全国の美術館学芸員、ジャーナリスト、研究者などに、
40才以下の若手作家の推薦を依頼し、その作家が平面作品の新作を出品するという方式で、
全国各地から未知の優れた才能を紹介していく展覧会。
それが、VOCA展です。
壁面に展示できる平面作品で、250cm×400cm以内のサイズであればOK!
絵画作品や版画作品に限らず、写真作品も出展OKとなっています。
また、VOCA展がスタートした頃は、まだブラウン管の時代でしたが、今や薄型モニターの時代。
“厚さ20㎝以内であれば平面とみなす” というルールが適用されるため、映像作品も余裕でOKです。
なお、厚さ20㎝ルールを解釈すれば、
20cmに満たない薄型の立体作品も、OKということ。
ようは、ほとんど何でもあり状態な展覧会です (笑)
村上隆さんや奈良美智さん、蜷川実花さん、会田誠さんをはじめ、
現在日本を代表するアーティストの多くが、若き日にVOCA展に出展しています。
いうなれば、VOCA展は若手作家の登竜門。
多くの若手作家にとって、VOCA展は憧れのステージなのです。
・・・・・・・・・・・それだけに。
今年はちゃんと無事に開催できるのかと、ヒヤヒヤしておりましたが。
(春のセンバツ甲子園が、史上初の中止となっただけに)
どうやら3月12日に展覧会は開幕したようです。
(看板が小さい気がしますが、毎年こんなサイズでしたっけ??)
しかも、無観客開催ということもなく、
ちゃんとお客さんを入れる形で開催しています。
無事に開催されて、ホッと一安心。
上野の森美術館の勇気ある決断にエールを送りたいと思います。
(ただし、新型コロナウイルス感染症の拡大防止のため、
館内の換気状態を保持できるよう、お客さんが一定数を超えた場合は、入場制限をするそうです。)
さて、令和初となる記念すべき今回のVOCA賞を受賞したのは、
田中義久さんと飯田竜太さんによるアーティストデュオNerhol (ネルホル) 。
写真を200層ほど重ね、その塊 (?) を彫るという独特な作風で知られています。
なお、Nerholというちょっと変わったユニット名は、
田中さんが 「アイデアを練る」 、飯田さんが 「作品を彫る」 ことに由来しているのだそう。
「ネル」 と 「ホル」 でNerhol (ネルホル)。
一人が頭脳労働、もう一人が肉体労働。
現代アート界のナポレオンズといったところでしょうか。
さて、これまでNerholは、自身で撮影したポートレートを素材にしていましたが、
今回の新作 《Remove》 では、過去の記録映像を素材にしていました。
全体的にうねるように彫られているため、像がなんとも判別しづらいですが。
中央の男性は、確実に上半身裸です。
もしや変態?ジロジロ見ない方がいいヤツ?
・・・・・かと思いきや。
1969年のアメリカの宇宙飛行士の、
重力を除去する効果についてのテストプログラム中のワンシーンとのこと。
像が歪められたことで、普通の記録映像が妙に怪しげなものに感じられました。
VOCA奨励賞に輝いたのは、アンミカさんと一字違いの菅実花さん。
こちらの新作 《A Happy Birthday, selfiewithme》 に写っているのが、菅実花さん本人です。
あれっ?でも、2人ともまったく同じ顔をしていますね。
ということは、菅実花さんは双子なのでしょうか?
実は片方は、自分の顔を型取りして制作されたラブドールなのだそう。
見比べてみましたが、どっちが人間で、
どっちが人形なのか、全くわかりませんでした (汗)。
技術の進歩に驚かされるとともに、
どこかうすら寒くなるところのある作品でした。
また、同じくVOCA奨励賞に輝いたのが、李晶玉さん。
今回は、オリンピックをモチーフとした 《Olympia 2020》 なる作品を発表しています。
絵とデジタルプリントがミックスされた不思議な味わいの作品でした。
何よりも目を引いたのは、女性の後ろにうっすらと浮かび上がる影。
女性よりも明らかに影のほうが大きいのです。
もしかしたら、この影はに日に日に大きくなり、
東京オリンピックの開幕の頃には、この影が画面全体を覆っているのでは?
