原美術館で開催中の “ホームアゲイン ―Japanを体験した10人のアーティスト” に行ってきました。
こちらは、アーティスト・イン・レジデンスによって、
日本に滞在した経験のある10人の若手アーティストを紹介する美術展です。
(アーティスト・イン・レジデンスとは、
海外のアーティストを一定期間ある土地に招聘し、その土地に滞在しながらの作品制作を行わせる事業のこと)
外国人アーティストが、3か月という滞在期間の中で、
日本をどのように見て、そして、その体験から、どのような作品を作り上げたのか。
『ここがヘンだよ日本人』 とか、
『COOL JAPAN 発掘!かっこいいニッポン』 とか、 『なかよしテレビ』 とか。
“海外の人から見たニッポン” に興味がある人には、大変オススメの美術展です。
そこに興味がない人にとっては・・・まぁ、フツーの美術展です (笑)
自分は、上に挙げたようなテレビ番組を、わりと見ている方なので。
わりと楽しむことが出来ました。
例えば、アメリカ人のメアリー=エリザベス・ヤーボローは、日本滞在中に、
《お目にかかれて嬉しいです》 というタイトルで、こんな作品を制作しました。
(注:今回の会場は、フラッシュ禁止ですが撮影は可です。)
そう。モデルは、お嬢です。
彼女が、日本で興味を惹かれたのは、カラオケ文化だったそうです。
アメリカでのカラオケは、バーのような場所で、見知らぬお客さんの前で歌うもの。
日本のように個室で友人たちと楽しむようなシステムではないのだとか。
そうして、カラオケ文化に興味を頂いたメアリーは、
その流れで、日本の歌謡界にも興味を広げ、辿り着いた先が、美空ひばりだったのだそうです。
1974年生まれのメアリーが、美空ひばりを称えてくれていたことで、
何か日本人として誇らしい気持ちになると同時に、
日本人のくせに、美空ひばりの曲をそんなに聴いていない自分を恥じる気持ちになりました。
日本人として、世界が認める美空ひばりの曲を聴くことにします。
ちなみに、そんなメアリーの帰国後の作品は、こちら↓
あまり日本の影響は残っていない感じです (笑)
今回の美術展では、
10人のアーティストの滞在中の作品と帰国後の作品は対比するように展示されていますが。
メアリーに限らず、どのアーティストも、
帰国後の作品には、見た目的には、あまり日本の影響が残っていないように見受けられました。
日本の影響というのは、見た目ではなく、精神的なものに現れるのかもしれません。
さて、その他の作家で気になったものをピックアップ。
まずは、ブラジル出身のエリカ・ヴェルズッティのドローイング作品から。
そのドローイングの作品群の中に・・・
東京メトロでよく見かける彫刻をモチーフにしたものを発見!
ブラジルのエリカ様は、この彫刻に興味を持たれたのですね。
インド出身のムナム・アパンは、
ハチ公物語からインスピレーションを受け、こんな作品を生み出しました↓
“・・・・・ハチ公??”
渋谷の駅前で、こんなのが待っていたら、ちょっとヒいてしまいま (笑)
インド人のアーティストの目を通すと、ハチ公が全く違うものに変身してしまうのですね。
これはこれで、非常に興味深いです。
ラストは、インドネシア出身のサウンドアーティストであるデュート・ハルドーノの作品。
オープンリールと招き猫からな、
このどシュールな作品には、 《人気批評家》 というタイトルが付けられていました。
・・・タイトルも、どシュールです。
ただ、冷静に考えると、作品そのものも、どシュールですが。
金ぴかの猫が、左手を動かしている招き猫 (電動のタイプ) そのものが、どシュールですよね。
海外の人から見れば、招き猫は奇異に見えるに違いありません。
ニッポン、不思議ナ国デスネ。
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ホームアゲイン ―Japanを体験した10人のアーティスト
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