どんなに歩いても海が無く、
海だけならまだしも空港や名所、郷土愛も無いと、はなわにディスられている埼玉県。
しかし、そんな無い無い尽くしの埼玉県 (?) には、
あの金沢のと同じく、名前に 『21世紀』 が付く美術館があります。
その名は、サトエ記念21世紀美術館。
北埼玉地域初の本格的な美術館として、
2001年に埼玉県加須市にオープンした美術館です。
ちなみに、サトエ記念21世紀美術館の 『サトエ』 は、
スポーツ強豪校として知られる花咲徳栄高校や埼玉栄高校学校など、
多くの高校や大学を運営する学校法人・佐藤栄 (さとえ) 学園に由来しているとのこと。
佐藤栄学園の創立者で、彫刻家でもあった佐藤栄太郎が収集した、
1000点近くの作品が、美術館のコレクションの母体となっているそうです。
さて、こちらが、そのサトエ記念21世紀美術館。
門構えは、美術館というよりも、地方の大邸宅といった印象です。
とりあえず、中に入ってみましょう。
門をくぐると、まずはエミリオ・グレコの彫刻がお出迎え。
さすがは彫刻家が創設した美術館です。
入り口に入ってすぐのところに、世界的な彫刻家の作品が飾ってあるのですね。
そう思った次の瞬間、ふとその先に視線を向けると・・・・・・・
さらに、たくさんの彫刻作品が飾られていました!!
箱根にある彫刻の森美術館を筆頭に、
雄大な敷地にポツポツと彫刻作品が設置されている光景は、何度も目にしたことがありますが。
このような感じで野外にそれなりに密集した形で、
彫刻作品が設置されている光景は、初めて目にした気がします。
レアなシチュエーションに、思わずテンションがアップ!
写真も撮影し放題なので、いつもよりも多めに撮影してしまいました。
ちなみに、野外に設置されていた彫刻作品の中で、
個人的に一番印象に残ったのは、石黒光二さんのこちらの作品です。
一瞬、ダイソンの空気清浄機に、人がハマっているのかと思いました。
タイトルは、 《0空間》 とのこと。
なるほど。数字の0だったのですね。
さてさて、庭園だけでかなり満喫してしまい、すっかり失念していましたが、
よくよく考えたら、肝心の美術館の中に、まだ一歩も足を踏み入れていません。
それでは、いよいよ美術館の中に入ってみることにしましょう。
入り口を抜けてすぐのスペースにも、彫刻作品がズラリ。
しかも、ロダンやブールデル、萩原碌山など、
早々たる彫刻家の巨匠たちの作品が並べられていました。
また、少し進んだところには、常設展示室があります。
こちらでは、ヴラマンクや里見勝三、荻須高徳など、
フランスにゆかりの深い画家たちの作品が展示されていました。
また、隣企画展示室で開催されていたのは、
“小松崎邦雄展~麗しき日本の絵画を求めて~” という展覧会。
(注:庭園は写真撮影可能ですが、美術館の内部は写真撮影禁止です。
この記事に使用している展示室内の画像は、特別に美術館より提供頂いたものです)
NHK教育テレビの 『趣味講座・油絵入門』 の講師としても知られた画家で、
埼玉県にゆかりの深い小松崎邦雄 (1931~1992) の画業を振り返る展覧会です。
日本随一を誇るサトエ21世紀美術館の小松崎邦雄コレクションの中から、
学生時代から晩年まで、代表作やデッサンなど、選りすぐりの名品の数々が紹介されています。
初期は、どことなくピカソを彷彿とさせる絵を描いていた小松崎邦雄ですが、
次第に、牛をモチーフにした絵画を描くように。
それも、牛の結婚式や群衆と牛が列をなす光景など、
シュールなシチュエーションの絵画を描くようになります。
次第に、彼の興味は牛から、天使や人形へとシフト。