そんな不吉な妄想に駆られてしまいました。
さて、この他にも、大原美術館賞さんを受賞された浅野友理子さんを含め、
受賞作家は計6名いらっしゃいましたが、
惜しくも受賞しなかった作家の中にも、気になる作家は多く存在していました。
特にイチオシなのが、立原真理子さん。
実はこちらの作品は・・・・・・
網戸に刺繍を施したものです。
「その発想はなかった!」 と、
思わず手を叩きたくなりました。
VOCAアイデア賞があれば、間違いなく彼女が受賞です。
また、「その発想はなかった!」 といえば、高本敦基さんの作品も。
パッと見は抽象的でカラフルな作品です。
しかし、よーく見てみると、あることに気が付かされます。
日常の何気ないシーンを捉えたスナップ写真。
その中に映りこんだ記号の部分を、
絵の具で反復して描き、画面全体を覆っているのです。
普段あまり気に留めていませんが、
街中にはさまざまな記号が溢れていたのですね。
『ピタゴラスイッチ』 の1コーナーになりそうな作品です。
ちなみに。
もう1人気になって仕方がないのが、増田将大さん。
彼はまずモチーフとなる場所を撮影して、
その画像を同じ場所に投影し、さらにその光景を撮影するのだそう。
そして、その行為を何度も繰り返すのだとか。
・・・・・・・・・・何のために?
アートテラーを10年以上やっているので、
さすがに、多少はアートが理解できるようになってきましたが。
久しぶりに、ナチュラルな 「どういうこと??」 が飛び出しました。
もっとわからないのが、その入れ子のような光景を、
最終的にはシルクスクリーンと絵の具を使って、作品に仕上げていること。
・・・・・・・・・・何のために??
写真でいいじゃん。
インスタレーションでいいじゃん。
やはりアートは奥が深い。
1位を目指して、ランキングに挑戦中。
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40才以下の若手作家の推薦を依頼し、その作家が平面作品の新作を出品するという方式で、
全国各地から未知の優れた才能を紹介していく展覧会。
それが、VOCA展です。
壁面に展示できる平面作品で、250cm×400cm以内のサイズであればOK!
絵画作品や版画作品に限らず、写真作品も出展OKとなっています。
また、VOCA展がスタートした頃は、まだブラウン管の時代でしたが、今や薄型モニターの時代。
“厚さ20㎝以内であれば平面とみなす” というルールが適用されるため、映像作品も余裕でOKです。
なお、厚さ20㎝ルールを解釈すれば、
20cmに満たない薄型の立体作品も、OKということ。
ようは、ほとんど何でもあり状態な展覧会です (笑)
村上隆さんや奈良美智さん、蜷川実花さん、会田誠さんをはじめ、
現在日本を代表するアーティストの多くが、若き日にVOCA展に出展しています。
いうなれば、VOCA展は若手作家の登竜門。
多くの若手作家にとって、VOCA展は憧れのステージなのです。
・・・・・・・・・・・それだけに。
今年はちゃんと無事に開催できるのかと、ヒヤヒヤしておりましたが。
(春のセンバツ甲子園が、史上初の中止となっただけに)
どうやら3月12日に展覧会は開幕したようです。
(看板が小さい気がしますが、毎年こんなサイズでしたっけ??)
