JR有田駅から徒歩約12分の距離にある佐賀県立 九州陶磁文化館。
1980年に開館し、今年2020年でちょうど開館40周年を迎えるミュージアムです。
陶磁を専門にしているミュージアムだけあって、
館内のいたるところに、当時のアイテムが設置されています。
ドアの押板もスイッチカバーも陶磁製。
さらに、トイレも陶磁製。
洗面台もトイレットペーパーホルダーもゴミ箱も陶磁製でした。
って、そもそも便器そのものが陶磁製ですね。
展示室は全部で5つ。
実物とパネルを通じて、「九州陶磁の歴史」 をわかりやすく紹介する部屋や、
柴田夫妻コレクションを紹介する展示室があります。
実は、柴田夫妻コレクションは、
世界的な有田陶磁コレクションとして知られるコレクション。
17、18世紀に作られた有田磁器を中心にしたコレクションです。
展示ケースに所狭しと並べられていましたが、
これでも柴田コレクション全体の10分の1に過ぎないとのこと。
というのも、柴田コレクションの総数は、実に10311点。
毎年入れ替えているそうですが、
すべてを展示するのに10年以上かかる計算になるそうです。
ちなみに。
現在展示されていた柴田コレクションの中で、
特に印象に残ったのは、こちらの 《染付 海老文皿》。
海老をこのアングルから描いてみようと思ったそのチャレンジ精神に乾杯。
結局、海老ではない何者かになっています。
モーラーとか。
さてさて。
現在、佐賀県立 九州陶磁文化館では、開館40周年を記念し、
展示室1~3を使って、“柴澤コレクション” という特別展が開催されています。
柴田夫妻コレクションと、だいぶ紛らわしいですが。
こちらは新潟県の古伊万里コレクター、
故・柴澤一仁氏が寄贈した江戸時代の肥前磁器を中心としたコレクション。
今回の展覧会では、コレクションすべてが一挙展示されています。
その数、実に432件計1179点!
先んじて鑑賞した柴田コレクションと併せて、2000点以上!
皿の上には何も載ってないのに、
徳利や茶碗の中には何も入っていないのに、
鑑賞の途中で、お腹がいっぱいになってしまいました。
こんなことってあるんですね (笑)
虎の胴が異様に長い 《染付竹虎文大皿》 や、
映画 『ベスト・キッド』 感が強い 《染付唐人文皿》 も印象的でしたが。
膨大な柴澤コレクションの中で、特に印象的だったのは、《染付仙芝祝寿文皿》 です。
醸し出される南米感。
レゲエ感。
青一色なのに、黄色や緑、赤い色が見えるようでした。
江戸時代にこんな紋様があったのですね。
紋様といえば、こちらの 《染付山水文輪花皿》 も。
表面は特にこれといった特徴のない絵柄ですが。
裏返してみると・・・・・・・・
ハート柄で縁取られていました。
なんともファンシー!
ギャップ萌え必至のお皿です (←?)。
ちなみに。
これだけ見ごたえのある佐賀県立 九州陶磁文化館。
なんと無料です!!
しかも。
写真撮影可能です!!!
それなのに、あまり知名度がないなんて。
アートテラー・とに~は、佐賀県立 九州陶磁文化館を全力で応援いたします。