本日は、ディスカバリーミュージアムに行ってきました。
羽田空港内にある美術館だけあって、
来館者は、明らかに旅行客とわかる方ばかり。
皆様、フライトの待ち時間に、ラウンジとして利用しているようです。
・・・・・・ちなみに、僕は、旅行の前に立ち寄ったわけではなく、
現在開催中の美術展を観たくて、ディスカバリーミュージアムに寄ったのです。
観終わったら、帰りますけど、何か?(←この夏、特に旅行の予定もなく、卑屈になっている)
(気を静めつつ) 現在、こちらで開催されているのは・・・
“武将の美学 威厳の極致” という美術展。
戦国武将と美。
一見、結びつかないような気がしますが、実は、そんなことはなく。
戦場においては、絢爛な衣装や装身具を身に着けることで、
“美” をもって臣下に対してカリスマ性・威厳を表しました。
また、太平の世においては、江戸城への登城や大名間の社交場で、
“美” を自らに施すことで、武将としての格式を示したのです。
そんな武将たちの美学がつまった品々を、
永世文庫のコレクションの中から、厳選して紹介しているのが、今回の美術展。
戦国好きには、たまらない美術展と言えましょう。
しかも、写真撮影可能!
さらに、入場無料なのですから、他に言うことはありません!
今回の美術展での一番のお目当てが、こちら↓
細川忠興が関ヶ原の戦いで用いたとされる 《山鳥頭立越中頭形兜》 です。
てっぺんに乗っているのは、黒塗りのベンツを綺麗にするヤツ…ではなく、山鳥の尾羽です。
それまでの兜には、金属製の前立てが使われていましたが、
山鳥の尾羽という斬新な前立てにしたことで、華やかさをアップするとともに軽量化にも成功!
他藩の武将たちが、こぞって真似たという、当時、大流行したファッショナブルな兜なのです。
もう一つのお目当てが、刀の鐔 (つば) のコレクション。
たかが、鐔。
されど、鐔。
《鶴丸文透鐔》 に、
《桐紋透唐草象嵌鐔》 など、
極限にまでそぎ落とされた透かしは、もはやアートです。
ちなみに、僕が一番気に入った鐔は、 《武蔵野図 銘 楽寿》
この小さい中に、三日月まで表現されていて、なんとも風情のある鐔です。
それ以外に、気になった展示品を、いくつかご紹介。
まずは、こちらの細川忠興が所有したとされる采配↓
“あれ、何で、2つもあるの??”
実は、こちらは、天気によって使い分けたとされる 《晴雨の采配》 。
晴れの時は、上の方に展示されている白い絹の采配を。
雨の時には、下側に展示されているヤクの毛の采配を使っていたそうです。
天気によって、どちらの采配を使うのか。
その采配も振るっていたのですね。
続いては、細川12代斉護所有の 《弽》
『弽』 と書いて、 「ゆばり」 と読みます。
矢を射る際に、弦で手指を傷つけないように用いる手袋です。
美術展では、 この 《弽》 にまつわる、ある言葉が紹介されていました。
戦の際に、弓を落とさないよう薬根 (くすね) という薬剤を用いて、
《弽》 と弓を接着させたのだそうです。
転じて、十分な姿勢で待ち構えることを、
「手ぐすねを引いて待つ」 と言うようになったのだとか。
勉強になりました。
最後は、細川14代護久所有の 《朱塗網代騎射笠》
流鏑馬用の竹笠とのことですが・・・。
「萩原流行じゃん (笑) !!」
テンガロンハットみたいな被り物は、江戸時代からあったのですね。
これまた勉強になりました。
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武将の美学 威厳の極致
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