しかも、無観客開催ということもなく、
ちゃんとお客さんを入れる形で開催しています。
無事に開催されて、ホッと一安心。
上野の森美術館の勇気ある決断にエールを送りたいと思います。
(ただし、新型コロナウイルス感染症の拡大防止のため、
館内の換気状態を保持できるよう、お客さんが一定数を超えた場合は、入場制限をするそうです。)
さて、令和初となる記念すべき今回のVOCA賞を受賞したのは、
田中義久さんと飯田竜太さんによるアーティストデュオNerhol (ネルホル) 。
写真を200層ほど重ね、その塊 (?) を彫るという独特な作風で知られています。
なお、Nerholというちょっと変わったユニット名は、
田中さんが 「アイデアを練る」 、飯田さんが 「作品を彫る」 ことに由来しているのだそう。
「ネル」 と 「ホル」 でNerhol (ネルホル)。
一人が頭脳労働、もう一人が肉体労働。
現代アート界のナポレオンズといったところでしょうか。
さて、これまでNerholは、自身で撮影したポートレートを素材にしていましたが、
今回の新作 《Remove》 では、過去の記録映像を素材にしていました。
全体的にうねるように彫られているため、像がなんとも判別しづらいですが。
中央の男性は、確実に上半身裸です。
もしや変態?ジロジロ見ない方がいいヤツ?
・・・・・かと思いきや。
1969年のアメリカの宇宙飛行士の、
重力を除去する効果についてのテストプログラム中のワンシーンとのこと。
像が歪められたことで、普通の記録映像が妙に怪しげなものに感じられました。
VOCA奨励賞に輝いたのは、アンミカさんと一字違いの菅実花さん。
こちらの新作 《A Happy Birthday, selfiewithme》 に写っているのが、菅実花さん本人です。
あれっ?でも、2人ともまったく同じ顔をしていますね。
ということは、菅実花さんは双子なのでしょうか?
実は片方は、自分の顔を型取りして制作されたラブドールなのだそう。
見比べてみましたが、どっちが人間で、
どっちが人形なのか、全くわかりませんでした (汗)。
技術の進歩に驚かされるとともに、
どこかうすら寒くなるところのある作品でした。
また、同じくVOCA奨励賞に輝いたのが、李晶玉さん。
今回は、オリンピックをモチーフとした 《Olympia 2020》 なる作品を発表しています。
絵とデジタルプリントがミックスされた不思議な味わいの作品でした。
何よりも目を引いたのは、女性の後ろにうっすらと浮かび上がる影。
女性よりも明らかに影のほうが大きいのです。
もしかしたら、この影はに日に日に大きくなり、
東京オリンピックの開幕の頃には、この影が画面全体を覆っているのでは?
そんな不吉な妄想に駆られてしまいました。
さて、この他にも、大原美術館賞さんを受賞された浅野友理子さんを含め、
受賞作家は計6名いらっしゃいましたが、
惜しくも受賞しなかった作家の中にも、気になる作家は多く存在していました。
特にイチオシなのが、立原真理子さん。
実はこちらの作品は・・・・・・
網戸に刺繍を施したものです。
「その発想はなかった!」 と、
思わず手を叩きたくなりました。
VOCAアイデア賞があれば、間違いなく彼女が受賞です。
また、「その発想はなかった!」 といえば、高本敦基さんの作品も。
パッと見は抽象的でカラフルな作品です。
しかし、よーく見てみると、あることに気が付かされます。
日常の何気ないシーンを捉えたスナップ写真。
その中に映りこんだ記号の部分を、
絵の具で反復して描き、画面全体を覆っているのです。
普段あまり気に留めていませんが、
街中にはさまざまな記号が溢れていたのですね。
『ピタゴラスイッチ』 の1コーナーになりそうな作品です。
ちなみに。
もう1人気になって仕方がないのが、増田将大さん。
彼はまずモチーフとなる場所を撮影して、
その画像を同じ場所に投影し、さらにその光景を撮影するのだそう。
そして、その行為を何度も繰り返すのだとか。
・・・・・・・・・・何のために?
アートテラーを10年以上やっているので、
さすがに、多少はアートが理解できるようになってきましたが。
久しぶりに、ナチュラルな 「どういうこと??」 が飛び出しました。
もっとわからないのが、その入れ子のような光景を、
最終的にはシルクスクリーンと絵の具を使って、作品に仕上げていること。
・・・・・・・・・・何のために??
写真でいいじゃん。
インスタレーションでいいじゃん。
やはりアートは奥が深い。
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