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特別展「法隆寺金堂壁画と百済観音」

3月13日から東京国立博物館でスタートする予定だった “特別展「法隆寺金堂壁画と百済観音」”

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残念ながら、例のウイルスの影響により開幕が延期となっています。
現時点で開幕日は未定ではありますが、
来るその日に備えて、先日、プレス向けの内覧会が開催されました。

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(注:館内の写真撮影は、特別に許可を得ております。)


展覧会のメインとなるのは、
世界最古の木造建築とされる奈良・法隆寺金堂・・・・・

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《法隆寺金堂模型》 昭和時代 20世紀 法隆寺 [全期間展示]


その壁面に描かれていた壁画です。
これらの壁画は、創建当時、つまり約1300年前に描かれた貴重なもの。
ところが、1949年に発生した火災により、壁画の大半が焼損してしまいました。
こちらは、その焼損後の姿を忠実に再現した精巧なレプリカ↓

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すっかりモノクロの画面となってしまっていますね。。。


そういうわけで、今回の展覧会では、
法隆寺金堂壁画の実物は展示されていませんが。
代わりに、焼損前に描かれた貴重な模本の数々が紹介されています。
例えば、山梨県の放光寺に伝わるこちらの模本。

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《阿弥陀浄土図》 祐参筆 1852年 山梨・放光寺蔵 [全期間展示]


実は、現存する金堂壁画の中で、最も古いとされるもの。
幕末に模写されたのだそうです。

また例えば、明治時代に桜井香雲が模写したこちらの模本。

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壁画全十二面を記録した最古の模本だそうで、
放光寺の模本とは違い、傷や剥落部分も忠実に再現されているのが特徴です。

さらに、興味深かったのが、昭和時代に制作されたこちらの模本。

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昭和14年。法隆寺壁画保存協会が発足。
荒井寛方、中村岳陵、橋本明治、入江波光といった、第一線で活躍する日本画家が、
それぞれ長となり、メンバーを率いて、4班体制で金堂壁画の模写が進められることに。
しかも、当時は軍事用だった蛍光灯を用いて、
傷や剥落部分だけでなく、色彩も忠実に模写したのだそう。
日本文化財保護史に残る一大プロジェクトです。
ただ、残念なことに、全十二面の模本は実現できなかったとのこと。
戦争の激化によるプロジェクトの遅れにくわえて、法隆寺金堂の火災。
それらの災難と比べたら、ウイルスの影響で展覧会の開幕が、
1ヶ月伸びてしまうくらい、どうってことないような気がしてきました。


さてさて、展覧会のもう一つのメインが、
かつて法隆寺金堂に安置されていた仏像たちです。
中でも目玉となるのは、《観音菩薩立像(百済観音)》

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1997年にルーヴル美術館で公開されて以降、
法隆寺から出たことがないという貴重な仏像です。
今回は、実に23年ぶりの東京公開。
はるばる法隆寺から上京してきたところ、
まさか無観客状態の日々を過ごすことになろうとは。
さすがの百済観音も予想していなかったでしょう。

と、それはさておき。
特徴的なのは、何と言っても、そのプロポーション。
像高は、209cm。小顔でスリム。
モデル体型であるのを通り越して、横から見ると・・・・・

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もはやエヴァンゲリオンに近いものがあります。
まさに、人を超越した姿。
神秘的で神性すら感じられました (←神ではなく、仏ですが)。
また何よりも目を惹きつけられたのが、水瓶の持ち方。

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ソッと。フワッと。
実に軽やかに水瓶を持っています。
その優美な姿に見蕩れるとともに、若干の不安感も覚えました。
もし、中身が入っているなら、
頸の部分をもっとしっかり握ったほうがいいんじゃないかな??
観るものにアンビバレントな感情を抱かせる仏像です。

ちなみに。
《観音菩薩立像(百済観音)》 は、微笑みを浮かべた表情も魅力の一つなのだそうですが。

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肉眼では今ひとつよくわかりませんでした。。。
しかし、提供頂いた広報用画像では、その微笑みが確認できました。

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思っていたよりは微笑んでいましたが、
思っていたよりは目が笑っていなかったです。
運転免許証の表情みたいでした。


なお、《観音菩薩立像(百済観音)》 の他にも、
金堂の本尊釈迦三尊像の左右に安置されている国宝の 《毘沙門天立像》 と、

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国宝の 《吉祥天立像》 が特別に出展されています。

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国宝 《吉祥天立像》 平安時代・承暦2年(1078) 法隆寺蔵 [全期間展示]
画像提供;奈良国立博物館(撮影:森村欣司)



彼らのパワーで、展覧会が一日も早く開幕しますように。
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星
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星



 ┃会期:開幕日未定〜5月10日(日)
 ┃会場:東京国立博物館 特別4室・特別5室
 ┃
https://horyujikondo2020.jp/





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