今年7月。
豊島区内に新たなミュージアムが誕生しました。
その名も、豊島区立トキワ荘マンガミュージアム。
手塚治虫や石ノ森章太郎、赤塚不二夫、藤子不二雄といった、
マンガ家のレジェンドたちが若手時代を過ごしたあの 「トキワ荘」 を復元したミュージアムです。
見た目はだいぶ古めかしいですが、これはあえて当時の雰囲気に近づけたもの。
総事業費約9億8000万円をかけて建設された新築の建物です。
裏側に回ってみても、やはりどこからどう見てもボロアパート。
これが新築の建物だとは、誰も思わないことでしょう。
ちなみに。
豊島区立トキワ荘マンガミュージアムは、
南長崎花咲公園改め、トキワ荘公園内に建設されていますが。
実際のトキワ荘は、ここから歩いて5分ほどの位置にあったのだそう。
美術館は、事前予約制。
予約の時間より前についてしまったので、跡地に足を伸ばしてみたところ、
現在その場所には、漫画とは特に関係ない出版社のビルが建っていました。
面影は一切なし。。。
その一角にあったたトキワ荘跡地の碑だけが、かろうじて何かを伝えようとしていました。
ではでは、そろそろ予約の時間になるので、
本題である豊島区立トキワ荘マンガミュージアムへ。
入口を入ると、まずは階段で2階にあがることになります。
階段を上がって、最初に目に飛び込んでくるのは、完全復元された共同トイレ。
世の中に数多のミュージアムがありますが、
いきなりトイレを観させられるミュージアムは、間違いなくここだけでしょう (笑)
正直なところ、「何を見てるんだろう・・・??」 という気分になりました。
なお、トキワ荘に住んでいた漫画家のよこたとくお氏によると、
奥にある大便器は汲み取り式だったそうで、用を足すと2階から1階へ土管を通じて落下したそう。
・・・・・・・・・・・・ん??
先ほど、建物の裏側で目にしたアレは、
雨どいではなく、そのための管だったのですね。。。
と、それはさておきまして、もちろんトイレ以外にも、
漫画家たちが住んでいた2階部分は完全再現されています。
漫画家たちが実際に住んでいた部屋も、一部完全再現されていました。
ただ、手塚治虫や石ノ森章太郎の部屋は、なんとも殺風景な感じです。
おそらく、兵庫に手塚治虫記念館が、
宮城に石ノ森萬画館があるので、遺品はそちらにあるのでしょう。
ちなみに、もっとも再現に力が入っていたのが、こちらの共同炊事場。
トキワ荘には、1階と2階にそれぞれ炊事場があり、住人たちは共用で使っていたそうです。
ガスを使用するためには、月ごとに料金を払う必要があったのだとか。
そのため、お金のない漫画家たちは、ガスを使わずに調理をしていました。
ラーメン大好き小池さんのモデルとなった鈴木伸一さんも、炊事場が使えなかったとのこと。
なので、若き日はパンばかりを食べていたのだそう。
ラーメン大好きなのに。
さてさて、2階の再現展示をたっぷりと満喫した後は、
当時のトキワ荘には確実に無かったエレベーターに乗って1階へ。
2階とは打って変わって、1階は現代的な展示フロアとなっていました。
なお、現在は、開館記念企画展として、
“漫画少年とトキワ荘~すべてはここから始まった~” が開催中。
トキワ荘と最もゆかりの深いマンガ雑誌 『漫画少年』 と、
生原稿を含む 『漫画少年』 に関する資料が展示されています。
文学館や資料館のようなテイストの、わりと真面目な展覧会でした。
2階の再現展示も含めて、無料なので、
トキワ荘のあった場所を散策がてら、訪れてみてはいかがでしょう。
さて、豊島区立トキワ荘マンガミュージアムの中には、
特にレストランやカフェ的な飲食を提供する施設は無いですが。
時間に余裕があったら訪れたいのが、歩いて数分の距離にある中華料理屋・松葉です。
こちらは、漫画好きには聖地のようなお店。
藤子不二雄の自伝的漫画 『まんが道』 にもたびたび登場しているそうです。
店内には、漫画家によるサインがビッシリ!
(漫画家ではないけど、ホンジャマカの石ちゃんのサインも)
どのメニューも気になるところですが、ここはやはり、
数多くの漫画家が食べてきたというラーメン (600円) を注文してみました。
運ばれてきたのが、こちら↓
感想はただただ一言。
懐かしい。
それに尽きます。
美味しいとか、美味しくないとか、ではなく。