現在、日本民藝館で開催されているのは、
“祈りの造形 沖縄の厨子甕を中心に” という展覧会。
こちらは、日本民藝館の数あるコレクションの中から、
(注:館内の写真撮影は、特別に許可を得ております。)
神様に捧げる酒器や位牌、木喰仏や円空仏、仏画などなど、
祈りや信仰心によって生み出された造形の数々を紹介する展覧会です。
展覧会のメインとなるのは、建物っぽい形をした謎のオブジェ。
その名も、厨子甕。
「ずし」 の 「かめ」 と書いて、「ジーシガーミ」 と読みます。
実は、厨子甕は、沖縄の伝統的な骨壺です。
火葬が一般的ではなかった沖縄。
遺体を墓室内に安置して風化させた後に、
その骨を洗って、骨壺に納める風習があったとのこと。
それゆえ、本土の骨壺よりも、大きな骨壺となったのだそうです。
今回の展覧会では、もともと日本民藝館が所蔵していたものに、
近年受贈されたものや新収蔵したものを合わせた34点の厨子甕を一挙蔵出し!
沖縄以外では初となる大規模な厨子甕の展覧会となっています。
土地開発によって出土したことで、
再びお墓の中から蘇った厨子甕の数々。
本来ならお墓の下で静かに眠っており、
人の目には一切触れられないはずのものでありながら、
その造形は、目を惹きつけられるほどに細部まで端正に作り込まれていました。
まるで、遠い未来、誰かが発見し、
再び、目に触れられることを想定して作られているかのよう。
形も素材もサイズも一様ではありませんでしたが、
それぞれの厨子甕から、職人が込めた想いや祈りが伝わってくるようでした。
さて、沖縄といえば、昨年、火災により、
首里城の建物や文化財が甚大な被害を受けたのは、記憶に新しいところ。
それゆえ、現在、日本民藝館では、厨子甕だけでなく、
併設展という形で、沖縄に関するコレクションが多く展示されています。
その展示室内の一角には、
首里城再建のための寄付金箱が置かれていました。
寄付金箱も味があるのは、さすが日本民藝館。
思わず寄付したくなる寄付金箱でした (ささやかな金額で恐縮ですが)。
ちなみに。
展覧会では、厨子甕以外にも、見逃せない作品があります。
例えば、絵馬のコレクション。
絵馬だけに、馬が描かれたものが多いのかと思いきや、
馬以外にも、牛やウサギ、鳩など、さまざまな動物が描かれていました。
中でも印象的だったのが、こちらの絵馬↓
描かれていたのは、何者かの足下。
一体どんな祈りが込められているのか?
謎にもほどがあります。
謎と言えば、江戸時代に作られたという 《龍頭》 も。
・・・・・・龍なのか?
かろうじて龍に見えなくもないですが、
どちらかといえば、「ワニワニパニック」 のワニのように見えます。
それにくわえて、用途も謎。
見れば見るほど、ペッツにしか思えません。
また、《熊野本地絵巻断簡》 も見逃せない逸品です。
こちらは、新たにコレクションに加わったばかりの作品とのこと。
室町時代に制作されたものとは思えない彩色の美しさ。
ゆるくて、妙な可愛さもある素朴なタッチにも注目です。
とりあえず気になったのは、僧侶の襟。
洗濯のりが効き過ぎたのでしょうか。
バリッバリになっています。
もはや何かの凶器のようです。
さてさて、コロナウィルスの影響で、
現在、都内の多くの館が、臨時休館となっていますが。
日本民藝館は会期中ずっと開館しているとのこと。
早くこの状況が収束しますように。
そんな “祈り” を込めて、足を運ばれてみてはいかがでしょうか。
狛犬の彼も、皆さまの来館を前足を長くしてお待ちしております。
注:とはいえ、社会状況が急速に変わっている今日この頃、
お出かけの際には、念のため公式HPや電話などで確認されることをオススメします。
日本民藝館
〒153-0041 東京都目黒区駒場4-3-33
電話 03-3467-4527 FAX 03-3467-4537
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“祈りの造形 沖縄の厨子甕を中心に” という展覧会。
こちらは、日本民藝館の数あるコレクションの中から、
(注:館内の写真撮影は、特別に許可を得ております。)
神様に捧げる酒器や位牌、木喰仏や円空仏、仏画などなど、
祈りや信仰心によって生み出された造形の数々を紹介する展覧会です。
展覧会のメインとなるのは、建物っぽい形をした謎のオブジェ。
その名も、厨子甕。
「ずし」 の 「かめ」 と書いて、「ジーシガーミ」 と読みます。
実は、厨子甕は、沖縄の伝統的な骨壺です。
火葬が一般的ではなかった沖縄。
遺体を墓室内に安置して風化させた後に、
その骨を洗って、骨壺に納める風習があったとのこと。
それゆえ、本土の骨壺よりも、大きな骨壺となったのだそうです。
今回の展覧会では、もともと日本民藝館が所蔵していたものに、
近年受贈されたものや新収蔵したものを合わせた34点の厨子甕を一挙蔵出し!
