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Channel: アートテラー・とに~の【ここにしかない美術室】
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THIS IS JAPAN IN TOKYO ~永遠の日本美術の名宝~

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現在、東京富士美術館で開催されているのは、

“THIS IS JAPAN IN TOKYO ~永遠の日本美術の名宝~” という展覧会です。

 

 

 

東京富士美術館といえば、質、量ともに充実した西洋美術コレクションに定評があります。

しかし、実は、意外と知られていないのですが、

その日本美術コレクションも質、量ともに日本トップクラスを誇っているのです。

さらに、意外と知られていないのですが、これまでにすでに24回ほど、

海外で東京富士美術館の日本美術コレクションを紹介する展覧会が開催されています。

 

 

 

そんな日本が世界に誇る東京富士美術館の日本美術コレクションの中から、

日本画や浮世絵、蒔絵に刀剣など、選りすぐりの名品の数々を紹介するのが、今回の展覧会。

 

 

 

出展数は、前後期合わせて90点以上!

その中には、北斎や応挙、若冲、大観といった巨匠の作品や、

現存数が少ない天璋院篤姫の婚礼調度品など、貴重な品々が多数含まれています。

 

 

 

優れた日本美術コレクションが観られる私立美術館といえば、

根津美術館や岡田美術館、静嘉堂文庫美術館などの名前が挙がりますが。

この展覧会を機に、東京富士美術館もその一つに名を連ねることになりそうです。

星星

 

 

さてさて、出展されていた作品の中で、

特に印象的だったものをまとめてご紹介いたしましょう。

まずは、こちらの刀から。

 

 

 

刀工は、長曽祢興里入道乕徹。またの名を 「虎徹」。

時代劇や歴史が好きな人なら、「虎徹」  の名は、

新選組局長の近藤勇の愛刀として耳にしたことがあるかもしれません。

さて、展示ケース内には、なぜか鏡が設置されていました。

目を向けてみると・・・・・・・

 

 

 

そこには、『四ツ胴截断』 の文字が!

これは、罪人の遺体を4人分まとめて試し斬りしたことを表しているとのこと。

つまり、それだけ斬れ味抜群でしたよ、と保証しているのです。

二ツ胴截断や三ツ胴截断に比べたら、四ツ胴截断はかなり珍しいのだそう。

いやいや、「斬れました、遺体、四つです!」 的な感覚で言われましても・・・。

 

 

続いて印象的だったのは、江戸琳派の鈴木其一による 《萩月図襖》 

 

 

 

画像を観るだけでは、地味な絵に感じられるでしょうが、

実物は萩の花が精緻に描かれており、思わず目が惹きつけられる作品でした。

 

 

 

ちなみに、今でこそ、全体的に鈍い色合いになっていますが、

月や地の部分には銀泥が使用されており、もともとはシルバーに輝いていたそうです。

センスの塊のような作品。

琳派好きなら必見の作品です。

 

なお、今展にはもう1点、鈴木其一作品が出展されていました。

それが、こちらの 《風神雷神図襖》

 

 

 

俵屋宗達が描いた国宝の 《風神雷神図》 を、約100年後に尾形光琳が、

さらに、その約100年後に鈴木其一の師匠に当たる酒井抱一が模写したことは知っていましたが。

鈴木其一も風神雷神をモチーフにした作品を残していたのですね。

しかも、3人のように屏風絵ではなく、襖絵で。

単なる模写ではなく、ちゃんと独自性を出しているのが其一クオリティ。

さすがセンスの塊です。

 

 

今展の出展作の中で個人的に一番気になったのは、

山本元休なる謎の絵師による 《大織冠図屏風》 という作品。

 

 

 

タイトルにある 『大職冠』 とは、

藤原鎌足と竜王の宝珠争奪戦を描いた幸若舞の人気の演題なのだそう。

大化の改新を行った人物として、歴史の授業では学びましたが、

藤原鎌足は蘇我馬子だけでなく、まさか竜王とも戦っていただなんて!

どんな風に竜王と戦ったのか気になったので、

絵を隅々まで見渡してみたところ、それっぽいシーンを発見しました。

 

 

 

ただ、僕がイメージする藤原鎌足とは、ちょっと違うような・・・・・と思ったら。

実際に龍から球を奪ったのは、海女さんとのこと。

藤原鎌足は、海女に命じただけで、自身は船の上で高みの見物を決め込んでいました。

 

 

 

いや、お前が取ってこいや!!

 

 

他にも紹介したい作品が多々ありますが、キリが無いのでこの辺で。

なお、現在、新館・常設展示室の一部では、

今年1月に代官山ヒルサイドフォーラムで開催され、話題となった展覧会・・・・・

 

 

 

ダ・ヴィンチ没後500年 「夢の実現」展” が、東京富士美術館ver.で開催されています。

 

 

 

こちらの展覧会も見どころが多く、見ごたえ十分でしたが、

何より興味深かったのは、今回新たに判明したという 《最後の晩餐》 の空間です。

正しい部屋の形を算出したところ、

幅約10m、奥行き約20mであることが判明したのだそう。

なお、テーブルは、だいぶ手前に設置されていたことも判明。

 

 

 

《最後の晩餐》 のキリストたちの後ろには、無駄に広いスペースがあったようです。

何でまたこんな端っこで、彼らは飯を食っていたのか??

 

 

西洋美術コレクションだけでなく日本美術コレクションも、

さらには、ダ・ヴィンチまでもが楽しめる一挙三得な機会です。

東京在住の皆さま、GoTo東京富士美術館ですよ。

 




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