先日10月1日に、約1世紀ぶりに往年の姿を取り戻した東京駅丸の内駅舎。
約5年半に渡って工事が続けられていたドームの内部も、この通り↓
・・・と、この大々的なニュースの陰に、すっかり隠れる形で (?)
2006年より一時休館を続けてきた東京ステーションギャラリーも、10月1日に再開!
今回のリニューアルオープンは、単なる再開に留まらず。
パワーアップしたリニュアルオープンとなっていました。
まず何と言っても、スペースがパワーアップ。
新築部分と、赤煉瓦の壁の展示室という旧来の展示室を織り交ぜた3階建て構造に大変身!
そして、場所も移転し、丸の内北口改札に直結する位置に!
駅から徒歩0分の場所に位置することから、
『日本一アクセスのしやすい美術館』 であることは疑いようのない事実です。
さて、そんな東京ステーションギャラリーでは、東京駅復原工事完成記念展として、
“始発電車を待ちながら 東京駅と鉄道をめぐる現代アート9つの物語” が開催中。
こちらは、本城直季さんや、
《small planet tokyo-station》
秋元さやかさんをはじめ、
《地をうごく 山形 2012 4月17日~5月3日》
8人と1組の現代アーティストが、
『鉄道』 もしくは 『東京駅』 をテーマに、新作を発表する美術展です。
『鉄道』 をテーマにした現代アーティスト展と聞いて、
鉄道模型用の線路を使った 《10番目の感傷(点・線・面)》 でお馴染みのクワクボリョウタさんの名前が、パッと浮かびましたが。
そんな僕の期待に応えるように (←?) 、
今回の美術展には、ワクボリョウタさんの新作 《Lost #8(tokyo marunouchi)》 が出展されていました。
それから、『鉄道』 をテーマにした現代アーティスト展と聞いて、
プラレールを使ってスケールの大きなインスタレーション作品を作るパラモデルの名前も、パッと浮かびましたが。
またまた、そんな僕の期待に応えるように (←??) 、
パラモデルの新作のインスタレーション 《パラモデリック・グラフィティ》 が発表されていました。
(美術展の初っ端に、この空間が飛び込んできますので、インパクトは抜群ですw)
そんなわけで、いい意味で予想通りで、期待を裏切らない美術展でした。
もちろん、僕が予想していなかったアーティストの作品にも出会えたわけで。
その中でも特にヤマガミユキヒロさんという方の作品が、自分的にはツボ。
こちらの 《platform no1/no2》 という作品は、一見すると写真のようですが。
実は、細密に描かれた鉛筆画。
そのモノクロな鉛筆画をスクリーンにし、
同じ位置から撮った映像を映し出すという新しいタイプの作品です。
「2度手間じゃね?」 と思える、このまどろっこしいほどの行程が、
これまでに観たことのない世界観を生み出していました。
この 《platform no1/no2》 以外にも、
東京駅の構内を描いた 《little trip》 と東京駅の丸の内駅舎を描いた 《東京駅の眺望》 が出展されていました。
この3点のヤマガミユキヒロさんの作品が観られただけでも、行った価値が大いにありました。
ちなみに、 《東京駅の眺望》 は、工事中の丸の内駅舎を描いているため、
美術展の会期中に、復元ver.に変わるとのこと。
来年2月24日の会期終了までに、もう一度くらい訪れてしまいそうです。
美術展としては、アーティストのチョイスが絶妙ですし、
作品自体も面白く、何も文句のつけようがないのですが。。。
美術作品に対する解説が、ほとんど無かったことは、改善の余地がありそうな気がしました。
おそらく、秋元さやかさんの作品は、解説がなければ、
何を表しているものなのか、ほとんどの方が理解できない気がします。
それと、スタッフさんの気合が空回りすぎていたのも気になりました (?)
例えば、クワクボリョウタさんの作品を観賞している際に、
「この後、○○に注目ですよ!」
と、ネタバレ気味の声掛けをしていたり。
芝川敏之さんの作品の前では、
「これって、○○を表しているんですよ」
と、観ていたお客さんに話しかけ、
「あ、そうなんですね。どうやって、これを作ったんですか?」
と聞かれると、
「それは、私はわかないので、聞かないでください」
と、返し、
「・・・・・・。」
変な空気が生まれていました。
まだまだ、東京ステーションギャラリーは、始発が進行したばかり。
今後の運行が、より快適なものになることに期待です。
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始発電車を待ちながら
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