沖縄以外では初となる大規模な厨子甕の展覧会となっています。
土地開発によって出土したことで、
再びお墓の中から蘇った厨子甕の数々。
本来ならお墓の下で静かに眠っており、
人の目には一切触れられないはずのものでありながら、
その造形は、目を惹きつけられるほどに細部まで端正に作り込まれていました。
まるで、遠い未来、誰かが発見し、
再び、目に触れられることを想定して作られているかのよう。
形も素材もサイズも一様ではありませんでしたが、
それぞれの厨子甕から、職人が込めた想いや祈りが伝わってくるようでした。
さて、沖縄といえば、昨年、火災により、
首里城の建物や文化財が甚大な被害を受けたのは、記憶に新しいところ。
それゆえ、現在、日本民藝館では、厨子甕だけでなく、
併設展という形で、沖縄に関するコレクションが多く展示されています。
その展示室内の一角には、
首里城再建のための寄付金箱が置かれていました。
寄付金箱も味があるのは、さすが日本民藝館。
思わず寄付したくなる寄付金箱でした (ささやかな金額で恐縮ですが)。
ちなみに。
展覧会では、厨子甕以外にも、見逃せない作品があります。
例えば、絵馬のコレクション。
絵馬だけに、馬が描かれたものが多いのかと思いきや、
馬以外にも、牛やウサギ、鳩など、さまざまな動物が描かれていました。
中でも印象的だったのが、こちらの絵馬↓
描かれていたのは、何者かの足下。
一体どんな祈りが込められているのか?
謎にもほどがあります。
謎と言えば、江戸時代に作られたという 《龍頭》 も。
・・・・・・龍なのか?
かろうじて龍に見えなくもないですが、
どちらかといえば、「ワニワニパニック」 のワニのように見えます。
それにくわえて、用途も謎。
見れば見るほど、ペッツにしか思えません。
また、《熊野本地絵巻断簡》 も見逃せない逸品です。
こちらは、新たにコレクションに加わったばかりの作品とのこと。
室町時代に制作されたものとは思えない彩色の美しさ。
ゆるくて、妙な可愛さもある素朴なタッチにも注目です。
とりあえず気になったのは、僧侶の襟。
洗濯のりが効き過ぎたのでしょうか。
バリッバリになっています。
もはや何かの凶器のようです。
さてさて、コロナウィルスの影響で、
現在、都内の多くの館が、臨時休館となっていますが。
日本民藝館は会期中ずっと開館しているとのこと。
早くこの状況が収束しますように。
そんな “祈り” を込めて、足を運ばれてみてはいかがでしょうか。
狛犬の彼も、皆さまの来館を前足を長くしてお待ちしております。
注:とはいえ、社会状況が急速に変わっている今日この頃、
お出かけの際には、念のため公式HPや電話などで確認されることをオススメします。
日本民藝館
〒153-0041 東京都目黒区駒場4-3-33
電話 03-3467-4527 FAX 03-3467-4537
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