派遣切り問題に、内定の取消し…。
今、日本は不景気の真っ只中にある。
しかし、そんなご時勢の中、美術展の入場料は、年々上がる一方。
このままでは、ますます国民の美術離れは広がってしまう…
そこで、 “とに~のここにしかない美術室” は、
先行き不安な美術鑑賞事情を救うべく、立ち上がりました!
きっと無料でも楽しめる美術作品はあるはず。
『無料で観れる美術作品を、100点紹介しよう!』
この使命を達成するため、私、とに~は今年一年を走り抜けます!
そんな目標を掲げ、2009年の1月10日に産声を上げた企画。
それが、 “無料で観れる 美術百選” 。
美術館やギャラリー以外にある、無料で観れる美術品を探す。
単純な企画ながら、意外に、無料で観れる美術探しは難航し、
気づけば、 「一年を走り抜ける」 どころか、3年半も走り続けることになってしまいました (笑)
もしタイムスリップが出来て、3年半前に戻れるならば、あの頃の僕に会って、
「悪いことは言わんから、思いつきで企画を始めるな!」
と、注意してやりたいものです。
ともあれ、そんな長い旅路も、ようやく終わりを迎える日がやってきたようです。
ついに念願の100点目の無料で観れる美術作品を見つけることが出来ました。
その作品は、広尾にあるとのこと。
早く終わらせたい一心で (?) 、早速広尾に行ってきました。
広尾駅から歩いてすぐの場所に、お目当ての廣尾稲荷神社はありました。
広尾駅周辺の雑踏とした感じとはうって変わって、物静かな佇まいの神社です。
地味ながら (←失礼!) 、只ならぬオーラが漂っていました。
上手く言えませんが、
“何かスゴいものがある!”
直感で、そんな気がしたのです。
そのオーラは、こちらから漂ってくるようです。
発信源は、この本殿の中ですね。
参拝を済ませた後、お言葉に甘えて、
靴を脱いで本殿の中へ。
“まさか、あの奥の太鼓が、今回の目的のアート作品??”
いえいえ、違います。
最後に、僕が皆様に紹介したかったのは、こちら。
もうお分かりですね。
龍の天井画でスタートしたこの企画、
そのゴールも、やはり龍の天井画です。
描いたのは、こちらの方↓
『藍川藤原孝経拝画』 とあります。
「記念すべき最後に、誰なんだよ!」 と思った方もいらっしゃると思いますが。
実は、こちらの人物は、日本の美術史に欠かせない、超有名な絵師。
重要文化財の 《鮭》 でおなじみの高橋由一なのです。
この天井画にある 『藍川藤原孝経拝画』 とは、
日本の油彩画のパイオニアとして、その名を馳せる高橋由一が、
絵画学習の基礎として、狩野派に学んでいた時の落款を記したもの。
この落款を残すのは、高橋由一の残した数多くの作品の中でも、極めて稀なケースなのだとか。
無料で観れる 美術百選 100 高橋由一 《天井墨龍図》
100点目に相応しい、この龍の絵を見上げた時、
これまでの苦労が、走馬灯のように思い浮かびました。
そして、この本殿の中で一人、目がジンワリしてしまいました (笑)
(「あいつ、何で泣いてるの?」 って目で、他の参拝客に見られました)
さらに、次の瞬間、なぜか急にむせ始めました。
人は、本当に感動すると、むせるみたいです (笑)
ゴールできたのは、この企画を応援してくださった皆様のおかげだと思っています。
本当に長い間、ご声援ありがとうございました。
“無料で観れる 美術百選” これにて完
<無料で観れる美術 データ>
廣尾稲荷神社
住所: 東京都港区南麻布4-5-61
アクセス:○東京メトロ日比谷線「広尾駅」より徒歩2分
この美術室を盛り上げるワンクリックも、無料で出来てしまいます。
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無料で観れる 美術百選 《廣尾稲荷神社(東京都港区) 》
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