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Channel: アートテラー・とに~の【ここにしかない美術室】
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美術館女子問題について

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どうも、アートテラーのとに~です。

このブログは、皆さまにエンタテインメントを届けるためのブログですので、

これまで極力、美術界の諸問題について真面目に意見を述べるというのは避けてきました。

ただ、今、美術館を少し騒がせているこのニュースに関しては、

やはりアートテラーという立場上、どうしても自分なりに感じたことを記しておきたくなりまして。

そこで、今日は、『ワイドナショー』 のパロディ企画、

『アートナショー』 というフォーマットで、個人の見解を話したいと思います。

この記事を通じて、誰かを責めたいわけでもないですし、議論を行いたいわけでもありません。

あくまでパロディ企画として、お読み頂ければ幸いです。

 

――――――――――――――――――――――――――――――――――――

 

すでにご存じの方も多くいらっしゃるでしょうが、

全国の公立美術館約150館が加盟する美術館連絡協議会と読売新聞オンラインが、

6月12日よりスタートさせた新企画 『美術館女子』 が、開始早々SNS上で炎上しています。

 

 

 

 

公式サイトの説明によれば、

「読売新聞で 『月刊チーム8』 を連載中のAKB48チーム8のメンバーが、

 各地の美術館を訪れ、写真を通じて、アートの力を発信していく」 企画とのこと。

 

この初回を読んだ一部の人々から、

 

 「○○女子と括るなんて性差別だ」

 「インスタ映えを狙いすぎて、作品が脇役になっている」

 

などの批判が続出。

『美術手帖』 や 『毎日新聞』  など一部のメディアが、

ジェンダー問題に造詣の深い社会学者や大学教授のコメントを載せ、

このニュースを報じており、騒動はいまだ止む気配がありません。

 

 

さて、ここからは、このニュースについての僕の見解です。

 

まず僕がこのニュースを知った経緯なんですが。

この一件が炎上したことを受けて、

アーティスの八谷和彦さんが、こんなツイートをしたようでして。

 

 

それに対して、僕の2年前の連載がプチ注目されました。

 

 

 

 

頼むから、僕を炎上に巻き込まないでくれと、

しばらくヒヤヒヤしてたのですが、おかげさまで火の手はやってきませんでした。

 

僕は、アートテラーとしてデビューしてから一貫して、

「美術館に一人でも多くの人に来てもらいたい!」 というスタンスで活動していますので、

このキャンペーン企画そのものに関しては、賛成派です。

 

ただ、サイトを拝見しましたけど、

正直、誰向けのキャンペーンなのかがよくわらかないですよね。

AKB48のファンに向けての企画であれば、

単純にタイトルを、『AKB48と巡る日本のミュージアム』  とか、

『BRK150 (=美術館連絡協議会) 総選挙』 とかにすれば、こんな炎上はしなかったと思うのです。

もしくは、どうしても 『美術館女子』 という企画名にしたかったのなら、

あいみょんをキャスティングしてたら、全然炎上しなかったと思うんですよね。

 

美術館が好きで、普段から美術館に通っている女性の方々が、

外から私たちはこんな風に見られているのか、こんな風に思われているのか、

というところに嫌悪感や悲しさを感じてしまったのが、今回の問題点の一つなのでしょう。

その気持ちはすごくよくわかります。わかるのですが・・・・・。

 

この記事を読んで、美術館に行ってみたいなと思った女性は少しはいると思うんです。

もちろんそれは女性に限らず、男性でもいいわけです。

美術ってよくわからないけど、綺麗な写真撮ってみたいな、

カフェに行ってみたいな、そんな気持ちに初めてなったのに、

これだけ美術ファンが騒いでいるのを見ると、まぁ、引いちゃいますよね。

“やっぱ美術館って、気軽な気持ちで行っちゃいけないんだ・・・” と。

もしかしたら、“美術ファンってなんか面倒くさいな” と思った方もいらっしゃるかも。

だからやっぱり企画に対して言いたい気持ちもわかるんですけど、

美術界や自分たちのイメージを悪くしないためにも、そこはグッと飲み込んで頂きたいなぁと。

 

