Quantcast
Channel: アートテラー・とに~の【ここにしかない美術室】
Viewing all articles
Browse latest Browse all 5005

ピエール=エリィ ド ピブラック展 In Situ

$
0
0
実は、ここ最近、縁あって、
バレエ鑑賞をするようになりました。
バレエというと、セレブでお上品なマダムたちが、
「オホホホ」 と楽しむものというイメージがありましたが (←どんなイメージだ!)。
実際に観てみると、ダンサーの動き体は、まるでアスリート、
その肉体から生み出される踊りと、衣装や舞台美術、音楽との融合、
まさに、バレエは総合芸術であることを実感させられた次第です。

今週末に開催予定だった牧阿佐美バレエ団による公演、
『ノートルダム・ド・パリ』 を心から楽しみにしていたのですが、
残念ながら、新型コロナウイルス感染症の感染拡大防止のため、中止となってしまいました。
ぜんぶコロナのせいだ (泣)。



というわけで、少しでもバレエ欲を満たすべく、
本日は、銀座のシャネル・ネクサス・ホールにやってきました。
現在、こちらで開催されているのは、
“ピエール=エリィ ド ピブラック展 In Situ” という展覧会。




こちらは、パリ生まれの写真家ピエール=エリィ・ド・ピブラックの日本初個展で、
パリ・オペラ座のバレエダンサーたちの姿を追った 《In Situ》 シリーズを紹介するものです。




2年間にもわたって、ダンサーたちと時間をともに過ごしたというピブラック。
そうして制作された 《In Situ》 シリーズは、全三部作となっています。
まず一つめは、「Confidences」 。
リハーサル中や楽屋でのダンサーたちの動きをモノクロで撮影したシリーズです。




撮影に使用されているのは、特殊なレンズを用いた無音カメラとのこと。
それゆえ、まるで隠し撮りのような仕上がりとなっています。
2年間の密着があったからこそ捉えられた貴重なショット。
舞台裏でのダンサーの姿が見られるシリーズです。


二つめのシリーズは、「Analogia」。
こちらは、「Confidences」 とは違って、カラー作品。
ダンサーたちが、オペラ座のガルニエ宮のさまざまな場所で、
パフォーマンスを繰り広げる姿を広角レンズで撮影したシリーズです。




ダンサーたちは、神出鬼没 (←?)。
中には、こんなところでもパフォーマンスを披露したものもありました。




たぶん真似しようとする人はいないでしょうが、
念のため、「※特別な訓練を受けています」 というテロップがあったほうがいいかも。

なお、このシリーズで個人的に一番惹かれたのは、こちらの一枚。




シャガールの天井画で知られる客席を大胆に使って、
2人のダンサーが 『ロミオとジュリエット』 を演じています。
斬新すぎる無観客公演です。


3つめのシリーズは、「Catharsis」。
会場内でひときわ照明が落とされた一角に展示されていました。




ちなみに、上の会場風景の写真は、
手振れしているわけでも、ピンボケしているわけでもありません。




「Catharsis」 は、舞台上で踊るダンサーの姿を、
1960年代の古いレンズを用いて撮影し、抽象的かつ絵画的に仕上げた作品シリーズです。
じーっと眺めていると、ダンサーの動きがうっすらと見えてきませんか?


バレエという題材だけに、ドガを彷彿とさせる作品もあり。




その大胆な構図から、ソール・ライターを彷彿とさせる作品もあり。




会場はそう広くはないですが、
実に見ごたえたっぷりの展覧会でした。
バレエ好きな方はもちろん、
バレエに興味のない方にもオススメです。
星


余談ですが。
この展覧会を観た結果、
やはり実際のバレエが観たくなってきました。
むしろバレエ欲が高まってしまったような・・・(←本末転倒)。




1位を目指して、ランキングに挑戦中。
下のボタンをポチッと押して頂けると嬉しいです!

Blogランキングへ にほんブログ村 美術ブログへ

Viewing all articles
Browse latest Browse all 5005

Trending Articles