本日は、西武渋谷店に行ってきました。
・・・と言っても、もちろんショッピングではなく、アートの話題。
現在、西武渋谷店のA館7階にある特設会場では、
“ロバート・メイプルソープ FLOWERS 写真展” が開催されているのです。
こちらは、エイズのため42歳で亡くなった伝説の写真家ロバート・メイプルソープ (1946~1989) の写真展。
ちなみに、彼の個展が開催されるのは、国内では、実に10年ぶりのことなのだそうです。
ロバート・メイプルソープと言えば、官能的な作風でお馴染み (?) の人物。
実は、メイプルソープの死後、彼の写真集を巡って、
日本で、裁判の歴史に残る訴訟事件が起こっているほど。
(その “メイプルソープ事件” の概要を知りたい方は、こちらを参照)
さすがに、西武渋谷店では、官能的な写真展を開催するわけにはいかないでしょうから・・・。
今回の写真展では、メイプルソープが撮影した約50点の “FLOWERS” が展示されていました。
メイプルソープの名前は、一応知っていたものの、
彼の作品をまとめて観るのは、今回が初めての機会でした。
Calla Lily,1986 copyright (c)Robert Mapplethorpe Foundation.
そんなメイプルソープの “FLOWERS” を観た率直な感想は・・・
「花なのに、なんかエロい!」
“エロい” とは言っても、決して下品なエロさではなく、官能的でセクシーな上品なエロス。
アンジェリーナ・ジョリーやペネロペ・クルスのようなエロスです。
今回紹介されていたどの花の写真にも、ドキッとさせられましたが、
特にドキッとさせられたのが、上で一部を紹介した 《Calla Lily》 のシリーズ。
もはや花の写真という感じがせず、
白いドレスを身にまとった妖艶なダンサーを被写体にした写真のように感じられました。
冷静に考えれば、ただの花なのに、
そこに、しなやかな動きや、女性性を感じてしまうから不思議なものです。
これまで、あまり写真作品で感動をしたことはないですが、
ロバート・メイプルソープの写真には、ドキドキさせられっぱなしでした。
僕の心のやわらかい部分を、撫でつけられるような。
そんな不思議な官能性を持った写真作品です。
ちなみに、 《Calla Lily》 のシリーズ以外で印象に残っているのが、下の2点。
こちらは、そこまで官能的というわけではないですが。
構図や余白のバランスに、どことなく “わびさび” を感じました。
『メイプルソープ=官能的』 という色眼鏡で観始めた写真展でしたが、
メイプルソープの写真に、このような日本的な美の要素もあるのを知って、新鮮に驚きました。
作品数は、約50点と、そう広いスペースではない写真展でしたが。
メイプルソープの作品を際立たせるために、
壁紙を黒で統一するなど、シンプルながらこだわりのある会場だったのも印象的。
しかも! (はい。ここ重要です)
これで、入場料が無料なのですから、素晴らしい限り。
9月10日までに渋谷に寄る機会があったなら、絶対に足を運んで損はない写真展です。
西武渋谷店さん、ありがとう!
“国内で10年ぶり” とは、もう言わずに、
メイプルソープの個展は、是非これからも続けて開催して欲しいものです。
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ロバート・メイプルソープ FLOWERS 写真展
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