僕は読売新聞で今連載させて頂いていますし、

これまでも読売新聞関係の仕事を数多くしてきました。

だからといってフォローするわけでもなく、

あくまで、個人的な想像に過ぎないですけれども、

そんなに世の中が騒いでいるように、女性を軽視していたわけではなかったと思いますよ。

ナイナイの岡村さんの例の一件と同じく、

悪気がなかったのが悪い、と言われてしまえば、それまでですけれども。

たまたまAKB48がキャスティングできただけで、

SixTONESやSnow Manがキャスティングできてたら、

たぶん 『美術館男子』 になっていたんじゃないですかね。

ジェンダーの問題にまで発展させるのは、行き過ぎのような気がしてなりません。

 

 

あとは、インスタ映えに関する問題ですね。

確かに、サイトを観ると、東京都現代美術館の魅力のアピールを、

インスタ映えの一点突破で行こうとしているところには、芸が無さ過ぎだろとは思いました (笑)

でも、「作品を背景にするな!」 という批判には、

正直なところ、それはしょうがないでしょ、と言いたいですね。

実は今年の春出版した 『東京のレトロ美術館』  に関して、とある書評サイトで、

 

「本人が前に出過ぎてせっかくの建物やお庭が背景になってしまってるのが残念。」

「主役は建物やお庭なのに、とに~さんがポーズ決めてて。主役が背景になってたのが残念!」

「元吉本の芸人さんだから、目立ちたがり屋なのかな?文章だけでもいいのに」

 

と書かれていまして (笑)

僕は自分からポーズを決めたわけではなく、

編集者さんとカメラマンの青山さんの指示通りにやっているだけだったのですが。

こんな風に書き込まれていて、だいぶ凹みました。

しかも、その人には、「とに~さんがもう少し控え目なら購入したかも」 と書かれていましたし。

 

買ってもないんかい!

 

買ってもないのに文句言われて、

しかも、買ってもないのにレビューしやがって!

・・・・・・あっ、すいません。話が脱線しました (笑)

 

まぁ、なので、背景にするなって言われても、

そこはもう、撮られる側としては、仕方ないですよ。

むしろ、背景にする以外の撮影方法がイメージできないです。

僕やモデルが背景となって、その前に美術館や作品が来れば、批判はされなかったんですかね??

それはともかく、背景するなって本当に文句を言いたい人って、作者だと思うんですよ。

でも、レアンドロ・エルリッヒやチームラボみたいに、

むしろ写真を撮ってほしいと考えているアーティストもいるわけで。

背景問題に関しては、第3者が議論に加わるとややこしくなるので、

極論ですが、「文句を言っていいのは作者と美術館だけ」 ってことにした方がいいんじゃないですか。

 

料理の時もそうですけど、インスタ映えで問題になるのは、

写真を撮った後に、料理を食べなかった時に炎上するわけですよね。

アートもそれと一緒で、インスタ映えするだろうと思って、

作品を背景にして写真を撮ろうが、それをアップしようが、そこまでは問題ないと思うんです。

ただ、その後はやっぱりちゃんと食べて欲しい。

具体的に言えば、作品を観て、咀嚼して欲しいんですよ。

今回の記事でも、AKB48の子がちょいちょいコメントしてるのですが、

それが、どうもこの本人の口から出た言葉のように感じられないんですよね。

週刊誌のグラビアに掲載されてる言葉みたいな。

明らかに、編集部の人が付けてるだろ感。

それで、AKB48の子がアートを食べてないように映ってしまったのでしょうね。

だから、次回以降は、ちゃんと自分の言葉で伝えてもらえたらいいなぁと思います。

 

 

あと、最後に一個だけ。

サイトの途中で何度か、モノクロの都現美の外観が映って、

下から長文がスクロールするページが登場しますが、あのページいりますか?

急に 『かまいたちの夜』  みたいな感じで、なんか怖いし。

文章が嘘くさすぎて、マンションポエムみたいだし。

狙いが全然わからなかったです (笑)

 

 

何はともあれ、これをきっかけに、美術界が萎縮するのだけは勘弁して欲しいです。

是非これからもいろんなチャレンジをして頂きたい!

あと、なんなら僕がブレーンに入りますので、そういうお仕事待っています (笑)

 

 

 

 

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