カワイイもの好きの聖地、サンリオピューロランド。
そのすぐ近くに、カワイイ・・・とは無縁のミュージアムがあります。
それが、東京都埋蔵文化財センター。
都内の埋蔵文化財の調査、研究、収蔵を行うために設立された施設です。
建物のすぐ近くにあるのが、縄文の森。
「多摩ニュータウンNo.57遺跡」 というやや味気ないネーミングの遺跡を復元したもので、
敷地内には、トチノキやクルミなど当時を再現した植栽や3棟の復元住居が点在しています。
と、散策中にちょうど大雨が降ってきたので、
雨宿りもかねて、復元された竪穴住居の中に避難!
大雨が凌げたこともあり、意外と心地よい空間でした。
床が、直で土というところは難ありですが、
ラグや絨毯などを敷くことで、リカバリーしたいと思います。
さてさて、縄文の村をたっぷり堪能した後は、
いよいよ、東京都埋蔵文化財センターの中へ!
こちらには、『半沢直樹』 ばりに顔芸を決めた土面や、
2009年に大英博物館で開催された “土偶展” にも出展された土偶、
通称、「多摩ニュータウンのヴィーナス」 が常設で展示されています。
さらに、縄文式の火おこしを体験できるコーナーや、
縄文土器を立体パズルのように再現するチャンレジコーナーも。
考古学の展示=地味。
そんな概念を覆す楽しい展示コーナーが多々用意されていました。
それでいて、入館料は無料。
サンリオピューロランドに負けず劣らず楽しいテーマパークです。
個人的には、八王子の遺跡で発掘された土器の欠片を・・・・・・・
UFOキャッチャー風にディスプレイした展示スタイルに、大いに感銘を受けました。
考古系の施設で、しかも、都立の施設で、この遊び心は素晴らしい!
一気に東京都埋蔵文化財センターのファンになりました。
遊び心といえば、こんな展示も。
こちらは、縄文人の服装を再現した展示です。
よく見ると、アイテムのあちこちにタグのようなものが付いています。
近づいて観てみると・・・・・・・
無印良品ならぬ、縄文良品のタグでした。
遊び心、最高かよ。
さてさて、そんな東京都埋蔵文化財センターで、
現在、開催されているのは、“リケイ考古学 イマドキの探ると守る” という展覧会。
考古学というと文科系の科目、いわゆる “ブンケイ” の印象が強いですが、
実は、近年の埋蔵文化財の調査や研究には “リケイ” の手法が多く用いられているのだそうです。
考古学とリケイ。
一見結び付かないような気がしますが。
例えば、こちらの木製品に書かれた消えかけた文字。
赤外線カメラを使うと・・・・・・・
ハッキリと文字が浮かび上がってくるそうです。
なるほど。リケイの力がなければ、わからない発見ですね。
また、例えば、100文分の銭をまとめた銭緡 (さしぜに)。
(実際には、100文ではなく、96文だったようですが)
重ねられた銭は剥がすことができないため、CTスキャンを用いたところ・・・・・・・
すべての銭が寛永通宝であることが判明したそうです。
確かに、これもリケイの力でなければ、わからない事実です。
と、このようにリケイの力が、文化財研究や保存の分野に、
いかに役立っているのかの実例が、展覧会ではいくつも紹介されていましたが。
解説もリケイ寄りのため、ブンケイ脳には、なかなかムズかしく・・・。
できれば、ブンケイでもわかるような解説をしていただきたかったです。
ちなみに、無料で楽しめる東京埋蔵文化財センター。
こちらのアンケートに協力するだけで・・・・・
多摩ニュータウンのヴィーナスがデザインされたオリジナルエコバッグがもらえました。
無料とは思えないクオリティ。
縄文良品です。