日本橋の夏の風物詩。アートアクアリウム。
日本人が江戸時代より親しんできた金魚が、
アートとコラボした水中空間 (アクアリウム) を優雅に舞い泳ぐ姿を楽しむ展覧会です。
そんなアートアクアリウムが14年目にして、ついに常設化!
8月末に、“アートアクアリウムの聖地” である日本橋に、
これまでの3倍となる展示フロアを持つアートアクアリウム美術館が誕生しました。
オープンして数週間ほどは、「金魚が衰弱している・・・」 と、
SNSで軽く炎上し、一部のネットニュースやワイドショーでも取り上げられていたようですが。
僕が訪れた先週9月11日の時点では、
特に衰弱することなく、金魚たちは水槽を泳ぎ回っていました。
・・・・・・・・とはいえ。
これは、あくまで個人的な感想ですが。
一つの水槽の中に、金魚たちが、
こんなにも密な状態で押し込められている姿を目にして、
美しいと感じる以上に、切なさを感じてしまいました。
彼ら彼女らだって、もっとゆったりと泳ぎたかろうに。。。
なお、アートアクアリウム美術館には、
金魚だけでなく、鯉も泳がされていましたが。
金魚以上に窮屈そうな印象を受けました。
彼ら彼女らだって、もっと広いところで泳ぎたかろうに。
確かに。
どこを撮っても、インスタ映えはするのは事実。
多くの人の心を掴んでいることに関しては、素直にスゴいと思います。
・・・・・・・しかし、美しいは美しいのですが、
芯のようなもの、核となるものがまったく感じられませんでした。
見た目は綺麗なのに、中身はカラッポ。
美人は3日で飽きるといいますが、
アートアクアリウム美術館は3分で飽きてしまいました (笑)
ちなみに。
「生命の宿る美術館」 というコンセプトだそうですが、
肝心のその生命が、ないがしろにされているような気がしてなりません。
また、入館は事前予約制だったのですが。
(注:当日空きがある場合は、当日券あり)
“このご時世に大丈夫なのか?!” と、
心配してしまうくらいに、お客さんが入っていました。
何のための事前予約制??
生命の宿る美術館で、軽く生命の危機を感じてしまいました。
何よりもいただけなかったのは、
この展示を観て、得るものが何もなかったということ。
“アートアクアリウム” という一種の興行であれば、それでも良いのでしょうが。
美術館と名乗る以上は、やはり得られるものがないと。。。
会場には、ほとんど解説のキャプションはありません。
それゆえ、金魚についても、日本の伝統についても学べるわけでもなし。
なぜか唐突に歌川広重の行書版 《東海道五十三次》 と、
月岡耕漁の 《能楽百番》 が展示されていたのですが、それについての説明もありません。
その代わり、アートアクアリウムのプロデューサーで、
アートアクアリウムアーティストの木村英智さんのプロフィールは・・・・・・・・
ハズキルーペがないと読めないくらいに、
細かい文字でビッシリと書き込まれていました。
木村さんの木村さんによる木村さんのための美術館。
それが、アートアクアリウム美術館です。