そして、晩年には舞妓さんをモチーフとした絵画を多く描くようになります。
最後の展示室では、そんな舞妓さんシリーズが一堂に会していました。
舞妓さんのオンのシーンを描いた絵画もあれば、
舞妓さんのオフのシーンを描いた絵画もあります。
実際の舞妓さん同様に、ぱっと見は同じ人に見えるのですが、
よく見れば、顔や体形など、一人ひとり丹念に描き分けられていました。
その性格や心情までもが伝わってくるよう。
ドガがバレリーナをモチーフにした絵画を多く描いていますが、
小松崎邦雄による舞妓の絵は、その現代版、京都版といったような印象を受けます。
特に印象的だったのは、画面の中央に展示されている 《稲穂のつどい》。
真っ黒い背景に、黒い着物を着た舞妓が7人描かれています。
実に妖艶で、実にミステリアス。
現実の世界のようでもあり、白昼夢のようなシュールな世界のようでもあり。
なんとも蠱惑的な作品でした。
なお、その右隣に飾ってあったのは、舞妓の楽屋を描いた一枚。
まるでプライベートを覗き見してしまっているようで、
《稲穂のつどい》 とは別の意味で、ドキドキしてしまう作品です。
ちなみに、そんな舞妓さんの楽屋には、キティちゃんグッズがたくさんありました。
舞妓さんの意外な一面を知った気がします。
最後に、余談ですが。
サトエ記念21世紀美術館の庭園には、
小川が流れており、そこにはたくさんの鯉が泳いでいます。
その鯉に関して、こんな注意書きが。
「・・・・・美術館指定の餌って何だろう?」
そう疑問に思っていたのですが、受付で理由が判明。
なんと、美術館指定の鯉の餌が販売されていたのです (1袋100円)。
せっかくなので、購入し、鯉に餌を与えてみることに。
かれこれたくさんの美術館を巡りましたが、
美術館で鯉の餌を買って、餌やりをしたのは初体験です。
ちなみに、そんな鯉の餌のパッケージは、美術館オリジナルとのこと。
描かれていた魚は、鯉ではない何かでした。
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海だけならまだしも空港や名所、郷土愛も無いと、はなわにディスられている埼玉県。
しかし、そんな無い無い尽くしの埼玉県 (?) には、
あの金沢のと同じく、名前に 『21世紀』 が付く美術館があります。
その名は、サトエ記念21世紀美術館。
北埼玉地域初の本格的な美術館として、
2001年に埼玉県加須市にオープンした美術館です。
ちなみに、サトエ記念21世紀美術館の 『サトエ』 は、
スポーツ強豪校として知られる花咲徳栄高校や埼玉栄高校学校など、
多くの高校や大学を運営する学校法人・佐藤栄 (さとえ) 学園に由来しているとのこと。
佐藤栄学園の創立者で、彫刻家でもあった佐藤栄太郎が収集した、
1000点近くの作品が、美術館のコレクションの母体となっているそうです。
さて、こちらが、そのサトエ記念21世紀美術館。
門構えは、美術館というよりも、地方の大邸宅といった印象です。
とりあえず、中に入ってみましょう。
門をくぐると、まずはエミリオ・グレコの彫刻がお出迎え。
さすがは彫刻家が創設した美術館です。
入り口に入ってすぐのところに、世界的な彫刻家の作品が飾ってあるのですね。
そう思った次の瞬間、ふとその先に視線を向けると・・・・・・・
さらに、たくさんの彫刻作品が飾られていました!!
箱根にある彫刻の森美術館を筆頭に、
雄大な敷地にポツポツと彫刻作品が設置されている光景は、何度も目にしたことがありますが。
このような感じで野外にそれなりに密集した形で、
彫刻作品が設置されている光景は、初めて目にした気がします。
レアなシチュエーションに、思わずテンションがアップ!
