように!)


そんなセキュリティ対策もバッチリなアーティゾン美術館、
そのオープニングを飾るのが、開館記念展 “見えてくる光景 コレクションの現在地”
こちらは、約2800点にも及ぶ石橋財団コレクションの中から、
選りすぐりの206点を紹介する開館記念に相応しいスペシャルな展覧会です!




展覧会は、まず6階の展示室からスタートします。
こちらでは、「アートをひろげる」 と題して、
印象派の時代から2000年代までの約140年間の東西の名品を一挙大公開。




マネ、セザンヌ、青木繁…etc
ブリヂストン美術館時代に何度も目にしていたあの作品たちが、そこに!
彼らとの5年ぶりの再会に、感極まるものがありました。
もちろんコレクションの中でも特に人気の高かったあの作品もあります。




美術館のマスコットともいうべき存在の作品で、
ルノワールの 《すわるジョルジェット・シャルパンティエ嬢》 です。
自然と心の中で、「おかえりなさい」 と声を上げてしまいました。
そして、その隣のアンリ・ファンタン=ラトゥールの静物画にも、おかえりなさ・・・・・ん?
あれっ?ブリヂストン美術館時代に逢ったことありましたっけ??
と戸惑っていたら、なんと新収蔵品とのこと。
なんでも、休館中も石橋財団は収蔵品を着実に増やしていたのだそうです。
今展のメインビジュアルに使われているカンディンスキーの 《自らが輝く》 も、そのうちの1つ。




展覧会では、実に31点の新収蔵品が紹介されていました。
「おかえりなさい」 と 「はじめまして」。
その両方が交互にやってくる展覧会です。


さて、続く5階と4階の展示室では、「アートをさぐる」 と題し、
『装飾』 や 『異界』 、『幸福』 といった7つのテーマに分けてコレクションを紹介しています。




古代ギリシャの壺と佐伯祐三。モネとデ・キリコ。
意外なアートの組み合わせが楽しめる展示になっていました。
特に圧巻だったのは、『聖俗』 のコーナー。




古代エジプトの猫やハヤブサの像もあれば、ジャコメッティの彫刻も。
さらに、古代ギリシャのヴィーナス像に、ピカソやヘンリー・ムアの彫刻作品もあります。
さらにさらに、奥に進むと、江戸時代の 《洛中洛外図屏風》 もありました。




いい意味で、ごちゃ混ぜ感。
聖もあれば俗もある。
そんなお祭りのような展示空間に酔いしれると同時に、
改めて、石橋財団コレクションの幅広さに驚かされました。


ちなみに。5階の展示室の中央には、
他の美術館ではあまり見かけないちょっと不思議なスペースがあります。




「何だろう?」 と思って近づいてみると・・・




そこから4階の展示室が覗けました。
そう、こちらは吹き抜け空間。
美術館の中で思いっきり開放感が味わえます。
ただ、僕のように高所恐怖症の方は、
開放感よりも恐怖感が勝つ恐れが・・・。
どうぞお気を付けくださいませ。


さてさて、他にも館内のサインがリニューアルされたことや、
ミュージアムショップ、カフェもリニューアルされたことなど、
いろいろと紹介したいトピックはありますが、キリがないのでこの辺で。
以前のブリヂストン美術館も東京を代表する素敵な美術館でしたが、
アーティゾン美術館は、さらにその何倍も素敵な美術館にパワーアップしていました。
星星星
文句なしに3つ星!
絶対に訪れるべき美術館です。


本当に非の打ち所がない素敵な美術館なのですが、
褒めすぎていて、ステマ記事と勘違いされるのも何なので。
あえて1つだけ気になったことを。
今回のリニューアルで、新たにVIEW DECKなるスペースが誕生していました。




果たして、どんなVIEWが楽しめるのか?!
ワクワクしながら窓の外に目をやると・・・・・




ビルの解体工事の現場が飛び込んできました。

・・・・・・・・・。

一体何を見させられているのだろう。
想定外すぎるVIEWでした。




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