写真も撮影し放題なので、いつもよりも多めに撮影してしまいました。
ちなみに、野外に設置されていた彫刻作品の中で、
個人的に一番印象に残ったのは、石黒光二さんのこちらの作品です。
一瞬、ダイソンの空気清浄機に、人がハマっているのかと思いました。
タイトルは、 《0空間》 とのこと。
なるほど。数字の0だったのですね。
さてさて、庭園だけでかなり満喫してしまい、すっかり失念していましたが、
よくよく考えたら、肝心の美術館の中に、まだ一歩も足を踏み入れていません。
それでは、いよいよ美術館の中に入ってみることにしましょう。
入り口を抜けてすぐのスペースにも、彫刻作品がズラリ。
しかも、ロダンやブールデル、萩原碌山など、
早々たる彫刻家の巨匠たちの作品が並べられていました。
また、少し進んだところには、常設展示室があります。
こちらでは、ヴラマンクや里見勝三、荻須高徳など、
フランスにゆかりの深い画家たちの作品が展示されていました。
また、隣企画展示室で開催されていたのは、
“小松崎邦雄展~麗しき日本の絵画を求めて~” という展覧会。
(注:庭園は写真撮影可能ですが、美術館の内部は写真撮影禁止です。
この記事に使用している展示室内の画像は、特別に美術館より提供頂いたものです)
NHK教育テレビの 『趣味講座・油絵入門』 の講師としても知られた画家で、
埼玉県にゆかりの深い小松崎邦雄 (1931~1992) の画業を振り返る展覧会です。
日本随一を誇るサトエ21世紀美術館の小松崎邦雄コレクションの中から、
学生時代から晩年まで、代表作やデッサンなど、選りすぐりの名品の数々が紹介されています。
初期は、どことなくピカソを彷彿とさせる絵を描いていた小松崎邦雄ですが、
次第に、牛をモチーフにした絵画を描くように。
それも、牛の結婚式や群衆と牛が列をなす光景など、
シュールなシチュエーションの絵画を描くようになります。
次第に、彼の興味は牛から、天使や人形へとシフト。
そして、晩年には舞妓さんをモチーフとした絵画を多く描くようになります。
最後の展示室では、そんな舞妓さんシリーズが一堂に会していました。
舞妓さんのオンのシーンを描いた絵画もあれば、
舞妓さんのオフのシーンを描いた絵画もあります。
実際の舞妓さん同様に、ぱっと見は同じ人に見えるのですが、
よく見れば、顔や体形など、一人ひとり丹念に描き分けられていました。
その性格や心情までもが伝わってくるよう。
ドガがバレリーナをモチーフにした絵画を多く描いていますが、
小松崎邦雄による舞妓の絵は、その現代版、京都版といったような印象を受けます。
特に印象的だったのは、画面の中央に展示されている 《稲穂のつどい》。
真っ黒い背景に、黒い着物を着た舞妓が7人描かれています。
実に妖艶で、実にミステリアス。
現実の世界のようでもあり、白昼夢のようなシュールな世界のようでもあり。
なんとも蠱惑的な作品でした。
なお、その右隣に飾ってあったのは、舞妓の楽屋を描いた一枚。
まるでプライベートを覗き見してしまっているようで、
《稲穂のつどい》 とは別の意味で、ドキドキしてしまう作品です。
ちなみに、そんな舞妓さんの楽屋には、キティちゃんグッズがたくさんありました。
舞妓さんの意外な一面を知った気がします。
最後に、余談ですが。
サトエ記念21世紀美術館の庭園には、
小川が流れており、そこにはたくさんの鯉が泳いでいます。
その鯉に関して、こんな注意書きが。
「・・・・・美術館指定の餌って何だろう?」
そう疑問に思っていたのですが、受付で理由が判明。
なんと、美術館指定の鯉の餌が販売されていたのです (1袋100円)。
せっかくなので、購入し、鯉に餌を与えてみることに。
かれこれたくさんの美術館を巡りましたが、
美術館で鯉の餌を買って、餌やりをしたのは初体験です。
ちなみに、そんな鯉の餌のパッケージは、美術館オリジナルとのこと。
描かれていた魚は、鯉ではない何かでした。
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